減量すれば糖尿病の薬は止められる

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

糖尿病の治療薬はきちんと服薬していますか?

  • 血糖値が高くても治療をしていない!
  • 治療薬を飲むのをやめてしまった!!

という、

糖尿病でも受診も治療もしていない人が多いのです。

糖尿病は血糖値が高いだけで症状がないので薬の服薬を止めてしまう人が多いのですが、

その間に糖尿病の合併症が着々と進行しているのです。

尿病の治療薬は勝手にやめることは危険なのです。

しかし、

イギリスの研究グループは、

食事療法による減量で46%が寛解し治療薬の服用を止められた

との研究報告を発表しました。

減量すると糖尿病の治療薬をやめることができるというのです。

 

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減量すると糖尿病の治療薬をやめられる

日本メルク社の調査で、

糖尿病や糖尿病予備軍だと指摘されても、

その中の43%が医療機関を受診していない

ことが分かっています。

 

詳しく読む ⇒ 糖尿病で受診も治療もしていない人が多い

 

そして、

厚生労働省のでは、

治療を受けている40歳以上の糖尿病患者のうち、

  • 1年間で約1割が通院を中断
  • 服薬中断者の数は約51万人

だといわれています。

この調査は40歳以上の患者を対象にしたものですが、

糖尿病患者全体では40%の患者が糖尿病治療薬の服薬を止めてしまっているといわれています。

   詳しく読む ⇒ 糖尿病の食事療法を続けるコツは簡単

 

糖尿病では自覚症状がないため

  • 面倒くさい
  • 少しくらい大丈夫だ
  • お金がかかる

という自己判断で治療薬の服薬を止めてしまう人が多いのですが、

 

血糖値が高いと指摘され、

7年間放置すれば糖尿病網膜症で失明の危険が高まる

といわれています。

 

減量すれば糖尿病の薬を止めても合併症にならない

 

高い血糖値を放置すると、

あなたの知らない間に合併症が着々と進行しているのです。

 


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減量すると糖尿病の治療薬をやめられる

現在の糖尿病治療薬は治療薬といっても対症療法薬ですから、

高血圧の治療薬と同じように終生飲み続ける必要があるのです、、、。

 

しかし先日、

イギリスのグラスゴー大学の研究グループは、

食事療法による減量で46%の糖尿病患者が寛解した

との研究論文を発表しました。

寛解とは病気が治って治療薬の服用を止めることができるということです。

 

Primary care-led weight management for remission of type 2 diabetes (DiRECT): an open-label, cluster-randomised trial.

    詳しく読む ⇒ コチラ

 

この研究は糖尿病に対する食事療法を比較検討したDiRECT試験の1年目の結果をまとめたもので、

北東イングランドに在住する、

過去6年以内に2型糖尿病と診断された20~65歳の302人の糖尿病患者を対象に、

  1. 対照群 : 標準治療  (平均年齢55.9歳、平均BMIが34.2)
  2. 減量群 : カロリー摂取量を850kcal (平均年齢52.9歳、平均BMI35.1)

の2群に分け、

 

試験の評価項目を、

 

  1. 12ヵ月後に15kg以上の減量
  2. 糖尿病の寛解

としたのです。

 

糖尿病の寛解の基準として、

糖尿病治療薬の服薬を中止後2ヵ月目以降にHbA1c6.5%未満を維持する

としています。

 

その結果、

12ヵ月後に「15kg以上の減量」を達成したのは、

  • 対照群 : 0例
  • 減量群 : 36例(24%)

 

12ヵ月後に糖尿病が寛解したのは、

  • 対照群 :   6人(4%)
  • 減量群 : 68人(46%)

だったのです。

 

糖尿病の寛解は減量の程度によって差があり

  • 体重が増加(76人) : 寛解例なし
  • 0~5kg減量(89人) : 6人(7%)が寛解
  • 5~10kg減量(56人) : 19人(34%)が寛解
  • 10~15kg減量(28人) : 16人(57%)が寛解
  • 15kg以上減量(36人) : 31人(86%)が寛解

ということから、

体重の減量が多いほど糖尿病の寛解が多い

ということがわかったのです。

 

糖尿病の寛解の基準は、

糖尿病治療薬の服薬を中止してもHbA1c6.5%未満を維持する

ということですから、

全く糖尿病とは無縁な状態ということです。

 

糖尿病の治療の基本は、

  1. 食事療法
  2. 運動療法

なのです。

 

日本糖尿病学会のガイドラインでも糖尿病治療は食事療法と運動療法を基本とし、

食事療法と運動療法で血糖コントロールが不充分な場合には薬物療法をおこなうとしているのです。

 

糖尿病の食事療法にはさまざまな方法が提唱されていますが、糖質の摂取量を制限する糖質制限が基本です。

 詳しく読む ⇒ スタンダード糖質制限食のやり方

 

糖尿病治療薬は服薬を開始したら終生にわたって飲み続ける必要があるのですが、

今回のイギリスの研究グループは減量によって糖尿病が寛解し治療薬の服薬を中止できることを示しました。

 

これは糖尿病患者には朗報ですが、

素人判断で過度な減量をおこなうことは危険です。

ご飯を半分に、パンを半分にという程度なら問題はありませんが、

血糖低下薬を服薬しながら糖質ゼロのような極端な食事療法をおこなうと低血糖を招き危険なのです。

食事療法を始める前には主治医に相談しておくことも大切です。

 

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