塩分の摂りすぎは高血圧になるということはもう誰でも知っていることです。
しかし、
日本人の塩分摂取量は以前に比べてかなり減ったのですが高血圧患者は増え続けているのです。
塩分の摂りすぎは高血圧になるというのは間違い
だとする説も少なくはなくいのですが、
最近、
塩分の摂りすぎは糖尿病になる
という疫学調査結果が明らかになっています。
このサイトでも山形大学の研究結果をお知らせしましたが、
先日おこなわれた欧州糖尿病学会でも、
塩分の摂りすぎは糖尿病のリスクを高める
という研究結果が発表されました。
塩分の摂りすぎは糖尿病のリスクを高める
9月11~15日にポルトガルのリスボンで第53回欧州糖尿病学会が開催されました。
欧州糖尿病学会は米国糖尿病学会と並んで世界中から2万人もの研究者が集まる国際学会です。
この学会で、
スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究グループは、
塩分の摂りすぎは糖尿病のリスクを高める
との研究成果を発表しました。
この研究はスウェーデンにおいて、
- 健康な男女1,379人(対照群)
- 2型糖尿病患者1,136人(35歳以上)
を対象に、
1日当たりの塩分摂取量を調べたのですが、
その結果、
- 食塩摂取量が6g未満の群では7.3g以上の群に比べて糖尿病のリスクが72%上昇し、
- 塩分摂取量が1g増えるごとに糖尿病のリスクが65%上昇する
ということが判明したというのです。
また、
成人してから1型糖尿病成人を発症する潜在性自己免疫性糖尿病のリスクが約2倍に上昇することも分かったというのです。
今回の研究では、食塩の摂取量がどのようなメカニズムで糖尿病を発症させるのかは明らかではありませんが、
研究グループは
食塩の摂取量が増えるとインスリン抵抗性が増し糖尿病に至のではないかと推察しています。
詳しく見る ⇒ HealthDay News
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塩分の摂りすぎは糖尿病になる
同じような研究調査は国内でもおこなわれています。
すでにこのサイトでもお知らせしていますが、
山形大学の研究グループは、
塩分摂取量が多いと高血圧だけでなく糖尿病のリスクも上昇する
という研究報告を発表ています。
詳しく見る ⇒ 塩分の摂りすぎ高血圧だけでなく糖尿病のリスクも上げる
この研究は、
山形県民約2万人を対象にした疾病の追跡調査の一環で明らかになったものですが、
- 健康診断を受けた2,100人(30~70歳代の男女)
を対象に、
- 尿分析により塩分摂取量を算出
して、
- 塩分摂取量と高血圧と糖尿病の有病率
を調べたのです。
その結果、
- 塩分摂取量が多いほど高血圧が多い
- 塩分摂取量が多いほど糖尿病が多い
ということが分かったというのです。
この研究でも、
塩分摂取量が多いほど糖尿病が多い
という関係が明らかになっただけで、
塩分の摂取量が多いとどうして糖尿病になるのかまでは分かっていません。
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塩分摂取量と高血圧の関係については、
1954年に米国のルイス・ダール医師が青森県を含む世界5地域で塩分摂取量と高血圧を調査し、塩分摂取量が多い青森県において高血圧発症率が高かったことから、塩分の摂りすぎは高血圧になるといわれたのですが、
近年は塩分摂取量が減ったにもかかわらず高血圧患者が増えていることから塩分摂取と高血圧の関係については間違いだとの説も出ているのです。
なお、塩分摂取が多いと高血圧になる理由としては、血中の塩分濃度が高くなると薄めようと血液内に水分が取り込まれて血液量が増えて血圧が上がる、など諸説あるのですが確たる根拠も明らかになっていません。
日本人の食ナトリウム(食塩相当量)の目標量は、
- 男性 9.0g/日未満
- 女性 7.5g/日未満
とされていましたが、
厚労省は2015年4月1日にさらに厳しい基準に引き上げ、
- 男性 8.0g/日未満
- 女性 7.0g/日未満
と変更しています。
インスタントラーメンの塩分量は5~6gだといわれています。
糖尿病では炭水化物の摂取量に気を付けなければならないのですが、
塩分摂取量にも気を付けてください。
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