ご存じですか?
糖尿病患者の死因の第1位は「がん」なのです。
糖尿病患者の約4人に1人ががんで亡くなっていることが分かっています。
特に膵臓がんや肺がん、肝がんの割合が高い傾向にあるそうですが、
どうして糖尿病ではがんで死亡する人が多いのでしょうか?
#この記事では20年以上にわたり糖尿病治療の研究を行っていた医学博士けんぞうが、最近の研究報告やフリースタイルリブレを用いた自身の食後高血糖の実証実験成績などを紹介しています。
✅ この記事から分かること
- 糖尿病患者の死因の第1位はがん
- 糖尿病予備群でもがんのリスクが上昇する
- 食後高血糖が糖尿病のがんに関与している
- 慢性炎症や活性酸素も重要な発がんの要因
- 血糖管理と減量でがんのリスクが低下する
糖尿病は「がん予備群」ともいわれている
糖尿病患者の4人に1人はがんで死亡し、糖尿病予備軍でもがんのリスクが高い
日本糖尿病学会の調査で 👉糖尿病患者の死因の第1位はがんであることが明らかになっていますが、👉糖尿病ではがんのリスクが2倍になるといわれ、👉糖尿病はがん予備群ともいわれるのですが、さらに注意したいのは、 糖尿病の前段階である👉糖尿病予備群でもがんリスクが高いということなのです。
⚠ 要注意
糖尿病だけでなく、糖尿病予備群でもがんリスクが高くなることが報告されています。
食後高血糖はがんのリスクを上げる
食後高血糖によるインスリンの過剰分泌ががんのリスクを上げる
食後高血糖やそれに伴う慢性的な高血糖状態ががんのリスクを上げることが多くの研究で明らかになっています。
- 食後高血糖によるインスリンの過剰分泌
- 食後高血糖によるIGF-1の過剰分泌
- 酸化ストレスと炎症
① インスリンによるがん細胞の増殖促進
食後高血糖になると、大量のインスリンが分泌され高インスリン血症となります。
インスリンには血糖を下げる作用のほかに、細胞を増殖させる因子としての作用もあり、高インスリン血症ががん細胞の発生や増殖に関与していると考えられているのです。
糖尿病が進行するとインスリン抵抗性が悪化(インスリンの効きが悪くなる)するため、膵臓は更にインスリンの分泌を高めるため、体内ではがん細胞の増殖を促す環境が作られるのです。👉糖尿病ではがんになりやすい理由
② IGF-1ががん細胞の増殖を促進する
インスリンの過剰な分泌とともに注目されているのがIGF-1(インスリン様増殖因子-1)です。IGF-1は主に膵臓から分泌され、細胞の成長や増殖を促進するホルモンですが、食後高血糖による高インスリン状態ではIGF-1が過剰に分泌され、がん細胞の成長や腫瘍の形成が促進されるリスクが高まるのです。
持続的な高血糖はIGF-1の分泌を促す要因となり、乳がん細胞などの増殖に関与するリスクが指摘されています。
③ 食後高血糖による慢性炎症も見逃せない
食後高血糖を繰り返すと活性酸素が発生し、血管や細胞が傷つけられて慢性炎症が引き起こされます。慢性炎症は正常な細胞にもダメージを与えDNAが傷つき、修復ミス(遺伝子変異)が蓄積するため発がんリスクが大幅に上昇するのです。
食後高血糖ががんのリスクを上げる
糖尿病のがんには食後に急激に血糖値が上がる食後高血糖が関与している
食後高血糖とはグルコーススパイクともよばれ、食後に血糖値が急激に上がることです。
食後には健常人でも血糖値が上がりますが、糖尿病の人では長時間にわたって高血糖状態が持続するのです。
#臨床的には食後2時間目の血糖値が140mg/dl以上であれば食後高血糖と診断されます
食後高血糖はインスリンの大量分泌を引き起こして膵臓を疲れさせたり、インスリンの効きを悪くし糖尿病をさらに悪化させるのです。さらに、合併症のリスクやがんのリスクを高めるのです。
食後高血糖はがんのリスクを高めるだけでなく、ドミノ倒しのように次々と合併症や重い疾患を引き起こすのです。そして、👉 糖尿病ドミノの1枚目は食後高血糖なのです。
歯周病と糖尿病のQ&A
質問①: 糖尿病と膵臓がんは関係あるの?
【答え】膵臓がんは糖尿病と最も深い関係にあります
糖尿病患者の膵臓がんリスクは約2倍、糖尿病を発症して1年未満や急激な糖尿病の悪化がみられる場合には約7倍といわれます。
両者は「ニワトリと卵」のような密接な関係にあり、膵臓がんでは糖尿病を発症し、糖尿病患者では膵がんリスクが高いのです。
膵がんについては、👉膵がんと糖尿病の関係で詳しく解説していますが、
- 急に血糖値が悪化した
- 短期間で体重が減少した
- 食欲不振が続いている
というような場合には膵がんが隠れていることがありますので、できるだけ早めに医療機関へ相談してください。
質問②:肥満は糖尿病のがんに関係あるの?
【答え】肥満もがんのリスクを高める重要な要因です
高血糖だけではありません。肥満もがんの重要な危険因子です。
肥満ががんのリスクを高める主な理由は、過剰な脂肪組織が「慢性的な炎症」を引き起こし、「ホルモンバランス」を乱し、さらにIGF-1などを過剰に分泌させるためと考えられています。
また、脂肪細胞では女性ホルモンが作られるので女性では乳がんや子宮体がんのリスクが高くなります。👉肥満と糖尿病の関係
ここまで読むと不安になった方もいるかもしれません。しかし希望もあります。最近の研究では、体重管理と血糖コントロールによって、がんのリスクを大きく下げられることが分かっています。
✅ 減量で糖尿病によるがんのリスクを下げることができる
血糖管理をきちんとし、同時に減量することで、
👉血糖コントロールと減量でがんリスクが60%低下すると報告されています。
女性でも5%の減量によって乳がんのリスクが低下したと報告されています。👉減量で乳がんのリスクが低下した
まとめ|今日から始める「がん・合併症」対策
糖尿病とがんは、切り離せない深い関係にあります。将来の大きな病気を防ぐために、今日から以下の対策を習慣化しましょう。
今日から始めたい習慣
- 食べるものを見直す[GI値の低い主食に置き換える]
- 食べ方を工夫する[野菜から食べる]
- 毎日体を動かす[食後に軽い運動]
①主食をGI値の低い食べ物にするには、👉食べ物で食後高血糖を抑える
②ベジファーストについては、👉食べ方で食後高血糖を抑える
③食後の軽い運動は、👉運動で食後高血糖を抑える
【筆者から最後に一言】
血糖値の管理が難しいのは「見えないから」です。
体重や血圧は自分でも測定できるので「励み」になるのです。
私もAmazonでフリースタイルリブレを購入し、食後高血糖を測定してみました。
血糖値には全く異常がない私ですが、食後には血糖値が爆上げで驚きました。
しかし、何を食べれば血糖値が上がるのか、どういう食べ方をすれば血糖値が上がらないのかなど、非常に重要なことが沢山分かりました。
最終更新日:2026年7月 初掲載日:2021年2月
















