ED(勃起障害)は単なる男性機能の問題ではありません。
最近では、EDは糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などと深く関係する、「血管障害の早期サイン」として考えられています。
(EDとは、Erectile Dysfunctionの略で勃起不全や勃起障害を指す言葉です)
#この記事は20年以上にわたり製薬会社で糖尿病治療薬の研究開発を行っていた医学博士けんぞうが書いています。
・糖尿病男性の50〜70%でED
・ED患者の約20%で糖尿病
・糖尿病では10〜15年も早くEDを発症しやすい
こうした男性には衝撃的な事実が数多く報告されています。
糖尿病による高血糖は血管を傷つけ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしますが、
陰茎の血管は直径1〜2mm程度と非常に細いためで、心筋梗塞や脳梗塞より前にEDとして症状が出ることがあります。
つまりEDは「血管からの警告」かもしれないのです。
【あなたへのアドバイス】
・最近元気がない
・朝立ちが減った
・食後に強い眠気がある
・夜間に何度もトイレへ起きる
そのような変化は加齢による症状ではなく糖尿病の影響かもしれないのです。
糖尿病によるEDは血管障害と神経障害のサイン
糖尿病に起因するEDは高血糖による血管障害と神経障害
EDというと「男性ホルモンの減少」と考えられがちですが、糖尿病でみられるEDは高血糖による血管障害や神経障害との関係が深いのです。
- 成人男性の糖尿病の可能性は16.3%
- 40代男性でEDの疑いは6人に1人(16.6%)
と糖尿病とEDは非常に関係が強く、特に、糖尿病による動脈硬化は陰茎の血流を阻害する最大の原因の一つなのです。
勃起では、血管を広げる働きがある一酸化窒素(NO)が重要な役割を持ちますが、高血糖で血管内皮が傷つくとNOが減少し、血流が低下して陰茎海綿体への血流が不足してEDが起こるのです。
糖尿病によるEDは血管障害と神経障害
糖尿病による高血糖で起こる血管障害は全身で見られますが、細い血管から症状が出はじめます
- 細い血管:神経細胞、網膜、腎臓
- 太い血管:脳、心臓
陰茎動脈は1~2mmと細いので比較的早期に症状が出やすいのです。
糖尿病によるEDは、
- 陰茎動脈の障害:陰茎海綿体への血流不足やNO分泌不足で充分に勃起できない
- 神経の障害:性的刺激が脳から陰茎に伝わらない
ということによるのです。
▼ 糖尿病による血管障害についてより深く学ぶ
EDの次は心筋梗塞や認知症かもしれない
健康診断の数値が正常でも、糖尿病予備軍では体の中では血管内皮障害や動脈硬化が静かに進行している場合があります。
EDは、こうした「隠れた糖尿病の合併症の進行」を知らせる重要なサインです。
EDは、心筋梗塞や脳梗塞より先に現れる「警告信号」です。
高血糖状態が長く続くと次第に太い血管が障害されるのです。
さらに最近の研究では、高血糖状態は、体のなかでくすぶるようなだらだらと続く「慢性炎症」を引き起こし、糖尿病を悪化させるだけでなく、がんや認知症の発症とも関連が深いことが分かってきました。
特に糖尿病では慢性炎症が重なり、脳血流にも影響を与えるため、アルツハイマー病を「3型糖尿病」と呼ぶ考え方も注目されているのです。
糖尿病によるEDは単なる男性機能の問題ではなく、全身の血管リスクの入り口なのです。
今ここで止めなければドミノ倒しのように、重篤な合併症へとすすんでしまうのです。
👉 糖尿病の合併症について詳しく知る:糖尿病ドミノを止めて合併症を予防する
EDに気づいたら「食後高血糖」を疑ってみよう
幸いに、糖尿病に起因するEDに対しても、バイアグラやシアリスなどのED治療薬が効果があるようですが、健康な人に比べると神経や血管のダメージがあるため効果が弱まり、重症例では効きにくいといわれています。
糖尿病のEDでは薬に頼るだけでなく、他の合併症を防ぐためにも血糖コントロールを良くすることが大切です。
健康診断で「血糖値は異常なし」と言われていても、「食後高血糖」が起きていることがあります。
食後高血糖とは、食後に血糖値が急激に上がることです。
食後だけ血糖値が急上昇する「グルコーススパイク(食後高血糖)」が血管を傷つけていることがあるのです。

具体的には食後2時間目の血糖値が140mg/dl以上を食後高血糖といいますが、健康診断での「空腹時血糖値」が正常でも食後高血糖が起きていることがあるのです。
筆者も健康診断では「血糖値は正常」ですが、フリースタイルリブレによる血糖値の見える化を活用し、自分の食生活と血糖値の変動を調べたところ、「食べ物」や「食べ方」により食後高血糖が引き起こされていたことが分かりました。
まとめ
EDに気づいたらED治療薬に頼るだけでなく、
生活習慣を見直し血管のダメージを最小限に抑えて将来の心筋梗塞や認知症を防ぐことが最も重要なアクションです。
食後高血糖を抑え、体重を適正化し、正しい糖尿病の食事療法を継続することは「血管を守る治療」そのものです。
食後高血糖は少しの工夫で下げられるのです。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療を目的としたものではありません。症状がある場合には医療機関へご相談ください。
最終更新日:2026年5月 初掲載日:2021年4月











