ふくらはぎのこむら返りは糖尿病の初期症状なのか?
夜寝ていたらふくらはぎがつって痛みで目を覚ました!という経験はありませんか?
こむら返りはふくらはぎの腓腹筋の異常収縮によるものです。
こむら返りの原因には、
- 筋肉の疲労
- ミネラルバランスの異常
- 血液循環の異常
などさまざまな原因があります。
しかし、
就寝中に明け方にこむら返りが起きる
ということは糖尿病神経障害の初期症状かもしれません。
こむら返りとは
あなたは、
- 朝寝坊をして会社に遅刻しそうになって、駅まで走ったら足がつってしまった!
- 夜寝ていたらふくらはぎがつって痛みで目を覚ました!
という経験はありませんか?
足のふくらはぎの筋肉が突然に収縮したり、痙攣(けいれん)を起こしたりした経験は誰でも持っていると思います。
こむらがえりとは
こむらがえりとは、感じでは腓返りと書きます。
腓(こむら)とは、「ふくらはぎ」のことで、ふくらはぎの筋肉は腓腹筋(ひふくきん)といいます。
こむらがえりは、ひふくきんの痙攣の総称で、「足がつる」とも表現されますが、つるは痙攣の攣の音読みです。
こむら返りなどの筋肉の意識しない痙攣は、単なる収縮ではなく、強直性収縮といわれる持続的な筋肉の攣縮です。
経験が有ると思いますが、こむら返りを起こしたふくらはぎは硬く収縮して、筋肉の一部が硬く膨れ上がるほど収縮します。
こむら返りは、
- 激しい運動の後
- 水泳後
- 睡眠中
などで見られ、睡眠中のこむら返りは眠気が吹き飛ぶほどの激痛を伴います。
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こむら返りの原因は、
足がつる原因、すなわち、筋肉の痙攣の原因は、
- 筋肉の疲労
- ミネラルバランスの乱れ
- 冷えによる血行不良
- 病気
などさまざまな原因があります。
筋肉の収縮は、筋肉に存在するカルシウムイオンの濃度の変化によってコントロールされています。
筋肉には大量のカルシウムが蓄えられており、カルシウムイオンが放出されることで筋収縮のスイッチが入り、カルシウムイオンが取り込まれることで弛緩が始まるのです。
したがって、
栄養の偏りなどにより、血中のカルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルバランスの乱れはこむら返りの原因になるのです。
睡眠中に起こるこむら返りの原因
睡眠中にふくらはぎにこむら返りが起きるのは、急激な運動をした後の筋肉の疲労により足がつる時とは異なる原因があると考えられています。
睡眠中のこむら返りの一番の原因は、血流の低下だといわれています。
筋肉が冷えて足の血流が低下し、筋肉も冷えて収縮しやすくなるのです。
夏季に冷房をつけっぱなしで寝たり、布団をかけずに寝たりすると、筋肉が冷えて血行不良になり足がつりやすくなります。
こむら返りは病気によっても起きる
腰椎や脊椎の中の神経が通の道である脊柱管が狭くなり神経が圧迫される脊柱管狭窄症ではこむら返りが起きやすく、7割以上の患者でこむら返りが起きるといわれています。
脊柱管狭窄症ではこむら返りの他に、足のしびれや背部、腰部の痛みも伴います。
同じような整形外科関連の疾患では、椎間板ヘルニアでもこむら返りがみられます。
そのほか、
甲状腺機能低下症などの甲状腺機能に障害が起きる病気では甲状腺ホルモンの変化によりミネラルバランスに異常が起き、こむら返りが起きやすくなります。
そのほかに、肝臓病、動脈硬化などにおいてもこむら返りの頻度が高まります。
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こむら返りは糖尿病の初期症状
じつは、糖尿病や糖尿病予備群でもこむら返りが起きやすいのです。
糖尿病患者の35%がこむら返りの症状を訴えるといわれています。
糖尿病予備群や糖尿病の初期には血糖値が高いだけでほとんど自覚症状がないのですが、
高血糖が長く続くことで、全身の血管壁がひそかにダメージを受けているのです。
そして、あなたもご存じのように、
- 糖尿病神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
という、糖尿病の三大合併症が発症することになります。
糖尿病神経障害は、三大合併症の中で最も早く現れる合併症です。
糖尿病神経障害は、足の毛細血管が傷害され足の隅々まで血液が行き渡らなくなります。
神経細胞は高血糖と血液循環の不良により二重のダメージを受けるのです。
糖尿病神経障害の初期症状は、
- 足先がジンジンスル
- 足先がムズ痒い
などの軽度なものですが、
やがて、
- 足先の知覚を失い
傷などを受けても痛みを感じず、
- 血行障害
- 知覚障害
- 免疫力の低下
などが相まって、
傷 → 壊死 → 壊疽 → 足切断
と進んでしまうのです。
糖尿病神経障害がもとで足切断にいたる人は年間に2万人もいるといわれています。
さて、糖尿病神経障害の初期症状には、
- 足先がジンジンする
- 足先がムズ痒い
のほかに、こむら返りがあるのです。
糖尿病神経障害では神経系の乱れに加えて、
糖代謝異常にともなう
- 筋肉疲労
- ネラル不足
なども加わり、筋肉が異常収縮を起こしてしまうのです。
糖尿病の神経障害によるこむら返りは、急に筋肉を使ったときではなく、
就寝中などの安静時に起こりやすいという特徴があります。
- 血糖値が高い
- 就寝中にこむら返りが起きる
ということであれば、糖尿病神経障害の可能性もあるのです。
こむら返りは激痛がともなうことが多いので、まずは体の力を抜いてリラックスする必要があります。
こむら返りを起こしたふくらはぎの部位を揉んだり強くさするのはいけません。
ゆっくりと足を伸ばし、指先を手前に向けれ足裏を反らせるようにしてください。
横になったままではなく、少し前かがみの姿勢でおこなえば痛みが軽減してやりやすくなります。
しかし、
こむら返りは誰にでも起こるなどどと軽視せず、
- 血糖値が高い
- 就寝中に起こる
という場合には糖尿病神経障害の可能性もあることから医療機関を受診してください。
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