糖尿病の足潰瘍による足切断が増加している

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

糖尿病の足潰瘍による足切断が増加しています。

自分は大丈夫だとたかをくくってはいけません。

世界中では30秒に1本の足が糖尿病のために切断され、

日本では毎年2万人もの人が糖尿病で足を切断しているのです。

 

糖尿病の合併症の壊疽

糖尿病の足切断は、

小さな傷が潰瘍になり、さらに足先の組織が死亡して壊疽と進んでしまうのです。

糖尿病だと診断されたら1週間に1回は足先をチェックしてください。

 

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糖尿病による足潰瘍と足切断が増えている

糖尿病のために、

  • 全世界では30秒に1本の足が切断されている
  • 日本では年間20,000人が足を切断されている

といわれているのですが、

日本における糖尿病による足切断の実態

が判明しました。

 

これは、

福岡市の白十字病院・糖尿病センターの岩瀬正典氏が2017年5月の第60回日本糖尿病学会で発表したものです。

この報告によると、

  1. 糖尿病による足潰瘍の発生は0.3%
  2. 糖尿病の足潰瘍から足切断に至のは0.05%

ということが分かったというのです。

 

糖尿病で足潰瘍ができると足切断の原因になります

 

この研究は、

福岡県で実施されて大規模疫学調査「福岡県糖尿病患者データベース研究」の一環によるもので、

福岡県の16医療機関に通院する糖尿病患者、

  • 男性患者: 2,854人
  • 女性患者: 2,277人

を5年間に亘って追跡調査したものです。

 

5年間の追跡期間中に、

  • 79人が足潰瘍を発症
  • そのなかの12人が足切断

という結果だったそうです。

分かりやすくいえば、

 

  1.  糖尿病患者の330人に1人が足潰瘍を発症
  2.  糖尿病患者の4,000人に1人が足切断

ということになるのです。

 

さらに、過去を含めて足潰瘍になったことがある患者では、

107人中24人が再発しており、再発率が22%と極めて高いことも分かったそうです。

 

足潰瘍になる危険性が高いのは、

  1. 男性患者
  2. 血糖値のコントロールが不良
  3. うつ症状がある

という患者で足潰瘍のリスクが高かったそうです。

 

さらに驚くことには、

足潰瘍がある糖尿病患者の

  1. 死亡率は2.8%
  2. 5年生存率は88%

と、足潰瘍がない糖尿病患者より死亡リスクが高いことも分かったのです。

糖尿病の足潰瘍で足を切断すると予後が悪い

潰瘍によって、

死亡リスクが1.77倍に上昇

のだそうです。

 

国内で糖尿病における足潰瘍の発症率が明らかになったのは初めてだそうです。

海外における糖尿病患者での足潰瘍の発症率は2~3%だといわれており、

日本における糖尿病患者での足潰瘍の発症率は海外の1/10も低いことが分かったのですが、

 

研究グループは、

足潰瘍になると死亡率が上昇するのは海外と同様であり糖尿病になったら定期的なフットケアが重要です、と話しています。

 


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糖尿病による足潰瘍と足切断の原因

糖尿病による足潰瘍や足切断を防ぐにはなんといっても血糖コントロールです。

 

岩瀬正典氏らの報告でも、

足潰瘍の発症率は、

  1. HbA1cが7%未満の患者では :  0.25%
  2. 7%~8%未満の患者では :  0.24%
  3. 8%以上の患者では : 0.46%

と血糖値が高い患者で有意に発症率が上昇ています。

また、

  1. うつ症状のある患者での発症率 : 0.72%
  2. うつ症状のない患者での発症率 : 0.26%

と、うつ症状のある患者での足潰瘍の発症率が有意に高率だったと述べています。

 

足潰瘍と足切断の原因

糖尿病による足潰瘍と足切断の原因は、

糖尿病の合併症で足切断は年間2万人の頁でもご紹介しましたように、

糖尿病による血管障害と神経障害です。

 

高血糖による足先の血管が傷害されて血行不良になると神経細胞に酸素や栄養の供給が悪くなり、ジンジンしたりシビレたりする症状が見られ、これが神経障害です。

神経障害になると、足先などの小さな傷や、靴ずれ、巻き爪などになっても痛みを感じないことや、血行障害により、このような傷がなかなか治らずに潰瘍化してしまうのです。

さらに、糖尿病では免疫力も低下するため潰瘍はさらに悪化して足の組織が細胞が死亡し壊疽(えそ)になってしまい、もはや治ることはありません。

壊疽になってしまうと、全身に毒素が回って敗血症により死に至ってしまうため、やむを得ず足を切断することになってしまうのです。

 


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糖尿病による足潰瘍と足切断を防ぐには

足潰瘍と足切断を防ぐにはなんといっても血糖コントロールです。

演歌歌手の村田英雄さんは糖尿病により両足を切断するに至ってしまいましたが、

糖尿病だといわれても全く血糖値を下げる努力をしなかったのだそうです、、、

糖尿病の足潰瘍が原因で足切断する人は2万人もいる

足切断では予後が非常に悪く、

術後30日以内の死亡率は、

  • ヒザ下切断で5~8%
  • ヒザ上切断で8~12%

と、10人に1人は術後30月以内に死亡しているのが現状なのです。

 

足潰瘍はできるだけ早く見つけて処置をすることです。

そのためには、2月10日はフットケアの日にも書きましたが、

糖尿病神経障害を早く見つけることです。

糖尿病神経障害になるとを早く見つけるには、

  • 足の痛みを感じない
  • 足先が冷える

のサインを見落とさないことが重要です。

足潰瘍は、

  • 小さな傷
  • 靴擦れ
  • 巻き爪

といったごく不通の足のトラブルから始まるのですが、神経障害では痛みを感じないため気付いたときには非常に進行して壊疽が始まっていることも希ではないのです。

 

糖尿病だと診断されたら常日頃から足先に注意を払ってください。

糖尿病の足切断を予防するスマート靴下が発売されていますからそのようなグッズを利用することもお勧めします。

 

たかが足の傷だからと甘く見てはいけません。

足を肢切断した患者の70%は5年以内に死亡する

という報告もあり、足切断後は肺がんの死亡率に匹敵するのです。

 

糖尿病で足先が冷えたら要注意です

糖尿病と診断されたら週に1回は足先をチェックをして下さい

 

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