グルコーススパイクとは?健康診断では分からない血糖値の危険な上がり方

健康診断では異常なしと言われたのに、食後に眠いだるい集中できない

その原因は、健康診断では見つからない「食後高血糖(グルコーススパイク)」かもしれません。

食後眠いはグルコーススペイクが原因

食後眠いはグルコーススペイクが原因

もしあなたが「食後にコーヒーを飲まないとやっていられない」「お昼過ぎに必ず猛烈な眠気に襲われる」と感じているなら、それは体からのSOSかもしれません。

グルコーススパイクは食後に血糖値が急上昇・急降下する現象で、放置すると糖尿病や合併症へつながる可能性があります。

糖尿病の治療では、食事療法と運動療法が基本とされています。
これは、日本糖尿病学会厚生労働省が示す治療方針でも明確にされています。

#この記事は20年以上にわたり糖尿病治療薬の研究開発に携わってきた医学博士けんぞうが、科学的根拠と実測データに基づいて解説しています

【この記事で分かること】

  • グルコーススパイク(食後高血糖)は食後に血糖値が急上昇急降下すること
  • グルコーススパイクは健康診断の空腹時血糖の検査では分かりません
  • グルコーススパイクは糖尿病ドミノを押し倒します


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グルコーススパイク(食後高血糖)とは何か?

グルコーススパイクとは食後に血糖値が急上昇することです

グルコーススパイクとは、食後に血糖値が急激に上がり、その後急激に下がる血糖変動のことです。

健康人でも食後には血糖値が上がりますが、糖尿病や糖尿病予備軍では食後の血糖値の上昇が大きく、下がり方も緩やかになるのです。

食後高血糖グルコーススパイクは糖尿病を悪化させる

食後高血糖は糖尿病を悪化させる

#臨床的には食後2時間目の血糖値が140mg/dl以上であれば食後高血糖と診断されます。

グルコーススパイクは健康診断では見つからない

健康診断の糖尿病の検査では、「空腹時血糖値」や「HbA1c」が測定されますが、これらの1点だけの検査ではグルコーススパイクは見つかりません。
#HbA1cは近直の6週間の血糖値の平均を示す指標ですが、グルコーススパイクを捉えることは出来ません

健康診断で測る血糖値は、その瞬間の「点」の値ですが、グルコーススパイクは食事の影響を受けて急上昇し急下降する曲線の動きですから、「点」の値では分からないのです。

健康診断では分からないグルコーストレンド

健康診断では分からないグルコーストレンド

糖尿病の確定診断や妊娠糖尿病の検査でおこなわれる「耐糖能試験」では、100mgのブドウ糖を飲み、30分後、60分後、120分後に採血して血糖値の変化を調べ、食後高血糖を診断します。

血糖値は、単なる一時点の「点」ではなく、食後に上がり下がりする「曲線」として見ることの重要性が明らかになり、血糖値自動測定器(持続血糖測定器・CGM)の利便性も上がったことから、筆者のようにフリースタイルリブレなどを用いて自分で食後高血糖を測定する人も増えています。

【この章でわかること】

・グルコーススパイクは健康診断ではわからない
・グルコーススパイクは筆者のようにフリースタイルリブレで自己測定もできる

👉 私が使ったのはフリースタイルリブレ

グルコーススパイクはどうして危険なのか

グルコーススパイクは血管を傷害し合併症を引き起こす原因

グルコーススパイクが危険なのは、血糖値が異常に高くなるからだけではありません。
食後の急上昇と急降下が繰り返されることで、インスリンが大量に分泌され、しまいには膵臓が疲れ果ててインスリンの分泌が激減してしまうのです。

そして、高血糖状態が続くことにより血管内壁が傷つけられ、血流の循環も悪くなり、血流障害などにより合併症が引き起こされるのです。

高血糖が血管内皮を傷つける

高血糖が血管内皮を傷つける

糖尿病は無症状の病だと思われがちですが、糖尿病は「血管の病」なのです。

高血糖による血管障害は「眼底」や「腎臓」などの細い血管から、次第に「心臓」や「脳」などの太い血管に及び、死に至る合併症を引き起こすことになるのです。

糖尿病の合併症の原因はグルコーススパイク

糖尿病の合併症の原因はグルコーススパイク

⚠️ 重要ポイント

  • グルコーススパイクは全身の血管に大きなダメージを与える。
  • グルコーススパイクは合併症を引き起こす原因。
  • 「健康診断で異常なし」でもグルコーススパイクが起きていることがあります。

このような血糖値の急上昇を防ぐために、なぜ食事療法が重要になるのかについては、以下の関連記事で詳しく解説しています。

グルコーススパイクの初期症状は食後に眠い

グルコーススパイクは、病院で検査をするか、自分で持続的血糖測定器などを用いて検査をしないと分からないのですが、グルコーススパイクが続くと体は何らかのサインを出していることがあります。

グルコーススパイクの代表的な初期症状は、

  • 食後の眠気
  • 食後のだるさ
  • 集中力の低下
  • イライラ感
  • 空腹感のぶり返し

だといわれています。
これらの症状だけでグルコーススパイクが起きているとは断定はできませんが、食後に毎回のように同じ不調が起こる場合にはグルコーススパイクが関係している可能性があります。
特に、食後に激しい眠気を感じることが多ければ長州小力のように糖尿病の予兆である可能性が大きいのです。

グルコーススパイクの初期症状は食後眠い

グルコーススパイクの初期症状は食後眠い

グルコーススパイクが起きると脳内の覚醒物質が抑制されるために👉  食後に眠いのはグルコーススパイクの初期症状だともいわれています。


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あなたも危険|グルコーススパイクを起こしやすい人の特徴

やや血糖値が高いといわれている人ではグルコーススパイクに注意が必要です

グルコーススパイクは糖尿病の人だけに起こるものではありません。
食生活や食べ方によっては、まだ糖尿病と診断されていない糖尿病予備軍の人にもグルコーススパイクが起きています。

血糖値がやや高く、以下のような食習慣がある人は特に注意が必要です。

  • 白米や麺類など糖質中心の食事が多い
  • 野菜をあまり食べない
  • 早食いやドカ食いをする

こうした食習慣があるひとでは食後に血糖値の急上昇を起こしやすいのです。

ドカ食いは食後の血糖値を上げる

ドカ食いは食後の血糖値を上げる

実証実験:食べ物の種類で食後血糖値はどう変わるのか?

食べ物でグルコーススパイクがどのように変わるかを実証実験しました

筆者はフリースタイルリブレを用いて実際の食事後の血糖値を測定しています。
その結果、身近な食事でも想像以上に血糖値が上がることが分かりました。

白米カレー 210mg/dl    牛丼 215mg/dl  驚きの高数値!

  • 白米カレーライス:最高血糖値 210mg/dl、食後2時間値 175mg/dl
  • 牛丼 :最高血糖値 215mg/dl、食後2時間値 173mg/dl

どちらも明らかな食後高血糖で典型的なグルコーススパイクを示しました。

しかし、白米を玄米に変えるだけで、血糖値がかなり改善した例も確認できました。

食事 最高血糖値 食後2時間値
白米カレーライス 210mg/dl 175mg/dl
牛丼 215mg/dl 173mg/dl
玄米カレーライス 177mg/dl 124mg/dl
糖尿病に玄米や全粒粉が良いのです

玄米のGI値は白米より低い

食べ物の選び方や、ちょっとした食べ方の工夫で食後血糖値は大きく変わるのです。
あなたも挑戦してみる価値はあります。

グルコーススパイクを防ぐにはどうすればよいか

ほんのちょっとした工夫で食後の血糖値は大きく変わります

グルコーススパイクを防ぐためには日常の食事の見直しが大切です。

そのポイントは、

  1. 食物の種類
  2. 食べ方の工夫

です。

特に、以下の3つの工夫は血糖値の上昇を抑えることが期待できます。

  • 主食の置き換え:白米を玄米などに変える(GI値の低い食品)
  • ベジファースト:サキベジ、野菜を先に食べる
  • ゆっくり食べる:一気食いを避ける
食べ方で食後高血糖を抑える

食べ方で食後高血糖を抑える

血糖は炭水化物(糖質)がグルコースまで分解され、血液に吸収されて血糖となるのです。
「糖質を減らす」や「糖の吸収を抑える」、「糖を消費する」が効果があるのです。

食後高血糖を防ぐにはGI値の低い食べ物

食後高血糖を防ぐにはGI値の低い食べ物

グルコーススパイクを起こさないためには、

  1. 糖質の少ない食べ物を選ぶ ⇒ GI値の低い食品
  2. 糖質の吸収をゆっくりにする ⇒ サキベジ
  3. 血糖を早く消費してしまう ⇒ 運動する

ということが秘訣なのです。

例えば、白米のGI値は80で食後高血糖を起こしやすいのですが、食物繊維が多い玄米のGI値は55です。
「白米+カレー」を「玄米+カレー」にすればグルコーススパイクを抑えられるのです。

玄米のGI値は低い

玄米のGI値は白米より低い

最近では、「麦飯」や「もち麦」に含まれる水溶性食物繊維(βグルカン)もグルコーススパイクの抑制効果があるとして注目されていますので試してみる価値はありそうです。

▼ グルコーススパイク対策のチェックリスト

  • 白米ばかりでなく主食の種類を見直す
  • 野菜や汁物を先に食べる
  • 単品食べを避ける
  • ゆっくりよく噛んで食べる
  • 糖質の量だけでなく食べ方にも注意する

全てを完璧にやる必要はありません。出来ることの1つだけでも効果を期待できます。

グルコーススパイクを放置すると足切断・失明・人工透析へ

グルコーススパイクを放置すれば糖尿病ドミノが進み重篤な合併症に

グルコーススパイクはほとんどの人では「食後に眠い」「食後にだるい」などの自覚症状しかないために見過ごされています。
しかし、グルコーススパイクは「糖尿病ドミノ」の1枚目のコマなのです。
グルコーススパイクが倒れれば、血管障害が進行し、やがて重篤な糖尿病合併症につながるのです。

糖尿病はドミノ倒しのように進む

糖尿病は合併症に向かってドミノ倒しのように進む

具体的には、生活の質を大きく変えてしまう合併症につながるリスクが上がります。

  • 神経障害からの足潰瘍や足切断
  • 網膜症による視力低下や失明
  • 腎症による人工透析
グルコーススパイクは糖尿病合併症の原因

グルコーススパイクは糖尿病合併症の原因

グルコーススパイクは、あなたが知らないうちに静かに合併症を進めているのです。

👉グルコーススパイクを放置するとどうなる?足切断・失明・人工透析の聞きが待っているのです

よくある質問(FAQ)

Q:玄米に変えるだけで本当に血糖値は下がるの?

A:はい、白米に比べて玄米はGI値が低いため、消化吸収が緩やかになり、急激な血糖値の上昇を抑える効果が多くのデータで示されています。

まとめ

グルコーススパイクとは、食後に血糖値が急上昇しその後急降下する血糖変動ですが、毎食後にグルコーススパイクが起これば重篤な合併症が引き起こされます。
グルコーススパイクに始まる糖尿病ドミノを止められるのは、簡単な食生活の見直しです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。治療については医師の指導に従ってください。

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最終更新日:2026年6月 初掲載日:2019年3月

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