酸性食品で糖尿病のリスクが上がる
食事内容で糖尿病の発症リスクが異なります。
炭水化物が多いと糖尿病のリスクが高くなることは貴方もご存じだと思いますが、
酸性食品は糖尿病のリスクを上げることをご存じですか?
酸性食品で男性の糖尿病のリスクが上がる
国立がん研究センターでは、
日本人男性では食事の酸性度が強まるほど糖尿病の発症リスクが上昇する
という論文を発表しました。
High Dietary Acid Load Score Is Associated with Increased Risk of Type 2 Diabetes in Japanese Men: The Japan Public Health Center-based Prospective Study.
原著論文 ⇒ http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27052540
国立がん研究センターでは、生活習慣と、がん、脳卒中、糖尿病などの病気との関係を明らかにして、生活習慣病予防や健康寿命の延伸に寄与する研究を行っているのですが、この度、食事の酸塩基バランスと糖尿病発症との関連についての研究成果を発表しました。
食事の酸性度に関する研究では、
- アメリカの研究では、食事の酸性度が高いほど糖尿病発症のリスクが上昇する
- スウェーデンでの高齢者対象にした研究では、食事の酸性度と糖尿病発症には関連がない
という異なった結果が得られているため、国立がん研究センターでは、食事の酸性度と糖尿病発症のリスクは年齢によって異なるかを、日本人を対象にして調査したのです。
研究では、1990年と1993年に、岩手県二戸、長野県佐久、沖縄県中部、東京都葛飾区、大阪府吹田、長崎県上五島、沖縄県宮古、など11保健所管内に住む
- 45~75歳で、糖尿病、がん、循環器疾患に罹患していない、
- 男女6万4,000人を、
- 食事の酸塩基バランスと糖尿病との関連を、
- 5年間追跡
したのです。
5年間の追跡期間中に、
- 男性では691人が糖尿病を発症
- 女性では500人が糖尿病を発症
したのですが、
食事の酸性度と糖尿病発症について調べたところ、
- 男性では食事の酸性度が高いほど糖尿病発症のリスクが上昇傾向
- 酸性度が最も高い群では最も低い群より糖尿病のリスクが約25%高い
女性では酸塩基バランススコアと糖尿病発症との関連はみられませんでしたが、研究グループは、女性では男性に比べて野菜や果物の摂取量が多いため、全体的に食事の酸性度が低かったからではないかとコメントしています。
酸性食品は女性でも糖尿病のリスクを上げる
国立がん研究センターの今回の発表では、女性においては食事の酸性度と糖尿病発症のリスクに有意な関係は見られなかったのですが、フランスの国立保健医学研究機構の研究グループは、
酸性食品を多く食べる女性では糖尿病のリスクが上がる
と報告しており、女性も安心しているわけには行きません。
Une alimentation acide augmente le risque de diabete
http://www.topsante.com/medecine/maladies-chroniques/diabete/prevenir/une-alimentation-acide-augmente-le-risque-de-diabete-50207
この研究では、
6万人以上の女性を14年間追跡調査
するというy膨大な規模の調査です。
14年間で1372人が糖尿病を発症したそうですが、
酸性食品を多く摂っていた女性はアルカリ性食品を多く摂ていた女性より糖尿病のリスクが56%も高い
という結果が得られているのです。
さらに、
標準的体形で酸性食品を多く摂っていた女性では糖尿病のリスクが96%上昇
していたのだそうです。
酸性食品が多いやや肥満型の女性では糖尿病のリスクが28%しか上昇していなかったのですが、肥満傾向の女性ではもともと糖尿病のリスクが高かったからだと解析しています。
- 痩せている女性
- 酸性食品を多く食べている女性
では、糖尿病に充分気を付ける必要があるということです。
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糖尿病のリスクを上げる酸性食品とは
食品の酸性度、アルカリ度というのはどういうことでしょうか?
食品の、「酸性食品」、「アルカリ性食品」というのは、食品そのものが「酸性」か「アルカリ性」かではなく、
食品に含まれるミネラルが酸性かアルカリ性か
で決められます。
食品の酸性、アルカリ性の具体的な測定方法は、食品を燃やした灰を水に溶かし、その水溶液のpHを測定するのです。
アルカリ性を示すミネラル
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
酸性を示すミネラル
- 塩素
- リン
- 硫黄
ですから、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを多く含む食品をたくさん摂るように心掛ければ良いのです。
具体的食品としては、
アルカリ性食品
- 野菜(ほうれん草、ゴボウ、サツマイモ、ニンジン、里芋等)
- 豆類
- キノコ類(キノコ、干し椎茸)
- 海藻(ひじき、ワカメ、昆布)
- 果物(メロン等)
酸性食品
- 肉類(豚肉、牛肉、鶏肉)
- 魚類
- 穀類(米)
- 卵
- 砂糖
アルカリ性食品、酸性食品を比べてみると何か気づきませんか?
そうです、野菜や根菜類、そして魚類を中心にした日本古来の伝統食はアルカリ性フォスファターゼ活性性食品が多いのです。
逆に、高タンパク高脂肪に偏りがちな欧米化した食生活では酸性食品がおおいのです。
食事の西洋化にともなって糖尿病が増えたということは食事の酸性化にもよるのかも知れません。
バランスが重要
私達の血液は、およそpH7.35~7.45に保たれており、弱アルカリ性です。
酸性食品ばかり、あるいはアルカリ性食品ばかりを摂ったからといって、pH値が酸性あるいはアルカリ性傾くことはまずありません。
しかし、酸性食品を多く摂りすぎると酸性に傾いたpH値をアルカリ性の戻すために、骨に含まれるアルカリ成分であるカルシウムを溶出するので、骨が弱くなったり、 尿も酸性に傾くので結石や通風の原因になるといわれています。
アルカリ性食品が良いと言って肉や魚を避けて野菜ばかり食べても健康は保たれません。
糖尿病に良い食事には様々な方法が提唱されていますので、貴方に合った食事法を選んでください。
糖尿病の食事法は健康食、長寿食です。
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