糖尿病には玄米や全粒穀物・全粒粉が良い

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

玄米は血糖値を下げるので玄米は糖尿病に良いと言うことをご存じですか?

このサイトでも何回かお知らせしたように、

  • 玄米はメタボに良い
  • 玄米は糖尿病に良い

ということは多くの科学的研究で明らかになっています。

日本やアジア諸国は米を食べますが、

欧米は小麦が主食です。

しかし、

欧州においても白米の玄米に相当する、

  • 全粒穀物
  • 全粒粉

メタボや糖尿病の予防になるという研究成果も上がっています。

 

白米は美味しいのですが、精米によって玄米に含まれる栄養素はほとんど取り去られてしまっているのです。

  • 玄米は不味い!
  • 玄米は調理しにくい!!

これは昔の話です。

玄米は

  1. 健康に良い
  2. 美味しい
  3. 調理も簡単

なのです。

 

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全粒穀物はメタボや糖尿病を予防する

デンマーク工科大学の研究グループは、

全粒穀物はメタボリックシンドロームの予防や進展抑制に良い

という論文を発表しました。

 

全粒穀物や全粒粉というのは、小麦粉は殻などを取り除いて粉にしたものですが、全粒粉は小麦まるごとを粉状にしたものです。

米でいうと、精米した白米と玄米のようなイメージです。

小麦粉は白色ですが、殻まで粉砕した全粒粉は茶褐色をしています。

 

玄米は糖尿病に良い成分が多い

 

最近は、ライ麦の全粒粉を使ったライ麦パンなどもよく見かけますからご存じでしょう。

 

精製された小麦の代わりに精製していない全粒穀物を多く摂取すると満腹感が得られやすくダイエット効果があるだけでなく全身の炎症も低減し、

メタボリックシンドロームの予防や進展を抑制する効果があり、特にライ麦の全粒穀物が効果的だとしています。

 

Whole grain-rich diet reduces body weight and systemic low-grade inflammation without inducing major changes of the gut microbiome: a randomised cross-over trial.

     詳しく読む ⇒ コチラ

 

 

この研究では、

  • 血糖異常
  • 脂質異常
  • 高血圧

などのメタボリックシンドロームのリスク因子を1つ以上有し、

  • 過体重または肥満の

成人男女60人(20~65歳)を2つのグループに分け、

 

第1の群のグループでは、

  1. 最初の8週間は全粒穀物が多い食事(1日75g以上)
  2. 続く6週間は通常の食事
  3. 最後の8週間は精製穀物の食事(全粒穀物は1日10g未満)

 

第2のグループでは、

 食事の内容を逆の順に、

  1. 最初の8週間は精製穀物の食事
  2. 続く6週間は通常の食事
  3. 最後の8週間は全粒穀物の食事

にしたのです。

 

その結果、

 

  • 全粒穀物の多い食生活ではエネルギー摂取量とともに体重も減少した

のです。

 

研究グループでは、

全粒穀物を食べると満腹感が得られやすいので食べる量が減って減量したのではないかと推察しています。

 

さらに、

  • 全粒穀物が多い食事ではIL-6やCRPなどの全身性の炎症マーカーが大きく低下した

ということもわかったのです。

IL-6やCPRなどはメタボリックシンドロームをリスク因子とされているのですが、

IL-6はインスリン抵抗性を増加させて糖尿病を引き起こすことも明らかになっているのです。

  詳しく見る ⇒ 糖尿病の原因と肥満の関係

 

今回の研究では、

全粒穀物には小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦、玄米、乾燥トウモロコシなどの全粒粉が使われましたが、

研究グループは、

全粒穀物の中でも特にライ麦全粒粉を食べると全身の炎症低減に効果がある

と述べています。

 

さらに、

理想的な食事構成は、

  • でんぷんを含まない野菜 50% 
  • 全粒穀物 25%
  • 蛋白質 25%

が良いとしています。

 

具体的には、

  1.  主食: 玄米か玄米穀物  25%
  2.  副菜: 肉や魚      25%
  3.  副菜: 根菜類以外の野菜 50%

ということですね。

 


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糖尿病には白米より玄米が良い

オランダの研究グループは全粒穀物についてでしたが、

インドのマラダス糖尿病財団の研究グループは、

玄米は糖尿病の血糖値の改善効果がある

との報告をしています。

   詳しく読む ⇒ 日経メディカル

 

この研究は、

  • 肥満だが糖尿病でない成人 150人

を対象に、

  1.   白米群 : 3ヵ月間白米 → 3ヵ月間玄米
  2.  玄米群 :  3ヵ月間玄米 → 3ヵ月間白米

に分け血糖値の変化を調べたのです。

 

その結果、

 

玄米食では

  • 血糖値が低い
  • 血糖値の変動幅が狭い

ということがわかったそうです。

 

さらに、

  1. 白米
  2. 玄米
  3. 玄米+豆

の3つの食事を5日間摂取させて24時間の血糖値を比較したところ、

 

血糖値の変動量は、

  1. 玄米+豆
  2. 玄米
  3. 白米

の順で小さいことがわかったのです。

 

研究グループは、

  1. 白米を玄米に代えると血糖値とインスリン値が有意に低下する
  2. 玄米に豆を加えるとさらに血糖値とインスリン値が有意に低下する

ことが明らかになったとして、

玄米と食物繊維や蛋白質が豊富な豆類を中心とした食事は糖尿病の予防に効果がある

と述べているのです。

 


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玄米には糖尿病を予防する成分が含まれる

玄米が糖尿病の予防や進展抑制に良いとされるのは、

玄米はGI値が低いから

です。

 

GI値というのは食べてから2時間の間にどれだけ血糖値を上げるかという指標で、

糖尿病や糖尿病予備軍ではGI値が65以下の食品をとることを勧められているのです。

  詳しく読む ⇒ 糖尿病の血糖値はGI値の影響が大きい

 

しかし、玄米が糖尿病に良いとする理由はそれだけではありません。

琉球大学の研究グループは玄米に含まれるγオリザノールが、

  • 食欲中枢に作用して食欲を抑える
  • 脳内の脂肪に対する嗜好性を変える

ということを明らかにしています。

 

やや難しいのですが簡単にいえば、

  1. 玄米は満腹感を与える
  2. 玄米は脂肪を食べたいという欲望を抑える
  3. 玄米は糖尿病を予防する

ということです。

さらに、

γオリザノールは、

  1. インスリンの分泌を促進する
  2. 血糖値を下げる作用がある

ということも科学的に立証されているのです。

  詳しく読む ⇒ 玄米のγオリザノールは糖尿病に良い

 

γオリザノールには、

  1. 抗酸化作用
  2. 高脂血症改善
  3. 高コレステロール血症改善
  4. 抗炎症作用
  5. 抗アレルギー作用

など多くの健康効果が報告されています。

 

玄米には糖尿病に良いだけでなく、こんなに素晴らしい健康効果があるのです

  • 玄米は食べにくい!
  • 玄米は美味しくない!!

と思っていませんか?

 

今の玄米は美味しいのです。

今の玄米は炊飯も簡単なのです。

 

明日は私が食べている玄米や玄米の炊飯器をご紹介しましょう。

 

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