製薬会社で20年以上、新薬の研究開発に携わった経験をもとに、科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えしています。
糖尿病治療では、日本糖尿病学会や厚生労働省も示しているように、食事療法と運動療法が基本です。
はじめに
国内だけでなく世界中で肥満と糖尿病が急速に増えています。
肥満は糖尿病だけでなくガンのリスクを高めることは多くの研究で明らかになっており、糖尿病患者ではガンのリスクが2倍高いことが分かっています。
肥満でも10%減量すれば糖尿病が寛解するのですが、スウェーデンのヨーテボリ大学の研究グループは、減量すれば糖尿病だけでなくガンのリスクが60%低下すると報告しています。
肥満は糖尿病のがんのリスクも高まる
国立がん研究センター 社会と健康研究センター長である津金昌一郎医師は、
肥満は糖尿病や高血圧などの生活習慣病だけでなくガンのリスクをも高めることもわかっています
と述べています。
糖尿病では体内で余分になった糖を処理するために大量のインスリンが分泌されるのですが、このインスリンの過剰分泌がガン細胞を増殖しやすくするといわれているのです。
詳しく見る ⇒ NHK健康ch
このサイトでも「糖尿病とガン」については何回も記載してきましたが、糖尿病ではガンのリスクが高く糖尿病患者は糖尿病でない人よりも2倍もガンになりやすいといわれています。
詳しく見る ⇒ 糖尿病や肥満ではがんになりやすい
アメリカのニューヨーク大学の研究チームは、
- 東アジア人 : 65万8,611人
- 南アジア人 : 11万2,686人
について平均12.7年間追跡調査し、
- 糖尿病ではガンによる死亡リスクが有意に高い
- 糖尿病と部位別のがんには有意な正相関が認められた
ことが判明したと述べています。
ガン種については、
- 大腸がん
- 肝がん
- 胆管がん
- 膵臓がん
- 乳がん
- 子宮体がん
など多くのガンと関連があったと報告しています。
糖尿病では特に肝臓ガンや膵臓がんのリスクが高いことが疫学的に分かっているのですが、膵臓ガンで亡くなった星野仙一さんや九重親方は重度の糖尿病を患っており、糖尿病と関係があったのでないかといわれています。
星野仙一さんの死因は糖尿病で膵臓がんなのか?
九重親方のすい臓がんと糖尿病の関係
血糖値がやや高いだけでまだ糖尿病予備群だから大丈夫と油断しないでください。
糖尿病はがんのリスクが高いがん予備群でもあるのです。
減量すればガンのリスクは60%低下する
肥満でも10%減量すれば糖尿病が寛解することが分かっているのですが、減量すればガンのリスクも下がることが報告されています。
スウェーデンのヨーテボリ大学の研究グループは、減量すればガンのリスクは60%低下することを明らかにしています。
Glucose control is a key factor for reduced cancer risk in obesity and type 2 diabetes
詳しく見る ⇒ 原著論文
研究グループは、肥満手術で肥満を治療した肥満患者393人と、重度の肥満で手術を受けていない肥満患者308人について、21年追跡調査したのですが、
肥満症を治療した患者ではガンのリスクが37%低い
ことが判明したと報告しています。
さらにこれらの患者では糖尿病を併発し血糖値も高かったのですが、良好な血糖コントロールを10年間維持していた患者ではガンのリスクが60%低いことも明らかになったのです。
まとめ
糖尿病でガンのリスクが上がることは多くの疫学研究で明らかになっています。
糖尿病では糖尿病でない人よりガンになるリスクが2倍も高いのです。
減量すれば糖尿病が寛解することが分かっていますが、減量すれば糖尿病だけでなくガンのリスクも低下するのです。













