随時血糖値で糖尿病の発症を予測することができる

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

親が糖尿病だったから自分も糖尿病になるなどと、

「糖尿病は遺伝する」と良くいわれます。

 

しかしこれは正しくはありません。

糖尿病は遺伝病ではありません。

 

しかし、糖尿病になりやすい糖尿病体質は遺伝するといわれています。

肥満の子供の親は肥満であることが多いように、、、

 

糖尿病が遺伝しているか遺伝子検査で分かるのですが、

アメリカの研究グループは、

随時血糖値で糖尿病の発症を予測できる

との研究論文を発表しました。

 

Sponsored Link

 

随時血糖値で糖尿病の発症を予測できる

先月末、アメリカのAtlanta VA Health Care Systemの研究グループは、

随時血糖値で糖尿病の発症を予測できる

との研究論文を発表しました。

 

Random plasma glucose predicts the diagnosis of diabetes

RPG levels below the diabetes “diagnostic” range (≥200 mg/dl) provide good discrimination for follow-up diagnosis. Use of such levels–obtained opportunistically, during outpatient visits–could signal the need for further testing, allow preventive intervention in high risk individuals before onset of disease, and lead to earlier identification of diabetes.

 

詳しく見る ⇒ 原著論文

 

「空腹時血糖」ということがは良く聞きます。

空腹時血糖値は、夕食後には何も食べず翌朝の朝食を食べる前の血糖値で、健康診断などの時に測定する血糖値です。

「随時血糖」というのは、食事をした時間とは関係なく測定した血糖値のことです。

 

糖尿病の診断では、

  • 空腹時血糖126mg/ml以上
  • 随時血糖200mg/ml以上

が糖尿病の診断目安とされています。

 


Sponsored Link

 

随時血糖値115mg/dl以上では糖尿病の危険が高い

 

糖尿病の診断では、

  • 空腹時血糖126mg/ml以上
  • 随時血糖200mg/ml以上

が糖尿病の診断目安とされています。

 

随時血糖値で糖尿病の発症が予測できる

 

 

研究グループは、

随時血糖値が115mg/dL以上だった人は5年以内に糖尿病と診断される確率が高かった

と報告しています。

 

研究では、

糖尿病ではない退役軍人について、

  • 年3回以上 随時血糖値を測定し、
  • その後5年間 一回以上医療機関を受診した94万2,446例(平均63.4歳、男性96.1%)

について、糖尿病の発症を追跡調査したのです。

 

その結果、

5年の追跡期間中に9万4,599例(約10%)が糖尿病と診断された

のですが、

 

1年間に2回以上随時血糖値が115mg/dL以上だった人は5年以内に糖尿病と診断される確率が高かった

という結果から、

 

研究グループは、

随時血糖値で5年以内の糖尿病発症を正確に予測できたと結論しています。

 


Sponsored Link

 

まとめ

 

 

糖尿病の発症の危険因子には、

  1. 加齢
  2. 家族歴
  3. 肥満
  4. 運動不足
  5. 血糖値の上昇

などが挙げられており、

近親者に糖尿病の患者がいればあなたも糖尿病の発症のリスクが高いと思われますが、

生活習慣を改めれば糖尿病は未然に防ぐことができます。

 

国立研究開発法人 国立国際医療研究センタ-では、

3年後の糖尿病発症リスクを予測するAIシステムを開発しています。

 

血糖値がやや高いのであれば、

自分の糖尿病を予測してみたらいかがでしょうか。

 

関連記事(一部広告を含む)

 

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ