相撲の力士はどうして糖尿病にならないのか

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

大相撲初場所が始まりました。

ブヨブヨのあんこ型、、、そざかし糖尿病に苦しむ力士も多いのではと思ってしまいますが、

相撲取りに糖尿病は少ないのだそうです。

どんぶりでご飯を何杯も食べ、昼寝をして、、、

私達がそんな生活をしたらすぐさま肥満、糖尿病になってしまいそうなのですが、

どうして相撲取りは糖尿病にならないのか、、、?

不思議ですよね、、

しかし、

相撲取りの巨漢と、われわれの肥満とは根本的に違うのです。

そしてそれは、糖尿病にならない秘けつでもあるのです。

 

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 相撲取りは凄い肥満体です

糖尿病は生活習慣病だって、メタボは体重オーバーだからだって、、。

でも相撲力士は身長も高いけど、体重は凄いじゃないですか。

角界で身長、体重とも最も大きな力士はかつての横綱武蔵丸で225.5kg、身長191.0cm、BMI61.8ですよ。

 

日本相撲協会の入門条件は、身長が171cm以上、体重が75kg以上で、BMIは 25.7ですから、我々一般人でこの数字だと完全に肥満ですよね。

医者にいったら、「このままじゃ長生きできませんよ。とにかく食べる量を減らして、運動して、減量してください!!」っていわれる数字ですよ、入門時から、、、。

 

相撲部屋のちゃんこ鍋

そして、なんと、力士が1日に摂取するカロリーは8,000kcalだそうで、女性の必要カロリー量の4倍を食べているのです。

 

いくら朝から激しい稽古があり、体力の消費も大きく、そして身体を大きくしなければ強くなれないからといっても、これじゃ絶対メタボでしょう。

どう考えても全員が糖尿病になっててもおかしくないはずなのです。

 


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相撲取りも糖尿病になる

相撲取りでは糖尿病になるひとが非常に少ないのですが、

実際に糖尿病になる力士もいるんです。

糖尿病になった力士は、有名なところでは、

 

鳴戸親方(元横綱隆の里)

2011年11月に59歳の若さで、急性呼吸不全で死去した大相撲・鳴戸親方(元横綱・隆の里)は糖尿病で苦しんだことは有名です。

死亡の直前まで、週刊新潮で、弟子への暴力行為や弟子に体重を増やすために自分が処方されているインスリンを注射したとかの報道で騒がせたのですが、

何度も禁酒、食事の節制ができずに、失敗しながらも、精神力を鍛え、徹底的に自己管理して糖尿病を克服したことは有名です。

大関時代には糖尿病の克服体験を出版しています。

 

相撲取りはどうして糖尿病にならないのか

 

現役時代には、糖尿病が治まると好成績を挙げて番付も上がるが、

糖尿病が出てくると番付が下がり、、をくり返したので、「エレベーター力士」といわれていたのですね。

なんとか糖尿病を克服しようと医学書を読み漁ったり、自分の糖尿病はなにが原因で、どうして治まったり発症したりを繰り返すのかを徹底的に勉強し、「糖尿病博士」とも呼ばれ、糖尿病の食事療法にも熱心で努力の人だったのだそうです。

 

千代大龍

現役力士で糖尿病で有名なのは、千代大龍です。

千代大龍は身長180cm、体重175kgだからそんなに肥満体ではないのですが、

急激に眼圧が上昇して直ぐに手術をしなければ失明に至るという急性緑内障で2013年の九州場所を休場したのだが、持病として糖尿病もあることから新生血管緑内障の可能性も有るようだ。

千代大龍はまだ24歳。という若さで糖尿病が持病、昨年はせっかく小結まで昇進したというのに。

 

千代大龍は糖尿病

 

糖尿病を患う前には、毎食、白米を丼で7杯食べ、カルピスが好物で「原液:水が7:3」のカルピスを愛飲していたらしい。

他にも焼き肉が大好物で2013年11月場所中、夕食は「半分以上焼き肉」であったといいます。

自称、稽古大嫌い力士だそうです、、、。

 

相撲取りは内臓脂肪が少ない

日本相撲協会の入門条件は、身長が171cm以上、体重が75kg以上で、BMIは 25.7ですから、相撲取りはデブだと思うのですが、あの巨漢にして意外と体脂肪率が低いのです。

お腹もお尻もだぶだぶ、まわしのワキから下腹の肉がはみ出ている力士もいたりして、ブヨブヨ、、、。

パっと見、体脂肪率は40~50%は絶対いていると思いますようね。

しかし、

力士 身長 体重 体脂肪
白鳳 192cm 158kg 25%
日馬富士 185cm 133kg 23%

と、以外な数字なんですね、、、
でも全員が低いわけでもなく、

 

体脂肪の多い力士は、

力士 身長 体重 体脂肪
魁聖 195cm 188kg 38.9%
枡ノ山 180cm 174kg 38%

しかし、多いといっても意外と少ないですね。

白鳳も日馬富士も、身長や体重だけで考えると、巨体だし、BMI値では「肥満」に属するのですが、この巨体で脂肪の占める割合が体重のたった20数%ってことは、ほとんど筋肉っていうことでしょうか?

じつは、皮下脂肪はタップリでも内臓脂肪が少ないのだそうです。

あの小錦でさえ、身長183cm、体重274kgと超あんこ型で肥ってはいましたが、内臓脂肪は20%台だったそうです。

 

NHKの調査によれば、幕内力士の平均体脂肪率は23.5%で、現代の若者の体脂肪率と比べるとずっと低い値だそうです。

ですから、相撲取りは太っていてもメタボなどの生活習慣病を引き起こす内臓脂肪型の肥満ではないのです。

 

皮下脂肪型肥満  内蔵脂肪型肥満

これは、相撲取りの生活の関係しているのだそうです。

 

相撲取りの一日は、

  1. 朝7時に起床
  2. 朝食抜きで午前中に11時までびっしり稽古
  3. 12時に朝食兼昼食のちゃんこ鍋で食事
  4. 午後1時から2時まで昼寝
  5. その後は各自の自主トレーニング(筋肉トレーニング)
  6. 午後6時半から8時に夕食
  7. 夜10時に就寝

と、毎日規則正しい生活です。

毎日のカロリー摂取量は8,000カロリーですが、運動量は半端ではありません、、。

 


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相撲取りに糖尿病は少ない

昔の相撲取りには糖尿病が多かったのだそうですが、現在の力士に糖尿病は案外少ないのだそうです。

空腹時に十分稽古して、お腹を空かしてからチャンコを食べるこのやり方は、体重は増えるが、糖尿病になる率は一般人より低いんだそうです。

 

  • 1日の食事回数は2回
  • 8,000kcalを摂取
  • 昼寝1時間

の毎日となると、直ちに糖尿病になると思われがちですが、意外と幕内力士になると糖尿病発症するものは少ないそうです。

どの相撲部屋でも入門した新弟子には、身体を大きくするために叱咤激励して食事をさせるのですが、脂肪が貯まるまもなく、稽古で脂肪を燃焼していることが糖尿病を防いでいるのですね。

 

相撲協会によれば、力士690人中、30才以下で空腹時血値が111mg/dl以上の力士は76人とわずか15.2%だそうです。

この数字は日本人40歳以上の糖尿病発症率15.8%(厚生労働省 2002年調査)より少ないのです。

割合からみれば、幕内力士での糖尿病は数名ということになります。

 

規則正しい生活と運動

伝統の慣習に従って稽古に励み、規則正しい生活をしている相撲取りは糖尿病にならず、むしろ規制のない生活で過ごしている我々一般人の方が糖尿病になる率が高いのですね。

糖尿病にならないように、食事制限してダイエットをする人が少なくないのですが、これは逆効果だそうです。

食事量を減らすと筋肉量が減り、筋肉が少なくなると、糖の消費量も少なくなり、基礎代謝が減少して食事によって上昇した血糖値が下がらなくなってしまうのだそうです。

 

運動で血糖を使う

 

相撲取りが糖尿病になりにくいという事実を見る限りにおいては、食べても運動で消費すれば太らないし、メタボなど糖尿病にはならないということです。

 

しかし、茶碗1杯のごはんのカロリーは約240kcalほどですが、時速8km位で30間ランニングしたときの消費カロリーはおよそ240kcalだそうです。

 

食べ過ぎを運動でカバーするのは困難です。

糖尿病を防ぐには食べ過ぎの食生活を改めることが第一です。

 

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