缶コーヒーは毎日一本でも糖尿病になる?

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

世界保健機関(WHO)は、今年2016年10月、世界各国に対して加盟国に対して、

砂糖を多く含む清涼飲料水への課税強化を呼びかけました。

砂糖を含む加糖飲料はそれほど肥満や糖尿病のリスクを高めているのです。

 

缶コーヒーは毎日一本なら糖尿病は大丈夫なのか?

 

あなたは、缶コーヒーやジュースをどれくらい飲んでいますか?。

1日1本だから大丈夫!、太っていないから大丈夫!と思っていませんか?

 

毎日1本の缶コーヒーでも糖尿病のリスクが高くなるのです。

 

ウエスト周が細い、BMIは低い、といっても糖尿病のリスクがグンと高くなります。

 

そして、なんと、

人工甘味料でも糖尿病のリスクが高くなるのです。

 

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缶コーヒーを毎日1本飲むと糖尿病になる可能性が高い

世界保健機関(WHO)は、今年2016年10月、世界各国に対して加盟国に対して、

砂糖を多く含む清涼飲料水への課税強化を呼びかけました。

ペットボトルや缶飲料には驚くほどの砂糖が入っているのです「。

砂糖を含む加糖飲料はそれほど肥満や糖尿病のリスクを高めているのです。

 

しかし、

どれだけ飲むと糖尿病のリスクが上がるのでしょうか?

 

アメリカのタフツ大学、マサチューセッツ総合病院、米国立心肺血液研究所の研究グループは、

 加糖飲料の摂取量と糖尿病のリスク

について研究結果を報告しました。

Sugar-Sweetened Beverage but Not Diet Soda Consumption Is Positively Associated with Progression of Insulin Resistance and Prediabetes.

Conclusion: Regular SSB intake, but not diet soda intake, is associated with a greater increase in insulin resistance and a higher risk of developing prediabetes in a group of middle-aged adults.

詳しく読む ⇒ 原著論文(The Journal of Neutrition)

 

今回の研究の対象は、

アメリカで30年以上に亘って継続されている「フラミンガム子孫研究」という大規模追跡調査に参加し、14年以上、食事内容など生活習慣に関するアンケート調査に協力している人で、

  • 対象者  : 1,685人(平均年齢51.9歳)
  • 調査項目 : 加糖飲料の摂取量と糖尿病のリスク

を調べたのですが、

加糖飲料としては、

  1. コーラなどの炭酸飲料
  2. スポーツドリンク
  3. 砂糖入りの清涼飲料
  4. 果汁が100%ではないジュース類

として、1週間に飲む量と糖尿病になった比率を調べたのです。

なお、

調査開始時に既に糖尿病と診断されていたり、血糖値が高い糖尿病予備群と診断された人は除外しています。

 

その結果、

 1週間に加糖飲料を6缶以上飲む人は3缶以下の人に比べて糖尿病のリスクが46%高い

ということが判明したというのです。

さらに、

糖尿病予備群や糖尿病と診断された人の多くは白人女性で、腹部周やBMIは平均値で肥満ではなかったそうです。

 

一方、

人工甘味料によるダイエットコーラなどの人工甘味料飲料については、摂取量と糖尿病との関係は明確ではなかったとしています。

 

しかし、研究グループは、既に人工甘味料は2型糖尿病リスクを高めるとの報告もありダイエットソーダが安全である証拠にはならないと結論し、

糖尿病の原因は複雑であり完全ではないにしても、

 加糖飲料を減らし、運動を取り入れるだけで、糖尿病の大幅な減少につながるだろう

とコメントしています。

 

この研究で明らかになったのは、

  1. 毎日1本の加糖入り飲料を飲んでいると糖尿病のリスクが146%増加する
  2. 肥満でなくても加糖入り飲料を飲んでいると糖尿病のリスクが増加する

ということですが、あなたは加糖飲料をどれだけ飲んでしますか?

 


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人工甘味料も糖尿病のリスクが高い

上にご紹介したタフツ大学らの研究グループの研究では、

人工甘味料を用いた飲料と糖尿病のリスクとの関係は明確ではなかったのですが、

砂糖ではなく人工甘味料なら大丈夫なのでしょうか?。

 

スウェーデンのカロリンスカ研究所のグループは、

人工甘味料のダイエット飲料でも糖尿病のリスクが高くなる

という研究結果を報告しました。

Sweetened beverage intake and risk of latent autoimmune diabetes in adults (LADA) and type 2 diabetes.

Conclusions High intake of sweetened beverages was associated with increased risk of LADA. The observed relationship resembled that with type 2 diabetes, suggesting common pathways possibly involving insulin resistance.

 全文を読む ⇒ European Society of Endocrinology

 

この研究は、

参加者は、スウェーデンの“健康とライフスタイルに関するアンケート調査”に参加した人を対象に調査されました。

この調査では、体重、身長、身体活動、喫煙、アルコール摂取、糖尿病の家族歴および教育水準などを調査し、

糖尿病の発症に影響を与える様々な因子を調べたのです。

その中の一つに、

Q : 1週間に何本(1本200ml)の加糖飲料を飲みますか?

  1. コーラ 
  2. コーラ以外の糖入り飲料
  3. ダイエットコーラ
  4. ダイエットコーラ以外のダイエット飲料

 

その結果は、

ただし、

 調査に参加した人の63%は、1~4の飲料を飲んでいません

でしたので、その人達との糖尿病発症のリスクを比較しました。

 

そして、

  1. 2本以下しか飲まない人では糖尿病が発症しなかった
  2. 1~4のいずれかを1日2本飲む人は、飲まない人より糖尿病リスクが2.4倍高い
  3. 毎日5本以上飲む人は、飲まない人より糖尿病のリスクが10.5倍高い
  4. 飲む量が1本増える毎に糖尿病のリスクが20%高くなる

ということが判明したのです。

さらに衝撃的なことは、

  • ダイエット飲料と糖入り飲料でも糖尿病のリスク上昇には差がなかった

というのです。

すなわち、

  • (実は ×)  ダイエット飲料は肥満対策に良い
  • (実は ×)  ダイエット飲料は糖尿病に良い

だということですね、、、。

 

ダイエット飲料に含まれているのは、“人工甘味料”で糖質ではないのです。

では、

 どうしてダイエット飲料でも糖尿病になるのか

今回の調査研究では、そのメカニズムについては解明されていません。

しかしながら、これまでの他の研究論文でも同じようなことが示唆されているものの、原因は全ては解明されていません。

その中で、一番可能性が高いのは、

 人工甘味料は腸内細菌のバランスに悪影響を与えてインスリン抵抗性を高くしている

ということです。

これについては、このサイトでも以前にお知らせしたとうりです。

 

いかがでしたでしょうか、

  1. 毎日1本の缶コーヒーでも糖尿病のリスクが高くなる
  2. ウエスト周が細い、BMIは低い、といっても糖尿病のリスクがグンと高くなる
  3. 人工甘味料の飲料でも糖尿病のリスクが高くなる

ということです。

あなたは毎日どれだけの加糖飲料を飲んでいますか?

あなたはこれからも飲み続けますか?

 


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