糖尿病の運動療法には自転車が有効

糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法です。

糖尿病は食事療法と運動療法をきちんと行えば治るのです。

運動療法ではどんな運動が有効なのでしょうか?

運動療法といっても散歩や自転車でも充分効果があるのです。

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糖尿病の運動療法とは

糖尿病の治療について、日本糖尿病学会のガイドラインでは、

まず、

  1. 食事療法
  2. 運動療法

    を行い、3ヵ月を経過しても血糖値が目標値に達しないときには、

  3. 薬物療法

を開始すると定めています。

薬物療法は、「食事療法」と「運動療法」で効果がなかったときに、最後の手段として行うのです。

しかし、実際には、「食事療法」と「運動療法」をきちんとおこなわないヒトが多く、「薬物療法」に移行するヒトが多いのです。

どうして運動療法なのか

病気が運動で治る?

それは、「糖尿病は代謝の病気」だからです。

代謝とは、摂取した栄養素を身体のエネルギーや成長のために利用することです。

糖尿病では、

  • 糖を摂り過ぎ
  • 糖を利用できない

ために、血中に糖が過剰に溜まってしまうのです。

運動することによって、筋肉が糖をエネルギーとして活用し、さらに筋肉が鍛えられ、糖の消費も増えるのです。

どんな運動が良いのか

糖尿病学会の治療ガイドラインでは、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」の組合せが効果的だといっています

有酸素運動とは、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、酸素を取り込み、その酸素を使ってエネルギーを消費する運動で、レジスタンス運動とは体重などで負荷をかけて行う筋力トレーニングのことです。

糖尿病学会では、

  1. 有酸素運動   : 週3回以上、合計150分
  2. レジスタンス運動 : 週2回

を行うことを推奨しています。


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糖尿病の運動療法では自転車が有効

有酸素運動とレジスタンス運動といっても、ジムに行って鍛える必要などありません。

ロンドン大学のEllen Flint氏らを中心とする研究グループは、

 公共交通機関の利用やアクティブな通勤方法を推奨することは、肥満に対する有効な運動療法

と、3月15日号のThe Lancet Diabetes & Endocrinologyに掲載しています。

   ⇒ Active commuting and obesity in mid-life: cross-sectional, observational evidence from UK Biobank(英文)

Ellen Flint氏らは、イギリスでは成人の2/3において運動が不足しており、健康への悪影響や早期死亡の主要な原因の1つだとして、通勤方法について調査したのです。

研究では、イギリスのBiobankに集積されている、15万人(年齢40~69歳)の情報を収集し、通勤方法と肥満との関係を分析しました。

15万人うち、1/3が車で通勤していましたが、自転車、電車、徒歩での通勤方法と肥満との関係について詳細に調べたところ、

 自転車通勤が最も肥満解消に有効

ということが判明したのです。

具体的には、

  • 自転車通勤の男性(53歳)は、車通勤の男性より体重が約5kg少なく、BMIも1.7低い
  • 自転車通勤の女性(52歳)は、車通勤の女性より体重が約4.5kg少なく、BMIも1.65低い
  • 徒歩通勤の男女はBMIが0.98低い
  • 自転車や徒歩による移動距離が長いほどBMIの減少が大きい
  • 電車通勤の男性は、車通勤の男性よりもBMIが0.7低い
  • 電車と徒歩、電車と自転車で通勤する人は、男性では1、女性では0.7、BMIが低い

ということで、肥満解消には、

 自転車 > 徒歩 > 電車 > 車

という効果だったのです。

糖尿病では運動療法が有効で、運動療法とは特別な運動ではなく、通勤時に歩くことや今回の報告のように自転車通勤でも有効なのです。

自転車は、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」が同時に出来るのです。

座る時間が長い人は糖尿病になりやすいともいわれています。

あなたに合った運動を見つけて、毎日の生活に取り入れてください。

糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法です


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