糖尿病ではED率が3.5倍も高い

糖尿病患者が増えていますが、特に若い人の糖尿病患者の増加も目立っているそうです。

若い人の糖尿病となると気になるのはED(勃起不全)です。

糖尿病ではそうでない人よりEDになりやすい

 糖尿病患者では健常者に比べEDになる率が2倍以上だともいわれているのですが、

フランスの研究グループは糖尿病患者のEDについて詳しい調査をおこない、

糖尿病では3~5倍もEDになりやすい

との結果を発表しました。

そしてやっかいなことに、

糖尿病患者のEDではバイアグラが効かない

というのです、、、

 

Sponsored Link

 

糖尿病では3.5倍もED率が高い

糖尿病患者でEDが多いことは間違いのないことなのですが、

実際に糖尿病患者のED率はどのくらいかとなると、信頼すべき論文はあまりないのです。

また、症例数が少ない論文もあり「糖尿病患者のED率」というのは大まかな数字しかありませんでしたが、

 

フランスのMaritime 病院の研究者グループは、

糖尿病患者では健康な男性に比べて3.5倍もED率が高い

という研究結果を先週のDiabetic Medicineオンライン版に掲載しました。

 

High prevalence of erectile dysfunction in diabetes: a systematic review and meta-analysis of 145 studies.

Erectile dysfunction is common in diabetes, affecting more than half of men with the condition and with a prevalence odds of approximately 3.5 times more than controls. Our findings suggest that screening and appropriate intervention for men with erectile dysfunction is warranted.

    原文を読む ⇒ コチラ

 

研究グループは、

2016年11月以降に発表された糖尿病患者のEDに関する145件の研究論文を解析したのです。

145件の研究論文には1型糖尿病と2型糖尿病の、

男性の糖尿病患者 88,577人(55.8~71.7歳)が含まれ、

人種はアジア、欧州、北米、アフリカだったそうです。

 

各研究論文のED率は35~80%と差があったそうですがメタ解析の結果、

糖尿病患者におけるED率は52.5%

と推定されたそうなのです。

 

さらに、

  • 1型糖尿よりも2型糖尿病でED率が高い
  • 60歳以上の糖尿病患者でよりED率が高い

ことが判明したのです。

人種の違いによる糖尿病患者のED率は、

  1. 南米、オセアニア、アフリカ : 71~75%
  2. アジア : 67%、
  3. 欧州  : 53.6%、
  4. 北米  : 35%

と日本などのアジアではアメリカの倍のED率だったそうです。

今回の研究では、糖尿病患者のED率は52.5%で、糖尿病患者の過半数はEDであることが分かったのですが、健常者に比べて3.5倍も高いことが分かったのです。

 


Sponsored Link

 

どうして糖尿病でEDになるのか

糖尿病は代謝性の病気、EDは泌尿器系の病気。

糖尿病とEDは無関係のようですが、糖尿病になるとどうしてEDになりやすいのでしょうか?

 

糖尿病でEDになるのは、

  • 高血糖による血管障害
  • 高血糖による神経障害

が原因なのです。

 

高血糖が続くと合併症として神経障害と血管障害が生じるのですが、それが糖尿病性EDの原因なのです。

  詳しく読む ⇒ 糖尿病におけるEDの原因

 

勃起のメカニズム

陰茎が勃起をするためには、陰茎海綿体を血液で満たす必要があるのですが、

そのためには、自律神経が正常に働き、

  • 陰茎の血管が拡張し
  • 陰茎平滑筋が持続的に弛緩

しなければならないのですが、

さらに、高血糖により自律神経系に障害が起こり神経伝達が悪くなり性的刺激や感度も鈍くなって勃起力にも影響が及ぶのです。

 


Sponsored Link

 

糖尿病患者のEDにはバイアグラが効かない

今回の論文では、

糖尿病患者の半数がEDであることが分かった

のですが、

国内の研究によっても、

  • 40代以降の糖尿病患者の50%はED
  • 60歳以上の糖尿病患者の60~70はED

だといわれています。

すなわち、

国内の糖尿病によるED患者は100~200万人もいると推定されるのです。

ちなみに、全てのED患者は1200~1300万人といわれています。

 

糖尿病におけるED患者の中で医療機関でEDの治療を受けているのは1%程度、1~2万人程度だといわれています。

EDにおける治療は、誰でも知っているバイアグラの服用です。

 

しかし、

糖尿病のEDではバイアグラが効かないというのです。

 

糖尿病のEDにけるバイアグラなどのED治療薬の有効率は他の原因によるEDより低く、ホワイトハンズ大学の資料によると、

糖尿病EDにおけるバイアグラの有効性は50%

だともいわれています。

さらに、糖尿病患者のED治療ではバイアグラ100mgでなければ効果がないという多くの症例報告もありますが、国内におけるバイアグラの認可量は50mgです、、、。

 

しかし、

血糖コントロールの良い糖尿病患者ほど、バイアグラの有効率が高かったとの報告もあり、糖尿病におけるEDの治療ではED治療薬の服用よりも血糖管理が第一の療法のようです。

 

関連記事(一部広告を含む)

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ