カレーライスは糖尿病に良いの悪いの?

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。

 

はじめに

あなたはカレーライスは好きですか?

国内でカレールウの消費量が多かった市は、

  • 1位 鳥取市
  • 2位 新潟市
  • 3位 岡山市

だったそうです。

 

 

さらにカレーの消費を国別に見ると、

1位のバングラディッシュでは1ヵ月になんと71.1回。

2位は56.3回のパキスタン、3位はインドで44.66回。

日本は10位で平均すると月に3回、カレーを食べているそうです。

 

さて、カレーライスは糖尿病には良いのでしょうか?悪いのでしょうか?

 

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カレーライスは糖尿病のリスクを下げる

韓国の順天大学校の研究グループは、

カレーライスの消費量と心血管疾患、2型糖尿病、関節炎、うつ病との関連について調べた結果を世界的な科学雑誌に投稿し、

 

 カレーライスは心血管疾患や糖尿病などの疾患やうつ病などから守る可能性がある

との報告しました。

 

 

The association between curry-rice consumption and hypertension, type 2 diabetes, and depression: The findings from KNHANES 2012-2016.

 

CONCLUSIONS : The potential health benefits resulting from the intake of curry-rice via an ordinary diet could protect the public from the burden of non-communicable diseases (NCDs) and mental health. These results highlight an ongoing need to understand the role of curry-rice in NCDs and mental health.

 

      詳しく見る ⇒ Diabetes & Metabolic Syndrome

 

研究では、

18歳以上の1万7,625人を対象に

ライフスタイル、病歴、服用薬剤、家族歴、食物消費に関するデータなどを収集し、

 

カレーライスの消費と、

  • 心血管疾患
  • 2型糖尿病
  • 関節炎
  • うつ病

との関連を分析したのです。

 

その結果、

カレーライスの消費が多かった人では、

  • トリグリセリドの上昇の割合が低い
  • HbA1cの上昇
  • グルコースの上昇

の割合が低かった。

 

カレーライスの消費が多かった人では、

  • 高血圧のリスクが低い
  • 糖尿病合のリスクが低い
  • うつ病のリスクが低い

ということが分かったというのです。

 

研究グループは、

カレーライスを摂取することは非感染性疾患やメンタルヘルスを保護する可能性が示唆された

と述べています。

 


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カレーライスは最も食後血糖値を上げた

カレーライスは日本の代表的な国民食の1つで、

総務省の家計調査では、

1世帯当たりのカレールウの年間消費量は1箱12皿分の換算で2.05箱といわれています。

 

カレーライスは、

  1. 糖質が多い
  2. 脂質が多い
  3. カロリーが高い

ということから糖尿病にはあまり良くない食べ物とも言われています。

 

AGE牧田クリニック院長の牧田善二氏。文藝春秋10月号に、

100%老け込む食品

血糖値の徹底調査で「老けやすさ」を格付け

という記事を掲載しています。

 

糖尿病患者600人と健康な20~40歳代の人を対象にしていろいろな食品を食べた後の血糖値を比べ、

食後高血糖を起こしやすい食品のランクを付けたのです。

 

そして、

カレーライスは「最も老け込む食品」で、

  血糖値を上げてAGEを増やす糖尿病に悪い食品

だというので。

 

AGEとは終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)のことで、

糖質と蛋白質が結合したもので、老化の原因になると言われている物質です。

 

カレーライスが食後高血糖を起こすかをフリースタイルリブレで検証

 

そのランキングは、

 

評価 食品
 ★★★★★ カレーライス
 ★★★★★ ポテトチップ
 ★★★★★ フライポテト
 ★★★★ メロンパン
 ★★★★ ビール
 ★★★★ バナナ
 ★★★ ざる蕎麦

 

なんとカレーライスが一番悪いというのです。

 

やはりカレーライスは食後血糖値を最も上げた

 

私も同じようなことを自身で調べてみました。

 

詳しくは、

7日目のフリースタイルリブレ:カレーライスは血糖値を上げる

に記載しましたが、

 

様々な昼食を摂りフリースタイルリブレで食後血糖値を測定してみたのです。

 

その結果、

 

    糖質量 最高血糖値 食後高血糖
3日目   基準食 117.1 183 140
4日目   ベジファースト 124.2 170 152
5日目   食後運動 117.1 191 130
6日目   糖質制限  53.6 142 112
7日目  カレーライス 100.3 210 175
8日目   牛丼 97.0 210 173
9日目   天ぷら蕎麦 154 130
10日目   玄米カレーライス 76.3 177 124
11日目  ポカリスエット 31 146 86
12日目  焼きそば 77.1 147 126
13日目  ラーメン ライス 79.1 153 118
14日目   バナナ2本 67.5 134 104
14日目  ドリ牛セット 107.6 165 115

 

カレーライスが最も食後血糖値を上げたのです。

食後血糖値とは食事をした後の血糖値のことで、

 食後2時間の血糖値は140mg/dl以下が望ましい

とされているのです。

 


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まとめ

韓国の研究グループはカレーライスを食べている人では心血管疾患、糖尿病やうつ病などのリスクが低いとの研究論文を発表しました。

しかし、カレーライスは糖質や脂質が多くカロリーも高い食品です。さらに、カレーライスではツイツイ早食いになってしまうことが多く、食後血糖値を上げやすいのです。

カレーライスは日本の国民食ともいわれ皆が好きな食品ですが、サラダと一緒に食べる、ゆっくり食べるなどの工夫も忘れないでください。

フリースタイルリブレで血糖トレンドを調べて糖尿病の予防

 

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