睡眠時間が短いと糖尿病のリスクが高い

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。

 

はじめに

糖尿病の発症には睡眠時間も大きく関与していると言われています。

夜勤は睡眠障害や糖尿病のリスクを高める

睡眠不足で睡眠負債が増えると糖尿病のリスクが高くなる

スウェーデン大学の研究グループは、

健康的な食生活を送っていても睡眠時間が短いと糖尿病のリスクが高いという研究結果を発表しました。

 

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睡眠時間が短いヒトは糖尿病のリスクが高い

このサイトでもお知らせしたように、

糖尿病と睡眠時間に関連があることは多くの疫学的研究で明らかにされているのですが、

スウェーデンのウプサラ大学の研究グループは、

健康的な食生活を送っていても睡眠時間が短いと糖尿病のリスクが高い

という論文が、世界的な科学雑誌であるJAMAの電子版に掲載されてと明らかにしました。

 

 

Habitual Short Sleep Duration, Diet, and Development of Type 2 Diabetes in Adults

 

Adults who sleep only three to five hours a day are at higher risk of developing type 2 diabetes.

This is demonstrated in a new study from Uppsala University, published in JAMA Network Open. It also shows that chronic sleep deprivation cannot be compensated by healthy eating alone.

 

  詳しく見る ⇒ Uppsala Universityプレスリリース

 

研究グループは、

睡眠不足による糖尿病発症リスクの増大を健康的な食生活によって抑制することが可能か?ということを明らかにする目的で、

イギリスの一般住民を対象とした大規模疫学研究「UKバイオバンク」を解析したのです。

  • 対象者:24万7,867人(BMI26.6±3.7、HbA1c5.4±2.5%)
  • 平均年齢:55.9±8.1歳
  • 性比:女性52.3%、男性47.7%

について、

睡眠時を、

  1. 7~8時間:75.5%
  2. 6時間:19.8%
  3. 5時間:3.9%
  4. 3~4時間:0.8%

の4群に分け、

食生活を、

 赤肉、加工肉、果物、野菜、魚の摂取量により0~5点にスコア化し(点数が高いほど健康的な食事)、

1.8~13.2年にわたって追跡調査したのですが、

追跡期間中に約7,900人(3.2%)が糖尿病と診断されました。

 

そこで、各要因を比較検討したところ、

 

  1. 睡眠時間が短いほど糖尿病のリスクが高い
  2. 食事スコアが高いほど糖尿病のリスクが低い

ことが判明したのです。

 

さらに、睡眠時間と食生活との関係を明らかにするため、

食事スコアが0~3点の群(54.0%)と4~5点の群(46.0%)に分けて比較したところ、

食事スコアの高低にかかわらず睡眠時間が短いヒトほど糖尿病のリスクが高い」ことが明らかになったというのです。

 

研究グループは、

最適な睡眠時間は人によって異なることから、

睡眠時間の長短が糖尿病のリスクを高めると断定することはできないものの、

睡眠が健康に重要な役割を果たしていることが改めて示されたと述べています。

 


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まとめ

糖尿病の予防や改善には、

  • 食生活
  • 運動

が重要であることは誰でも知っていることですが、

今回の研究では、

「たとえ健康的な食生活を送っていても睡眠時間が6時間未満の人では糖尿病のリスクが高い」ということが明らかになったのです。

 

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