食後高血糖を防ぐにはべジ・ファーストかカーボ・ラストが良い

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

食後高血糖は食事後の血糖値が上昇することです。

健康な人でも炭水化物(糖質)を食べれば食後に血糖値は上がるのですが、

 

べジ・ファーストかカーボ・ラストのいずれが食後高血糖を防ぐにおすすめか

糖尿病や糖尿病予備群のヒトでは、

  • 食後の血糖値の上昇が高い
  • 食後数時間がたっても血糖値が高い

のです。

空腹時血糖以上に血管合併症と関連することが知られており、

食後高血糖は糖尿病合併症を引き起こす原因になるので食後高血糖は何としても防ぐがなければならないのです。

最近の研究で、

 

食べる順番で食後高血糖を防ぐことが明らかになっており、

 

日本糖尿病協会食後高血糖の予防には食べ順ダイエットが有効だとし、

東日本大震災の避難者の血糖管理法として野菜を最初に食べるべジ・ファーストを推奨しました。

アメリカの研究グループは、

炭水化物を最後に食べるベジ・ラストが食後高血糖を予防すると発表しました。

 

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食後高血糖を防ぐにはカーボ・ラストが良い

アメリカのウェイル・コーネル医科大学の研究グループは、

糖尿病の血糖値の管理には「食べる順番が大事で」、

 炭水化物を最後に食べるカーボ・ラストが有効

だとする論文をBMJ Open Diabetes Res Careに発表しました。

 

カーボ・ラストとは、

カーボハイドレート(炭水化物)を最後(ラスト)に食べるということです。

 

Carbohydrate-last meal pattern lowers postprandial glucose and insulin excursions in type 2 diabetes

Conclusion The carbohydrate-last meal pattern may be an effective behavioral strategy to improve postprandial glycemia.

詳しく読む ⇒ 原文

 

実験では、

  • 2型糖尿病患者 16人(男女計16人、平均年齢57.7歳、メトホルミン投与あり)

を対象に、

食後の血糖値の変化を測定してもらったのです。

 

食事の内容は、

  • チャバタ(イタリアの伝統的なパン) 90g 無塩バター 5g
  • 鶏肉   (皮なしグリル)150g
  • サラダ   (レタス、トマト、キュウリ、ドレッシング)
  • オレンジジュース 120g

として、

 

食事の順番を3パターンに分け、

 

1)カーボ・ファースト群

  1. 10分で チャバタとオレンジジュースを食べる
  2. 10分休憩
  3. 10分で 鶏肉とサラダを食べる

 

2)カーボ・ラスト群

  1. 10分で 鶏肉とサラダを食べる
  2. 10分休憩
  3. 10分で チャバタとオレンジジュースを食べる

 

3)サンドイッチ群

鶏肉とサラダをチャバタに挟みサンドイッチを作り、

  1. 10分で サンドイッチ1/2とオレンジジュース1/2を食べる
  2. 10分休憩
  3. 10分で サンドイッチ1/2とオレンジジュース1/2を食べる

として、

食後血糖値やインスリン分泌量を測定したのです。

 

その結果、

 

  1. カーボ・ラスト群では他群より食後血糖値が有意に低い
  2. カーボ・ラスト群ではインスリン分泌量が少ない

 

ということが分かりました。

 

食後高血糖を予防するにはカーボ・ラストがべジ・ファーストより良い

ということが判明したのです。

食後高血糖を起こさないためには、

炭水化物を最後に食べるカーボ・ラストが良いというのです。

 


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糖尿病の血糖値は食べる順番で変わる

糖尿病の血糖値は食べる順番で変わります。

 

食後高血糖を防ぐには

同じものを食べても食べる順番を変えれば良いのです。

 

べジ・ファーストは食後高血糖を予防するためにはカーボ・ラストより効果がある

 

日本においても、

関西電力医学研究所の研究グループが、

食べる順番により食後の血糖値が変わる

ことを明らかにしています。

 

全く同じものを食べても、

 食べる順番を変えるだけで食後高血糖を予防ができるのです

 

  詳しく見る ⇒ 糖尿病の血糖値は食べる順番で変わる

詳しいことは「糖尿病の血糖値は食べる順番で変わる」の記事を見ていただくとして、

 

この研究では、

  • 健康人
  • 糖尿病患者

を対象にして、

 

  1.  白米を食べる
  2.  サバ水煮を食べてから 白米を食べる
  3.  牛肉網焼きを食べてから 白米をべる

の3つの食べ方のパターンで食後高血糖を比較したのです。

 

その結果、

 

糖尿病患者でも患者な人でも、

  1.  魚を先に食べると白米が先より食後高血糖が30%低い
  2.  肉を先に食べると白米が先より食後高血糖が40%低い

という結果が得られたのです。

 

食べる順番で食後血糖値を予防するにはカーボ・ラストが良い

 

 

関西電力医学研究所の研究グループは、

白米より野菜を先に食べると食後高血糖が予防できるが、

 

さらに、

 野菜  →  魚  →  肉  →  白米

の順で食べれば食後高血糖を予防できると結論しているのです。

 

この順番は、

今回ご紹介した論文のカーボ・ラストを同じで、

 

炭水化物を最後に食べれば食後高血糖を予防できるというカーボ・ラストは、

日米の研究で立証された

ということですね。

 

 

野菜を先に食べるベジ・ファーストでは野菜の食物繊維が糖の吸収を遅らせるからなのですが、

魚や肉を先に食べるパターンでは蛋白質や脂質が糖の吸収を遅らせるからなのです。

 

糖尿病や糖尿病予防では血糖値の管理が求められるのですが、

空腹時血糖値よりも食後高血糖がより重要であることが最近の研究で分かってきました。

 

食後高血糖は空腹時血糖以上に糖尿病合併症のリスクを上げるのです。

食後高血糖を予防するためには糖質制限もおすすめですが、

同じ食事の内容でも食べる順番を変えるだけで食後高血糖を予防できることを覚えていてください。

 

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