納豆は血糖値を下げる
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
納豆は独特な臭いがすることから、好き嫌いの有る食べ物です。
あなたは納豆を良く食べますか?
納豆は大豆をつかった発酵食品で、
畑の肉といわれる大豆の栄養効果と発酵食品の二重の健康効果が期待できるのですが、
納豆には、
- 糖尿病の血糖値を下げ、
- 糖尿病の合併症を予防する
効果があるのです。
納豆は価格も安く、臭いがマイルドな商品などたくさんの製品が販売されています。
血糖値が高いなら納豆を食べてみませんか?
納豆は血糖値を下げる効果がある
大豆は蛋白質が豊富で食物繊維も多く、身体に良い食べ物ですが、大豆で作られている納豆は消化も良く身体に良い食品です。
納豆は血糖値を下げる
ということをご存じですか?
ミツカンの中央研究所は、
- 納豆に食後血糖値の上昇を抑制する効果がある
- 納豆の血糖値を下げる効果はダイスよりも強い
ということを明らかにしています。
ミツカンは、「納豆および大豆が健常成人の食後血糖値に及ぼす影響」を確認するため、様々な動物試験で納豆や大豆の血糖値に及ぼす作用を調べていますが、
健常男性において納豆の血糖値に対する効果を調べています。
この研究では、
- 米飯のみ(米飯150g)
- 白飯+納豆(米飯150g、納豆45g、タレ6g)
- 白飯+大豆(米飯150g、煮大豆45g、納豆と同じタレ6g)
の3群について、食後2時間の血糖値の変化を調べました。
その結果は上のグラフですが、
- 納豆食の食後30~90分の血糖値は米飯、大豆食よりも低い傾向にある
- 納豆食の食後60分の血糖値は米飯食より有意に低い
という結果が得られたのです。
納豆食では米飯食よりも納豆45gを多く食べたにもかかわらず、食後血糖値が低かったのです。
また、大豆食でも食後血糖値が低い傾向にありましたが、納豆食ほどではありませんでした。
糖尿病では食後高血糖を抑える必要がある
納豆食では食後高血糖が抑えられることが分かったのですが、糖尿病の原因は食後高血糖なのです。
食後に急激に血糖値が上昇すると(グルコーススパイク、といわれます)、
大量のインスリン分泌が必要になり、これが毎食毎に繰り返されれば膵臓は疲弊してインスリンの分泌が停止してしまうのです。
GI値が低い納豆は血糖値を下げる
ミツカンの研究所では、今回の成績について、
納豆の水溶性食物繊維は大豆の約1.5倍含まれている
ことが関与しているのではないかと考察しています。
食物繊維は食後血糖値の上昇抑制効果があることから、
血糖値が高いヒトではGI値の高い食品を摂ることが薦められています。
大豆には食物繊維が多く、ダイエット効果や血糖値を下げる効果が得られているのですが、納豆の食物繊維は大豆よりも1.5倍も多く、そのことが今回の結果に繋がっているとしているのです。
さらに、納豆の主原料である大豆の大豆蛋白には、「水溶性ペプチド」という成分が含まれており、
インスリンの作用を活性化させ、血糖の細胞への吸収を促す作用があるり、また、大豆にはダイエット効果もあるのです。
くわしく見る ⇒ 豆類ダイエットで糖尿病予防
豆類でも、インゲン豆には血糖低下作用が有ると言われています。
納豆は、血糖値を上げにくくする効果があり、食後高血糖を下げることが明らかになったのですが、ミツカンの研究所では、納豆は発酵食品であり、発酵によって大豆にはない高い粘性が生まれていることも理由の一つと推測され、今後、さらに詳細なメカニズムを調べるとしています。
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納豆は糖尿病の合併症を予防する
糖尿病が怖いのは合併症を引き起こすからです。
糖尿病の高血糖は、全身の血管にダメージを与えます。
その結果、
- 糖尿病性神経障害
- 糖尿病性網膜症
- 糖尿病性腎症
という、三大合併症が引き起こされることになるのですが、さらには、心筋梗塞、脳梗塞など致死的な副作用も容易に起こるのですが、いずれも高血糖により血管壁が傷害されたことによる副作用なのです。
全国納豆組合連合会では、
- 納豆に含まれるレシチンには血管を保護し強くする働きがある
- 納豆に含まれるサポニンは血管を若返らせる働きがある
として、
納豆には糖尿病の合併症を予防する効果がある
と述べています。
さらに最近では、
納豆に酢を加えた納豆は血糖値に良いというのです。
詳しく見る ⇒ 酢納豆は血糖値に良い
納豆のレシチン
納豆(大豆)に含まれるレシチンとは、不飽和脂肪酸のことで、私達の体の細胞膜を作る重要な成分で、皮膚や内臓、脳や神経など、体のあらゆる細胞膜に作用して細胞を正常に保つ働きがあることから、「若返りの栄養素」とも言われています。
レシチンが不足すると、細胞膜からの栄養吸収が悪くなり、膵臓では充分なインシュリンが作られなくなります。
さらに、
レシチンには油と水を乳化させる乳化作用があり、この作用によって、血管壁に付着したコレステロールや老廃物を溶解して排出させることから、糖尿病の合併症を予防する働きがあるのです。
食生活の多様化によって、現代人ではレシチンの不足傾向にあると言われ、充分なレシチンの補給が必要なのです。
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納豆のサポニンは血糖値を下げる
納豆(大豆)に含まれるサポニンには血糖値を下げる働きがあることが科学的に証明されています。
サポニンには血糖を下げる作用の他にも様々な健康効果が期待されています。
- 肥満予防
- コレステロール低下
- 血流の改善
- 免疫力を高める
- 肝機能を高める
などです。
サポニンは、植物の根、葉、茎などに含まれている配糖体の一種で、大豆にも含まれていますが、高麗人参には多くのサポニンが含まれていることから、高麗人参を愛好する人も多いのですが、高価ですね、、。
高麗人参よりも圧倒的に多くのサポニンが含まれているのが、意外と知られていない田七人参です。
このサイトでも田七人参の糖尿病に対する効果を紹介していますが、愛用している方も多いようです。
田七人参は高麗人参に比べて約7倍のサポニンが含まれているということですから、大豆や納豆より手軽にサポニンを摂取できるようです。
まとめ
「大豆は畑の肉」とも言われ、
日本人は昔から大豆そのもので、あるいは豆腐、納豆、さらには味噌や醤油として大豆を摂ってきましたが、最近では大豆を食べる量は減ってきているようです。
若い人には、スターバックスのソイラテなども人気ですが、、、
血糖値が高めなら、納豆や大豆などを積極的に摂るように心掛けてください。
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