<p>糖尿病は心臓病や脳卒中の原因だということを知っていますか?
厚生労働省の調べで、
国民の6割が糖尿病が心臓病や脳卒中の原因になるということを知らないのです。
そして、
糖尿病を患っている人の4割は糖尿病が心臓病や脳卒中の原因になることを知らない
のです。
しかしもっと重要なことは、
あなたのようにまだ糖尿病ではなく、
やや血糖値が高い人でもすでに動脈硬化が始まり心臓病や脳卒中のリスクが高まっている
のです。
これは非常に怖いことです。
今すぐに対策を始める必要があります!
糖尿病が心臓病や脳卒中の原因だということを知らない人が多い
3月27日、滋賀医科大学は、
- 糖尿病が心臓病や脳卒中を引き起こすことを知っている国民は50%以下だった
ということをプレスリリースしました。
- 日本国民は心臓病や脳卒中の危険因子についての理解が足りない
というのです。
詳しく読む ⇒ 滋賀医科大学プレスリリース
これは、滋賀医科大学アジア疫学研究センターの三浦克之センター長が代表者をつとめる厚生労働省研究班の「NIPPON DATA研究」の結果が「日本循環器病予防学会誌」に掲載されたことを受けたものですが、
NIPPON DATA研究とは、循環器病の予防に関する調査で、我が国における脳卒中、心筋梗塞、心不全など循環器病の予防方法を明らかにするための重要な調査なのです。
この調査では、
日本300地区の20歳以上の2,891人(男性1,236人、女性1,655人、平均年齢58.8歳)
を対象におこなわれたのですが、
その中で、
心臓病や脳卒中など原因について、
高血圧、糖尿病、高コレステロール、喫煙、不整脈、などが原因であるかについて質問
したところ、
これらが心臓病や脳卒中の原因だと正しく回答した人の割合は、
- 高血圧 85.8%
- 糖尿病 45.1%
- 喫煙 58.5%
- 不整脈 49.8%
- 高コレステロール血症 72.6%
- HDLコレステロール低値 38.5%
と、
糖尿病が心臓病や脳卒中の原因になると答えたのは44.9%にすぎず、
60%の人が「糖尿病は心臓病や脳卒中の原因になる」ということを知らなかったのです。
さらに、
糖尿病でありながら、糖尿病が心臓病や脳卒中の原因であると知っていたのは、
- 糖尿病の人では 67.6% しかいない
- 糖尿病でない人 41.8% しかいない
と、糖尿病でありながら3人に一人は糖尿病が心臓病や脳卒中の原因だということを知らないのです。
研究班では、
長年の啓蒙活動で心臓病や脳卒中などの患者数や死亡者数も減少してきているが、
今後は糖尿病や喫煙などの危険因子の認知度も高めていくことが重要だと述べています。
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糖尿病の高血糖が心臓病や脳卒中を引き起こす
心臓病も脳卒中も、血管の傷害による疾患です。
狭心症や心筋梗塞に代表される心臓病は、心臓の心筋に酸素や栄養素を送る冠状血管が詰まったり、最悪の場合には破綻して心臓が機能不全におちいる病気です。
脳卒中も、脳の血管が詰まって梗塞を起こし、脳の一部が機能しなくなる病気です。
心臓病や脳卒中は糖尿病の合併症
心臓病にも脳卒中にも幾つも原因がありますが、糖尿病も大きな原因の1つなのです。
血糖値が高い状態が長い期間続くと、血管壁が障害され、血流も悪くなります。
これにより、さまざまな合併症が起こりるのですが、
細い血管が傷害されれば、
- 糖尿病神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
などの合併症がおこり、
太い血管が傷害されれば、
- 心筋梗塞、狭心症
- 脳卒中
が引き起こされるのです。
糖尿病の人は糖尿病でない人に比べて、
- 心筋梗塞のリスクが2~4倍高い
- 脳梗塞のリスクが2~3倍高い
ことが分かっています。
アメリカでは糖尿病患者の約70%が心筋梗塞や脳卒中などで死亡しているといわれています。
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糖尿病予備群でも血管の傷害が始まっている
血糖値がやや高いだけだからまだ大丈夫だ!と安心してはいけません。
糖尿病の前の糖尿病予備群は血糖値の値がまださほど高くないのですが、
糖尿病予備群のときから血管の障害が始まっているのです。
詳しく読む ⇒ 糖尿病予備群でも寿命が短い
糖尿病予備群の間にも血管が傷害され、
糖尿病だと診断され血糖コントロールが悪ければ5年で糖尿病神経障害が起きるといわれています。
しかし、糖尿病患者の多くでは、
- 健康診断で血糖値が高いといわれても医療機関を受診しない
- 糖尿病だと診断されても4割の患者は治療をやめてしまう
といわれており、
気が付いた時には重度の糖尿病合併症というケースが多いのです。
そして、
脳梗塞患者の50%、心筋梗塞患者の30%が糖尿病を患っているという研究報告もあり、
脳梗塞や心筋梗塞だと診断されてから糖尿病に気付くことも希ではないのです。
脳梗塞や心筋梗塞の発作は、
- 最初にして最後の発作
とも言われています。
その理由は、
1回目の発作で死亡することが多く2回目はないからです。
傷害された血管を元に戻す治療法はありません。
血管の傷害を防ぐには血糖値のコントロールを確実におこなうことだけです。
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