酢の糖尿病に対する健康効果

酢は糖尿病に良いといわれています。

酢玉ねぎ」や「バナナ酢」などが糖尿病に健康効果あると広まっています。

酢は本当に糖尿病に良いのか?

はたして、

酢には糖尿病に対して効果があるのでしょうか?

酢の糖尿病に対する効果には科学的根拠があるのでしょうか?。

 

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酢は糖尿病に効果があるのか

酢には、

  1. 肥満防止効果
  2. 血圧抑制効果
  3. 血糖値を下げる効果

など多くの健康効果があるといわれています。

 

そして、糖尿病に効果があるとして、「酢玉ねぎ」や「バナナ酢」などが糖尿病の血糖値対策に良いとして健康雑誌などで盛んに紹介されています。

さらに、2016年の2月2日の毎日新聞で、「香醋には抗糖尿病作用や肥満防止作用がある」という記事が掲載され、このブログでもご紹介しました。

 

これは、北陸先端科学技術大学の研究グループの研究成果ですが、は香醋には抗糖尿病作用や肥満防止作用があるというブテリノイド化合物のFRAGLIDE1(フレグライド1)が含まれるというのですが、これは8年間熟成した8年香醋にしか含まれないというのです。

 

8年香醋に含まれるFRAGLIDE1は、脂肪細胞に特異的に発現している核内受容体PPARγを活性化してアデポネクチンを分泌させるのですが、アデポネクチンは脂質代謝に関わるホルモンの一つで、エネルギー代謝に関わっており、

  1. 血管修復作用
  2. 脂肪燃焼作用
  3. 血管拡張作用
  4. 糖尿病予防作用
  5. 高血圧予防作用

など、糖尿病を含む生活習慣病の予防効果があるのですが、

 8年香醋のFRAGLIDE1には体重と脂肪蓄積抑制作用がある

ことが分かっています。

 


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酢が糖尿病に効果がある科学的根拠

8年香醋による生活習慣病のを抑制効果は科学的に認められています。

それでは、私達が一般的に使っている酢が糖尿病に効果があるということは科学的な根拠があるのでしょうか?

 

酢は食後血糖値の上昇を抑える

酢には糖の吸収を穏やかにする作用があります。

同じ白米でも、糖の吸収スピードを表すGI値が異なります。

  • 白米 : 100
  • 酢飯 : 67

GI値が高いほど、食後の血糖値の上昇が高いので糖尿病で血糖値が高いヒトはGI値が60以下の食物を摂ることが薦められています。

 

同じ白米でも酢飯のGI値が低いのは、酢の成分である酢酸(さくさん)には、食物が胃から腸の移動をゆっくりとするためではないかといわれています。

酢を使った料理を食べると、食物の胃から腸への移動が遅くなり食後の血糖上昇のピークを低くすることができるのです。

 

酢は糖の吸収を抑える

炭水化物の糖質には、糖が一つの単糖類(ブドウ糖)からたくさん繋がった多糖類(デンプン)まで様々な形がありますが、消化によって単糖類に分解され、腸から吸収されて血糖になります。

酢の糖尿病に対する健康効果はたくさんあります

糖尿病患者では、ベイスン(武田薬品)という血糖低下薬を処方されることがありますが、

この薬はアルファーグルコシダーゼ阻害薬といわれ、小腸の2糖類分解酵素を阻害することにとって糖質が単糖類に分解されることを抑えて食後の血糖の上昇を穏やかにする薬です。

 酢には、小腸での2糖類分解酵素の作用を抑える作用があると報告されています。

 

海外の論文ですが、健康人、インスリン抵抗性が高いヒト、糖尿病の人で、酢の飲用効果を調べた報告があります。

 

Vinegar Improves Insulin Sensitivity to a High-Carbohydrate Meal in Subjects With Insulin Resistance or Type 2 Diabetes. (Diabetes Care January 2004 27:281-282)

 

この論文では、食事の2分前にワインビネガー大さじ1杯を水で割って飲むと、

健康人では特に変化がなかったが、インスリン抵抗性の高いヒトではインスリン抵抗性が改善し、糖尿病患者では血糖値が低下したと報告しています。

 

酢の糖尿病に対する健康効果には科学的根拠がある

著者らは、酢(酢酸)が、二糖類分解酵素であるジサッカリダーゼ酵素を抑えて糖の吸収を抑制し、筋肉中の糖の消費を上げてグルコース6リン酸が増加したことによるとしています。

 

更に、酢には糖尿病治療薬であるアカルボースやメトホルミンに類似した生理的作用を有しているのではないかと推察しているのです。

アカルボースは、腸の糖吸収を抑える薬で、メトフォルミンは、肝臓における糖新生抑制作用、筋肉など末梢での糖利用の促進作用、腸管からのグルコース吸収抑制治療薬です。

 

酢は組織での糖代謝を促進する

酢には、筋肉細胞で、ある酵素を活性化することでブドウ糖の代謝(分解)を抑え、ブドウ糖からグリコーゲンへの合成を促進します。

その結果、筋肉細胞へのブドウ糖の取り込みが増加し、インスリン抵抗性が改善するのです。

 

また、酢は肝臓に作用し、肝臓のグリコーゲンのブドウ糖の変換を抑制する作用もあるといわれています。

さらに、2型糖尿病者では就寝前に大さじ2杯のリンゴ酢と30gのチーズを摂取すると、明朝の空腹時血糖が低下するとの報告があります。

 

Vinegar Ingestion at Bedtime Moderates Waking Glucose Concentrations in Adults With Well-Controlled Type 2 Diabetes. (Diabetes Care November 2007 30:2814-2815) 

酢は糖尿病に効果があるのでしょうか

機序については明らかにしていませんが、組織での糖代謝を活性化させて糖の取込みが増加して血糖値が低下したと考えられます。

なお、酢と一緒にチーズを摂取したのは、空腹時の酢の飲用が胃を痛めないようにとする配慮だと述べています。

 


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糖尿病に効果がある酢

酢にはたくさんの種類があります。

糖尿病に対する健康効果が一番期待できる酢はどんな酢なのでしょうか。

 

酢の種類

食用の酢は農林水産省のJAS規格に基づき、「醸造酢」と「合成酢」に分けられますが、現在の食酢はほとんどが醸造酢です。

醸造酢は、糖質を含む原料をアルコール発酵させた後、酢酸発酵させて作ります。

「糖質を含む原料」や製造方法によって、穀物酢と果実酢、それ以外の醸造酢などに分類されます。

 

醸造酢

  1. 穀物酢

    米酢  : 米を1,000ml中に40g以上を使って製造された酢
          このうち、ベースの酒を含め純粋に米のみで作った酢は純米酒といわれる

    黒酢  : 米、米と小麦や大麦を1,000ml中に180g以上の米を使用、発酵熟成で黒い酢

    その他の穀物酢  : 米が40g以下や、麦、トウモロコシなどを使った穀物酢           

  2. 果実酢 
     
    果実の搾汁を1,000mlにつき300g以上使った酢で、リンゴ果汁を使ったものは「りんご酢」、ブドウ果汁は「ぶどう酢(ワインビネガー)」と呼ばれ、その他のその他の果実酢は「果実酢」と呼ばれる。

 

酢には様々な種類がありますが、酢の糖尿病に対する効果には科学的根拠があるのです。

 

高価な8年香醋でなくても糖尿病に効果があります

また、米酢には糖質が多いからワインビネガーが良いともいわれます。

 

しかし、大量に飲むわけではありませんから、問題は無いと思われます。

どの酢でも良いので続けることが大事です。

 

酢玉ねぎ

バナナ酢

酢納豆

など、酢といろいろな食べ物の組み合わせも報告されています。

 

食前のスプーン2杯の酢は糖尿病に効果があるようです。

 

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