糖尿病の良い医者を探すなら糖尿病専門医
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
糖尿病で医者に診てもらうなら良い医者に診てもらいたいものです。
あなたは糖尿病をどん医者に診てもらっていますか?
あなたの糖尿病の主治医は良い医者ですか?
そもそも、糖尿病の良い医者とはどんな医者でしょうか?
東海大学の研究グループが糖尿病専門医の診療時間を調べたところ、
- 女性の医者の診察時間が長い
- 40歳未満の医者より年齢が上がるほど診察時間が長い
ということが分かったそうです。
では、糖尿病に良い医者を探すならどうすれば良いのでしょうか?
糖尿病の良い医者は女医さん?
東海大学医学部の付属八王子病院総合内科の壁谷悠介医師らの研究グループは、
医師の糖尿病の診療状況を調査し、
- 血糖値が高い患者ほど診察時間が長い
- 女性医師では診察時間が長い
- 医師の年齢が高まるにつれて診察時間が長くなる
などが分かったと医学雑誌に発表しました。
Factors affecting consultation length in a Japanese diabetes practice.
Diabetes research and clinical practice. 2017 Apr;126;54-59.
詳しく読む ⇒ 原著論文
研究グループは、
医者と糖尿病患者の良好な関係を保つには十分な診察時間が重要だとして実際の診療における診察時間を調べたのです。
- 東京都内のある大規模糖尿病外来で、
- 2014年4~5月に22人の糖尿病専門医(男性15人、女性医師16人)が診察した、
- 糖尿病患者1,197人
を対象に、
患者の病状、診察時間、患者や医師の因子と診察時間との関連を調査したのです。
その結果、
- 全患者の平均診察時間は10.1分
- 血糖値が高い患者ほど診察時間が長い
- 肥満指数(BMI)が高い場合や低い場合には診察時間は長い
ということが分かり、
医者側の因子との関係は、
- 女性医師は診察時間が長い
- 40歳未満の医師より、40~60歳、60歳以上と年齢が高い方が診察時間が長い
ということも分かったそうです。
この成績を見ると、
糖尿病患者は、
- 糖尿病専門医を受診する
- 女医さんを受診する
- 40歳以上の医者を受診する
ということがいえそうです。
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糖尿病の良い医者を探すには
以前、TVの“ゲンキの時間”で「ドクター100人に聞いた良い医者の見分け方」が放送されました。
医者が提案した、良い医者を見つける方法は、
- 知り合いの医師から紹介してもらう
- 看護師や製薬会社のMRから評判を聞く
- 看護師や病院の勤務者に聞く
というものでした。
医療関係者の評判や意見を聞くことが一番なのでしょうが、
しかし、
知り合いの医師や、病院勤務の知り合いがいる人はそうたくさんはいません、、、。
では、どうやって病院を選べば良いのでしょうか?
製薬会社の研究所に勤務していたときには数多くの医師と会って話し合いを持っていましたし、学会にも度々参加し意見を交換する機会もありました。
また、自社のMRから話を聞くことも多かったので、私なりに纏めてみました。
大学教授が名医とは限らない
元〇〇大学の教授、
元〇〇病院の部長、
などと、クリニックや医院の看板に書いてあるのを目にします。
また、医学博士と書いてあるのも良く目にします。
これは、俺は高名だぞ!、名医だぞと自己アピールしているのでしょうか?
しかし、
元教授だったとか病院長だったとかの経歴は、良い医者選びの判断基準にはなりません。
大学の教授は教授会の選挙で選ばれますし、病院長などの役職も同じです。
教授や病院長の選考では学内の政治的な要素が大きく影響しており、選考において診療技術や手術実績などは全く考慮されないのです。
教授や病院長などの役職に就けば、大学や施設の運営に時間をとられ、実際の診療に当たる時間は非常に限られてしまい診療技術も鈍ってしまうかもしれないのです。
複数の診療科があるクリニックは名医か?
街中のクリニックで、
- 小児科
- 内科
- 胃腸器科
などと、複数の診療科を設けているクリニックも少なくありません。
医師免許があれば、麻酔科を除けば、幾つの診療科を掲げることはできるのですが、
1人の医者がせいぜい内科と皮膚科など2つの診療科を担当することは可能だとしても、
3つも4つもの診療科を持つことは「広く浅く」になってしまうのではないかと懸念されます。
博士や専門医は名医か?
〇〇博士や△△専門医という肩書がついていても名医とも限りません。
大学に研究論文を提出して審査を通過すれば博士号が授与されますが、診療技術が評価されたわけではありません。
専門医についても、その学会に所属して教育講演という発表を規定の回数だけ聴講すれば、専門医の認定をおこなっている学会が多く、専門医であればその診療科のエキスパートだという保証されるものでは有りません。
患者の話を聞いてくれる
あなたの主治医は、
- あなたに真正面から向き合い
- あなたの話を充分聞いてくれますか?
聖路加国際病院の内山伸医師は、
私は必ず患者さんに対して、真正面から向き合うようにしています。
それは、患者さんの不安をきちんと受け止めるという意志表示にもなると思うからです。
と述べています。
最近は電子カルテも普及し、パソコンの画面を見たりしながら診察をする医師が増えているのですが、患者にきちんと向き合う気持ちがある医師なら、そうはしないというのです。
内山医師は、患者が診察室に入ってくるときから注意して見ているそうですが、入ってきた瞬間の表情や動きを見て、患者の具合が判断がつくそうです。
- 患者の顔を見ている
- 患者の話を充分聞いてくれる
- 患者を良く観察している
というのが良い医者の条件です。
糖尿病では血糖値の変化だけでなく、
- 食事
- 運動
- 睡眠
は非常に重要ですから、病気の症状だけではなく生活内容にまで聞いてくれる医者が良い医者といえるのです。
薬の説明を詳しくしてくれる
糖尿病は慢性疾患ですから、
- 機械的に薬を処方する
- 長期間の処方をする
このような医者も少なくありません。
機械的に薬を出して、では4週間後にまた来てくださいと数分で診察を終えることも少なくないのですが、
良い医者とは、
- 必要最小限の薬を出す
- どうしてこの薬が必要かを説明する
- 薬の副作用を説明する
- 副作用の兆候がないかを聞いてくれる
はずなのです。
どの薬にも何らかの副作用があり、
薬が多くなればなるほど、服用期間が長ければ長くなるほど副作用が出る可能性も高くなるのです。
血糖値を下げることだけでなく、患者の体を考えれば、最小の量を最低期間服用する医者が良い医者といえるでしょう。
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糖尿病なら糖尿病専門医を受診する
日本糖尿病学会では、糖尿病専門医の制度を設けています。
内科あるいは小児科で規定の臨床経験を終了して各学会の認定医や専門医の資格を取得し、
さらに、糖尿病の専門的な研修を3年以上受けて、
専門医試験に合格すると糖尿病専門医の資格を取得することができるのです。
3年間の糖尿病研修は糖尿病学会の認定した医療施設で、糖尿病指導医の指示に従って糖尿病患者の診療に携わり、必要とされる様々な診療経験を積むことから、
糖尿病専門医は、診療技術も専門知識も非常に卓越した技量を持つのです。
糖尿病専門医の資格を得るには、
- 内科医研修(1年以上)または小児科医研修(1年以上)
- 糖尿病臨床研修(3年以上)
- 糖尿病専門医試験に合格
さらに、
- 5年ごとに認定更新のための生涯教育
を義務づけています。
毎年300名近く受験し,合格率は60~70%と難しい試験のようです。
糖尿病専門医の資格を持つ医師は、
- 内科
- 糖尿病内科
- 糖尿病科
- 内分泌代謝内科
などの診療科を掲げて糖尿病の専門的な診療を行っています。
多くの場合は、大学病院や大規模病院に勤務している糖尿病専門医が多いようですが、
クリニックで診療している専門医もいます。
あなたの近くにもいるかもしれません。
日本糖尿病学会 ⇒ 糖尿病学会の認定専門医を探す
上記のサイトで見つからなかった場合には、
糖尿病ネットワークの「糖尿病患者さんの医療機関リスト」
でも糖尿病の良い医者を探すことができますし、
ドクターズガイドでも各診療科の医師を探すことが可能です。
しかし、最も重要なことは、
- 血糖値が高いといわれたらできるだけ早く受診する
- 糖尿病だと診断されたら継続して受診する
ことが重要です。
糖尿病だと診断されても40%の人が治療を中断してしまっているのです。
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