臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
目次
はじめに
秋はジャガイモが美味しい季節です。
ジャガイモは炭水化物が多いから糖尿病に良くないのでは、、
ジャガイモは太るから糖尿病に良くないのでは、、
と思っている方が多いようなのですが、
ジャガイモは糖尿病に良い食べものなのです。
ジャガイモは糖尿病や癌の予防に効果があるのです。
ジャガイモは糖尿病に良い食べもの
秋はジャガイモが美味しい季節です。
しかし、ジャガイモは美味しいけど、
- 太りやすいから糖尿病に良くない
- 炭水化物が多いから糖尿病に良くない
というイメージを持っているヒトが多く、
食べたいけど我慢している
というヒトも多いようです。
しかし、
ジャガイモは食べ方を工夫すれば糖尿病や癌の予防効果が期待できる栄養価の高い食品
なのです。
皮ごと食べればジャガイモを糖尿病に良い
血糖値が気になるヒトや、糖尿病のヒトにとってもジャガイモは良い食べ物ですが、一つだけ食べ方のコツがあります。
ジャガイモは皮も一緒に食べてください!
ジャガイモの皮にはクロロゲン酸という成分が含まれており、
クロロゲン酸を多く摂ると、糖尿病の危険率が通常の半分以下になる
ことが分かっています。
ジャガイモの皮に含まれるクロロゲン酸は糖の吸収をが穏やかに抑えるのです。
クロロゲン酸はジャガイモの皮に多く含まれていることから、ジャガイモの糖尿病予防効果を高めるには皮ごと食べることが重要なポイントです。
クロロゲン酸は水溶性で茹でると水に溶け出てしまうため、
ジャガイモは電子レンジで調理するほうがクロロゲン酸を多く摂ることができます。
忙しい朝などは電子レンジでチンしたジャガバターに牛乳などは手軽で非常に効果的な食べ方です。
ジャガイモは白飯やサツマイモより糖尿病に良い
ジャガイモはでん粉が多く、たくさん食べると太ると思われていますが、ジャガイモ100gのカロリーは72kcalで白飯145kcalの半分なのです。
また、炭水化物(糖質)も17%程度で、白飯やサツマイモより低いのです。
さらに、ジャガイモは食物繊維が多いので白飯よりもゆっくりと消化されますので、白飯のように食後血糖値を急激に上昇させることもありませんから、糖尿病のかたの主食には白飯よりジャガイモの方が良いのです。
また、同じイモでも、ジャガイモはサツマイモよりもエネルギーが低く、炭水化物(糖質)の量も少ないのです。
ジャガイモ | サツマイモ | |
エネルギー | 76kcal | 132kcal |
炭水化物 | 17.6g | 31.5g |
蛋白質 | 1.6g | 1.2g |
脂質 | 0.1g | 0.2g |
カルシウム | 3mg | 40mg |
鉄 | 0.4mg | 0.7mg |
レチノール | 0μg | 2μg |
ビタミンB1 | 0.09mg | 0.11mg |
ビタミンC | 35mg | 29mg |
食物繊維 | 1.3g | 2.3g |
ジャガイモには白飯にはないビタミンCも多く、ビタミンC不足ではインスリン産生量が低下するという報告もあり血糖値が気になる方は積極的にジャガイモを食べてください。
良いことずくめのジャガイモですが、ジャガイモの泣きどころは、白米などの穀類に比べて蛋白質の量が少ないので、蛋白質の多い食品と組合せて食べるように心掛けてください。
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ジャガイモのクロロゲン酸とは
さて、糖尿病や癌の予防に良いと言われるクロロゲン酸(chlorogenic acid)に話を戻しましょう。
クロロゲン酸とは、3-カフェオイルキナ酸 (3-caffeoylquinic acid) とも呼ばれ、コーヒー豆から初めて単離された物質です。
クロロゲン酸はコーヒー豆に多く含まれている成分で、コーヒー豆には 5~10% も含まれ、カフェイン (1~2%) よりも多く含まれており、コーヒーの健康成分としてカフェインとともに注目されている成分です。
詳しく見る ⇒ コーヒーは糖尿病の予防に良い
コーヒー豆から初めて単離された物質なのですが、現在では多くの双子葉植物の種子や葉などにも含まれていることが明らかになっていますが、クロロゲン酸が多く含まれる食品は、
- コーヒー豆
- じゃがいも
- さつまいも
- りんご
- ごぼう
などの多く含まれていることが分かっています。
クロロゲン酸の健康効果
クロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で、
- 抗酸化作用
- 血糖上昇抑制作用
があるのです。
カレイやストレスや喫煙、さらには紫外線などにさらされると、体内の活性酸素量が増え、老化や様々な疾患の原因になるのです。
活性酸素は、体の細胞や組織を酸化させ、ダメージを与えるのです。
詳しく見る ⇒ 活性酸素は糖尿病の原因
活性酸素による酸化とは油や鉄が酸素にさらされて、サビつくこととよく似た現象なのです。
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、抗酸化作用があり、活性酸素によるダメージから身を守る効果があるのです。
活性酸素の蓄積は癌の原因にもなることから、クロロゲンの抗酸化作用は癌予防の効果も期待出来るのです。
さたには、近年ではクロロゲン酸が脂肪の蓄積を抑える働きにも注目が集まっており、ダイエット時のサポート食品の素材などとして利用されています。
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、主にコーヒー豆やじゃがいも等に含まれていますが、抗酸化作用や脂肪の蓄積を抑える効果などが知られており、糖尿病や肥満の予防のためのサプリメントなどに利用されています。
- 糖尿病の予防効果
- ダイエット効果
- 脂肪肝の予防効果
クロロゲン酸は血糖の上昇を抑える作用がある
ジャガイモの皮に含まれるクロロゲン酸には、マルトースをグルコースに分解する酵素であるα-グルコシダーゼを阻害する活性が認められています。
クロロゲン酸の血糖抑制作用は、ラットにおいて食後血糖値の上昇を抑制することが立証されています。
炭水化物はα-グルコシダーゼ(α-GI)によって、二糖類から単糖類(ブドウ糖)に分解されて血中に吸収されて血糖を上昇させるのですが、クロロゲン酸はα-グルコシダーゼを抑制するため、二糖類は単糖類に変えられないことから血糖を上昇させないのです。
α-グルコシダーゼ阻害活性は糖尿病の治療薬になっています。
グルコバイ、ベイスン、セイブルなどの薬は、α-グルコシダーゼ阻害薬です。
ジャガイモは糖尿病に良い食べものです
ジャガイモは糖尿病に良い食べものです。
- 活性酸素を除去する
- 血糖値の上昇を抑える
からです。
活性酸素を除去するとして最近話題なのが、あずき(小豆)です。
詳しく見る ⇒ あずきは糖尿病の血糖値を下げる
あずきとカボチャの煮物は血糖値が気になる方にはお薦めの料理ですが、
ジャガイモとゆで小豆のごまみそ和えもお薦めです。
作り方は簡単
- ジャガイモを皮つきのまま約20分蒸す
- 一晩水に漬けたあずきを柔らかくなるまで水煮する
- 白ごまをすり鉢でを軽く擦り、みそ、みりんと混ぜて和え衣を作る
- じゃがいもに火が通ったら、食べやすい大きさに切る
- ジャガイモとゆで小豆をの和え衣で和える
ただし、食べ過ぎにはご注意ください。
炭水化物の摂り過ぎが糖尿病の大きな原因の一つなのです。
その他の糖尿病に良い食べものは、菊芋やトマトのリコピンに注目です。
詳しく見る ⇒ 菊芋の糖尿病に対する効果とは?
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