男性の更年期障害では糖尿病になりやすい
更年期障害というと女性ばかりと思っていませんか?。
男性にも更年期障害があり、様々な不快な症状が現れます。
男性の更年期障害では糖尿病も起きやすくなるのです。
男性の更年期障害とは
女性と同様に男性にも更年期障害があります。
男性では女性ほど急激な変化がないため、かつては見逃されていたのですが最近は病気としてとらえられています。
更年期障害とは、加齢に伴ってホルモンのバランスが乱れ、身体や精神に不調をきたすことをいい、医学的には自律神経失調症の一つとしてとらえられています。
更年期とは、女性の場合では卵巣の機能が徐々に衰え、女性ホルモンの分泌が急激に減少し閉経(毎月の生理がなくなること)する前後の期間をいいます。
日本人の閉経年齢は49歳といわれていますから、人によって異なりますが、更年期は45歳頃から55歳頃までの期間に相当します。
男性でも睾丸から分泌される男性ホルモン(テストステロン)の量は加齢に伴って減少します。
男性の場合には、男性ホルモンの低下が、上に示した女性におけるエストロゲンの急激な低下に比べて穏やかであることから、女性に比べて大きな変化が現れにくく、男性更年期障害という概念が認識されにくいのです。
しかし、男性においてもテストステロンのて以下に伴う影響に加え、加齢の影響、社会的ストレスの影響をも加味して、加齢男性性腺機能低下症候群(LOH:Late Onset Hypogonadism syndrome)という概念で考えられています。
男性の更年期障害の症状
男性の更年期障害(加齢男性性腺機能低下症候群)で見られる症状には下記のようなものがあります。
精神的症状 | うつ症状、仕事が辛い、集中力がない、やる気が無い、だるい、楽しくない、 イライラする |
身体的症状 | 疲労感、不眠、肩こり、筋肉痛、頻尿、手足の冷え、多汗、ほてり、のぼせ、 多汗 |
性機能の低下 | 性欲がない、朝勃がない、勃起しない |
などです。
男性の更年期障害を診断する方法としてチェックリストがあり、各項目に5段階で答えて、その点数で診断するのです。
- 調子が悪い
- 筋肉や関節の痛みがある
- 睡眠上に問題がある
- 良く汗をかく
- 良く眠くなり疲れを感じる
- イライラする
- 怒りやすく神経質になった
- 不安感がある
- 活動力が低下した
- 筋力が落ちた
- 憂鬱な気分になる
- 絶頂期は過ぎたと感じる
- 力尽きてどん底にいる気分
- ヒゲや体毛の伸びが悪くなった
- 性的な能力が低下した
- 朝勃が少なくなった
- 性欲が低下した
この17項目について、
- なし (1点)
- 軽い (2点)
- 中程度 (3点)
- 重い (4点)
- 非常に重い (5点)
の5段階で評価し、
40歳以上で、合計点数27点以上であれば、更年期障害(加齢男性性腺機能低下症候群)であることが疑われます。
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男性更年期障害では糖尿病になりやすい
男性更年期障害では上に上げた症状に加えて、脂質異常症、高血圧、痛風(高尿酸血症)などの成人病の進行を早めますが、糖尿病もその例外ではありません。
特に、血糖値がやや高めの糖尿病予備軍では血糖値が悪化(上昇)し、糖尿病に移行することがしばしば認められます。
その原因としては、
- 気力や行動力の低下により運動量が減少
- 筋肉量の減少により基礎代謝が低下
- 男性ホルモンの血糖コントロール作用が低下
と考えられています。
男性ホルモンの低下による活動量の低下や基礎代謝量の低下が血糖の消費を低下させ、血糖値が高くなると考えられているのです。
また、このサイトでも以前に書きましたように、糖尿病患者ではDE症状が見られます。
詳しく見る ⇒ 糖尿病ではEDが多い
糖代謝機能が低下している男性や糖尿病の男性では、男性ホルモンである、血中の総テストステロンが低い傾向があることが研究報告で明らかになっています。
この背景には、男性ホルモンから女性ホルモンに変換するアロマターゼという酵素や、糖化も関わっているのではないかと考えられていますが、詳しいメカニズムはまだ分かっていませんが、血糖値が高い状態ではテストステロンの分泌量が減ることが明らかになっています。
また、メタボリックシンドロームの特徴である内臓脂肪型肥満(おなかがぽっこり出た肥満)ではテストステロンの分泌量減少が明らかになっています。
指摘されています。糖尿病の患者さんは、メタボリックシンドロームに該当することが多く、それによるテストステロン分泌への影響も考えられま
毎年の健康診断で血糖値が高めであると指摘されている人は年1回の健康診断だけではなく、少なくても6ヵ月に1回は血糖値の測定をすることが薦められます。
男性更年期障害で糖尿病を防ぐには
加齢は誰にも止めることはできませんが、
- 不規則な生活
- 過労
- 睡眠不足
- 過度な飲酒
- 喫煙
は男性ホルモンを減少させる要因です。
最近では、60歳以上の年代よりも、40~50歳代の方が男性ホルモンの分泌量が低下しているとの報告もあり、規則正しい生活を送ることが第一です。
が少ないというショッキングなデータも報告されています。
女性の更年期障害ではエストロゲンを補充するホルモン補充療法が行われます。
男性でもテストステロン補充療法がありますが、余りお薦めできません。
性的機能を蘇らせるだけであれば、バイアグラなどの勃起機能不全治療薬の服薬という方法もありますが、糖尿病患者ではバイアグラが効かないと報告されています。
詳しく見る ⇒ 糖尿病患のEDではバイアグラが効かない
糖尿病を防ぐには食生活の改善
今日、ここまで糖尿病が増えた背景には食生活の変化が大きな要因であることは間違いありません。
食生活の変化に、生活環境の変化による運動不足、仕事の多忙やストレスなどの要因が加わってここまで糖尿病の人口が増加したのです。
このサイトでは、糖尿病を防ぐための食生活の改善を常に説いてきているのですが、多忙な現代社会では食生活を改善することは容易ではありません。
しかし、
- 炭水化物の摂取量を減らす
- ファストフードの摂取量を減らす
などのことは決して不可能なことではありません。
できないのは、貴男が努力しないからです。
どうしても守れないときには、 白井田七人参、菊芋などのサプリメントを有効に活用することも可能ですが、できるだけそれらに頼らず、自分の食生活を根本から見直してみてください。
糖尿病の食事療法は病人食ではありません
糖尿病の食事療法は健康食、長寿食なのです
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