豆類ダイエットで糖尿病予防
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
豆類ダイエットが人気です。
豆類にはダイエット効果があり、リバウンドも少ないそうです。
豆類には糖尿病の予防も期待でき、インゲン豆には血糖低下作用があります。
豆類を積極的に摂れば糖尿病を予防することができます。
豆類にはダイエット効果がある
インターネットで、「豆ダイエット」と検索すると、約 11,300,000 件ものヒットがあります。
- 運動やほかの食事制限はまったくしていないのに、豆を食べないだけでこんなに、、
- 豆ダイエットは、ダイエット以外にも美肌効果、アンチエイジングなど、嬉しい効果が沢山です
など、豆によるダイエット効果や美肌効果を伝えるサイトが本当にたくさん有ります。
豆類によるダイエット効果については科学的根拠もあります。
カナダのトロントにあるセント・マイケルズ病院の研究チームは、
豆類は満腹感を得られやすく、余分な体重を減少させるのに役立つ可能性があることが判明した
と報告しています。
Effects of dietary pulse consumption on body weight: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
International Journal of Obesity (2012) 36, 1485–1493;
この研究では、
研究では、豆類と体重に関する臨床試験の21論文、総計成人940人の豆の摂食量と体重変化について解析したのですが、
1日1回、豆類を3/4カップ(150cc)食べた人は6週間で体重が平均0.34kg減少
という結果が得られたというのです。
研究チームのリーダーであるRussell de Souza氏は、
- 体重減少はわずかだが、豆類を食べるだけで減量できる可能性がある
- 減量後に体重が戻るリバウンドもない
というのです。
豆類の摂食によってダイエットできる理由は、
- 豆類はGI値が低い
- 豆類を食べると満腹感を得られやすい
- 動物性蛋白や不健康な脂質の代わりになる
という理由によるのだろうと述べています。
減量プログラムの90%は失敗に終わるが、失敗する理由は「空腹感と食べ物への渇望の影響」が挙げられるのですが、
「豆類を食べると満腹感を得られやすい」ことが示されており、減量に成功するのだろうと述べています。
豆類を食べると満腹感を得られやすいということについては過去に、
- 豆類は満腹感を31%高め、食品摂取量の減少につながる
- 豆類は悪玉のLDLコレステロールの血中濃度を低下させる
ということが報告されており、今回の結果は過去それらの成績とも合致していると述べています。
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豆類には糖尿病予防効果が期待できる
豆類には私達の体にとって重要な栄養素がぎっしり詰まっています。
豆類は畑の肉
オランダの植物学者ケンペルは1712年にヨーロッパに大豆を伝えたのですが、その後ドイツに伝わり、「大豆は畑の肉」といわれ、アメリカでも「大地の黄金」と呼ばれています。
大豆の30%は蛋白質で肉に匹敵する程の蛋白質が含まれているからです。
さらに、大豆の蛋白質は必須アミノ酸がバランスよく含まれており、さらに、脂質、炭水化物、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、ビタミンB1、葉酸など様々な栄養素も豊富に含まれています。
大豆の蛋白質は肉や卵に負けない良質の蛋白質で、消化吸収率も、納豆で91%、豆腐では95%と非常に効率の良い食品なのです。
豆類はGI値が低い
GI値とは食品を摂ってからブドウ糖に吸収されて血糖値を上げるまでの時間を、ブドウ糖を100として相対的に表した数字です。
糖尿病では食後の血糖値をなるべく上げないようにすることが望まれるので、糖尿病ではGI値の低い食べ物を摂ることが薦められています。
糖尿病では出来るだけ、GI値が65以下の食べ物を摂ることが薦められているのですが、
- 白米 : 84
- 餅 : 85
- 食パン : 95
- うどん : 80
- 豆腐 : 42
- 大豆 : 30
- 高野豆腐 : 36
- インゲン豆 : 27
と、豆類や大豆の加工食品はGI値が低く、食後高血糖値を引き起こさないため糖尿病にはお薦めの食品なのです。
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豆類には血糖低下作用がある
豆類には様々な種類がありますが、インゲン豆には血糖低下作用があることが明らかになっています。
インゲン豆には、
α-グルコシダーゼ阻害作用のある成分が含まれている
のです。
この成分は、「ファセオラミン」と言われるのですが、米国ニュージャージー州のファーマケム・ラボラトリーズ社が登録商標していますので、「白インゲン豆の抽出物」、「白インゲン豆のエキス」などと表現されています。
α-グルコシダーゼとは、グルコースが2個繋がった二糖類を単糖類であるブドウ糖に分解する酵素です。
炭水化物はブドウ糖がたくさん繋がった多糖類ですが、消化酵素により単糖類であるブドウ糖にまで消化されて血液中に吸収されるのですが、α-グルコシダーゼは最終的に、二糖類を単糖類に分解する酵素で、この酵素を阻害すると糖は吸収されず、血糖値は上がらないのです。
白インゲン豆にはα-グルコシダーゼを阻害する作用があるのですが、
α-グルコシダーゼを阻害を阻害する物質は糖尿病治療薬に使われています。
- グルコバイ(アカルボース;バイエル薬品)
- ベイスン(アグリボース;武田薬品)
- セイブル(ミグリトール;三和薬品)
豆類には抗酸化作用がある
豆類の小豆・アズキには糖尿病の血糖を下げる、ポリフェノールがたくさん含まれています。
アメリカの農務省の研究者グループは、果物、野菜、木の実、スパイス、ハーブなど100種類の食材について抗酸化物質の含有量を調べたのですが、Small Red Bean、いわゆる赤い色をした豆、日本でいうあずき(小豆)に最も多く抗酸化物質が含まれていることを明らかにしています。
あずきには抗酸化物質であるポリフェノールが食品で一番多く含まれるのです。
あずきはGI値も低く、多くのポリフェノールを含んでおり血糖値を下げる効果があるそうです。
豆類にはダイエット効果があり、GI値も低く、糖尿病に良い食べ物です。
豆類は良質の蛋白質を多く含み炭水化物も少なく糖尿病の予防に最適です。
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