糖尿病予備群でもがんのリスクが高い
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
糖尿病では認知症のリスクが高い
糖尿病ではがんのリスクが高い
ということが多くの疫学調査で広く知られているのですが、
先日は、
糖尿病予備群でも認知症のリスクが高い
ということをご紹介しました。
糖尿病予備群というのは糖尿病の一歩手前の状態なのですが、
なんと、
糖尿病予備群でもがんのリスクが高い
というのです。
糖尿病予備群でもがんのリスクが高い
国立国際医療研究センター臨床研究センター疫学・予防研究部の研究グループは、
糖尿病ではがんによる死亡リスクが高いことが知られているが、
糖尿病予備群はどうだろうか？との調査を行ったところ、
糖尿病予備群でもがんによる死亡リスクが高い
ことが分かったというのです。
Prediabetes, Diabetes, and the Risk of All-Cause and Cause-Specific Mortality in a Japanese Working Population: Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study.
詳しく見る ⇒ 原著論文（Diabetes Care）
糖尿病予備群とは、
｢現在の生活習慣をそのまま継続すると糖尿病になる｣という人達のことですが、
糖尿病と同じようにがんのリスクが高いということがわかったのです。
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国立国際医療研究センターの研究グループは、
国内の民間企業での頭洞やを対象とした疫学研究J-ECOHスタディのデータから、
6万2,785人を対象に、
- HbA1c
- 空腹時血糖
を指標に、
歳代で7年間にわたって追跡調査したのです。
6万2,785人の中には、
- 空腹時血糖100～125mg/dL または HbA1c5.7～6.4％ では 38.4％
- 空腹時血糖110～125mg/dL または HbA1c6.0～6.4％ では 12.8％
の糖尿病予備群が含まれていました。
（なお、上段の基準は米国糖尿病学会の基準、下段はWHOの基準です）
追跡期間中に229人が死亡し、
- がんによる死亡 ： 97人
- 心血管疾患による死亡 ： 57人
でしたが、
糖尿病予備群でのがんによる死亡リスクは正常血糖値群より有意に高かったのです。
なお、
糖尿病群ではがんも心血管での死亡リスクも正常血糖値群より有意に高かったのです。
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まとめ
糖尿病では、
- 全死亡
- がん死亡
- 心血管死亡
の全てで死亡リスクが上昇しましたが、
糖尿病予備群でもがん死亡のリスクが高いことが判明したのです。
糖尿病予備群では今のままの生活習慣を続けると糖尿病になる状態のことですが、
食生活、運動などの生活習慣を変えれば簡単に正常血糖値に戻ることができるのです。
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