糖尿病の血糖値を下げる食事のコツ

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。

 

はじめに

糖尿病の食事療法なんてめんどくさい!

薬を飲めば良いんじゃないかとお思いでしょう?

 しかし、糖尿病には治療薬が無いのです

薬を飲めば血糖値が下がるじゃないか!ですって?

薬を飲めば血糖値は下がりますが薬をやめれば血糖値はまた上がってしまいます

 

血糖低下薬は糖尿病治療薬ではないのです。

すから、糖尿病は食事療法で治すより方法が無いのです。

 

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どうして食事療法なのか

糖尿病になったら食事療法だ、といわれるのですが、どうして食事療法なのでしょう。

糖尿病は病気なのですから、薬を飲めば良いのではないかと思われるのが当然です。

 

糖尿病には治療薬が無いのです。 糖尿病になれば、医者は薬を処方してくれますが、その薬は「血糖低下薬」で、一時的に血糖値を下げることができるのですが、服用を中止すれば血糖値は再び上がってしまうのです。

 

現在、糖尿病を根治する薬はないのです。

 

食事療法は、薬を飲むわけでもなくお金もかからないため軽視されがちですが、一番効果があり、またほかの治療法の効果も助ける、もっとも基本になる重要な治療法です。

糖尿病を根治する治療法がない現在、糖尿病の治療の最大の目的は合併症を予防することです。

高血糖が長く続くと、例外なく、確実に糖尿病性合併症が起こります。

しかし、食事療法をきちんとおこない、血糖値を低い状態に保てば、糖尿病性神経障害による脚の切断、糖尿病性網膜症による失明、糖尿病性腎症による人工透析などの最悪の状態から回避できるのです。

 

糖尿病の合併症が怖い

 

日本人の糖尿病の95%は2型糖尿病ですが、2型糖尿病の患者のほとんどに人は食事療法だけで高血糖状態を改善することができるのです。

血糖低下薬を服用している人や、インスリン注射をしているヒトも食事療法ができていないと治療効果は上がりません。

食事療法は糖尿病治療の基本なのです。 

 

食事療法とは何か

食事療法といっても、腎臓病やその他の内臓性疾患と違って、特別な食事があるわけではありません。

  1. 1日の摂取エネルギー量を守ること
  2. 炭水化物、蛋白質、脂質の三大栄養素をバランスよく摂ること

この2つだけです。 食事回数を減らしたり、炭水化物を摂ってはダメとかの制限もありません。

 

糖尿病予備軍のあなたは、食べ過ぎている可能性が非常に高いのです。

かつては、痩せた糖尿病患者が多かったのだそうですが、最近の糖尿病患者は肥満の人が多いそうで、糖尿病は生活習慣病だと言われる所以です。

  1. 食べ過ぎ
  2. 高血糖
  3. インスリン分泌が亢進
  4. インスリンへの反応性低下
  5. インスリンの分泌が枯渇

という図式で糖尿病が増悪していくのです。 糖尿病の食事療法は、あなたの今までの食事の偏りを改め、健康的な食事に変えることが目的なのです。

この食事療法は、糖尿病に有効であると同時に、生活習慣病を予防し、長寿のための食事法でもあるのです。

 


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食事療法のコツ

糖尿病の食事療法の基本は、

  1. 1日の摂取エネルギー量を守ること
  2. 炭水化物、蛋白質、脂質の三大栄養素をバランスよく摂ること

この2つを守るだけで、その他の制限はありませんが、より効果的な食事療法にするためには、いくつかのコツがあります。

 

食事時間は規則正しく3食を摂る

朝、昼、晩と規則正しく食べてください。朝食を抜いたり、昼食を抜いて食事回数を1日1回や2回にすることは逆効果です。

まとめて大量に食べたりすることは、急激に血糖値が上昇し、膵臓に負担をかけることになります。

 

仕事などで規則的な食事ができない場合や、残業で夕食が遅くなるときなどは間食を摂ることも可能です。

その場合には、夕食の量を少し減らすなど、1日の総エネルギー量を守るようにすることが必要です。

ゆっくり、よく噛んで食べる 食事の進行に伴って血糖値が上昇し、血糖の上昇が脳に伝わることによって満腹感が感じられるのです。

急いで食べると満腹感がなかなか得られず、食べ過ぎてしまう原因になります。

 

良く噛んで食べることは消化にも良く、咀嚼による歯のかみ合わせによる物理的刺激が脳に伝わり、痴呆症の予防になるという研究報告もあります。

 

食品の種類を多く、バランスよく

血糖値の上昇の原因となる炭水化物なるべく控え、食品の種類をできるだけ多く、栄養素が偏らないようにする必要があります。

脂質、蛋白質、炭水化物の三大栄養素の比率も非常に大切です。

PFCパランスを考えてください。

PFCとはP:Protein(蛋白質)、F:Fat(脂質)、C:Carbohydrate(炭水化物)の頭文字です。

 

PFCバランスが重要

健康的な食事の理想的PFCバランスは、『蛋白質15%、脂質は25%、炭水化物は60%』だといわれています。

 

 脂質と塩分は控えめに

糖尿病に限らず、だれにでもいえることですが、脂質が多い食品をは高脂血症となり動脈硬化になるリスクがあります。

また、コレステロールや飽和脂肪酸が多い食品は控えめにする必要があります。

外食やファストフードではこの傾向が高いのでファストフードの摂りすぎは要注意です。

食塩の摂りすぎは高血圧の原因や腎症や網膜症をなど糖尿病性合併が進行する危険があります。

味付けは薄くして、食塩の量を減らすよう努力してください。理想的な食塩量は1日6g以下です。

 

食物繊維をたくさん摂る

野菜、海藻、きのこには食物繊維を多く含むものは、食物の消化吸収を穏やかにして、血糖値の急激な上昇をおさえ、さらに空腹感をおさえる効果もあることから、積極的にとるようにしてください。

また、食事の始めに食物繊維を含んだ食品を食べることにより一層効果が高くなります。

食物繊維を多く含む食品は1日350gが目標です。

栄養バランスピラミッド

外食での注意

お昼は外食という方が多いと思います。

外食では一般的に『カロリーが高い』、『塩分や糖分が多い』、『野菜やミネラルが不足』の傾向があります。

また、「ラーメン+ライス」や「うどん+いなり寿司」などでは炭水化物の摂りすぎになります。

揚げ物が多いときには衣を残す、量が多ければ残す、丼物を避け定食メニューを選ぶなどの工夫が必要です。

丼物やカレーなどの場合には、みそ汁をつける、サラダを添えるなどで栄養素のバランスが大きく補正できます。

 


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市販のプログラムを利用するのがお薦め

食事療法が続かないのは、

  1. カロリー計算が面倒
  2. 食品交換表が難しい
  3. 献立を考えるのが面倒

という理由からです。

 

自分の必要カロリーが分かっていても、

  • どれをどれだけ食べれば良いのか?
  • どれだけ食べればカロリーオーバーになってしまうのか?
  • この食事は何カロリーあるのか?

などを常に考えるのは非常に煩わしいものです。

 

糖尿病や糖尿病予備軍の家族を持つ家庭で台所を預かる主婦は、

  • どんな食材をどれだけ使えば良いのか、、、?
  • どんな献立にすれば美味しいと言って貰えるのか、、、?

毎日が悩ましいことと思います。

 

そんなときには、市販の食事療法プログラムを使ってみるのがお薦めです。

本やテキスト、DVDなどたくさんの糖尿病食事療法プログラムが市販されていますが、具体的に献立が記載されている教材が便利です。

教材に沿って、半月~1ヵ月続けてみれば諸記事療法のコツが掴めます。

食事療法はそんなに厳密で無くても良いのです。

例えば1回や2回くらいカロリーオーバーしても、1回や2回くらい炭水化物を摂り過ぎても問題は有りません。

肝心なことは「続けること」です。

 

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