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スタンダード糖質制限食のやり方

今日もご覧になっていただきありがとうございます

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

糖質制限が非常に脚光を浴びています。

糖質制限では、

  • 確実に減量できる
  • 確実に血糖値が下がる

からです。

では、スタンダード糖質制限食のやり方をご存じですか?

スタンダード糖質制限食をすると血糖値は直ぐに下がります。

血糖値を上げているのは糖質だからです。

あなたもスタンダード糖質制限食のやり方をマスターしてみませんか?

 

 

スタンダード糖質制限食とは

最近は、糖質制限という言葉をよく聞きますね。

書店にはたくさんの糖質制限に関する本が並んでいますし、テレビの健康関係の番組でもしばしば糖質制限の特集が組まれています。

 

YouTubeで見る ⇒ 主治医が見つかる診療所・糖質制限ダイエット

 

糖質制限食を国内で最も早く提唱したのは、京都・高雄病院の江部康二医師です。

糖質制限食は、1972にアメリカの Robert Atkinsが、「 Dr. Atkins Diet Revolution」 という本でlow-carbohydrate dietsを紹介したのが始まりと言われ、1990年にさらに改訂版を出して広く知られることになりました。

  詳しく見る ⇒ Low-carbohydrate diet

 

国内では、高雄病院の江部康二医師が自らの糖尿病を糖質制限食で改善した経験をもとに市、実際に自分の病院で糖尿病患者への治療法として実施しているのですが、スタンダード糖質制限食は高雄病院で実際に実施している食事療法のプログラムなのです。

 

江部氏は、糖質制限に関する著書も多いので書店で目にした方も多いと思いますが、このサイトでも紹介していますのでご参考下し。

      詳しく見る ⇒ 糖質制限で糖尿病の血糖値下がる

 

 

スタンダード糖質制限食のやり方

スタンダード糖質制限食のやり方は非常に簡単です。

糖質制限食とは糖質を含む炭水化物の摂取量を減らす食事法です。

 

エネルギーとなる栄養素は三大栄養素といわれる

  1. 炭水化物
  2. 蛋白質
  3. 脂肪

ですが、血糖の元になる糖質は炭水化物にだけ含まれています。

 

  炭水化物 = 糖質 + 食物繊維

 

江部医師は、糖質制限食を制限のグレードで3つに分けています。

 

糖質制限食のグレード

糖質制限は糖質をどれだけ制限するかによって3つに分けられます。

 

  1. プチ糖質制限食      : 夕食だけ炭水化物(糖質)を食べない
  2. スタンダード糖質制限食  : 朝、夕食は炭水化物(糖質)を食べない
  3. スーパー糖質制限食    : 3食とも炭水化物(糖質)を食べない

この3つの糖質制限の中で、朝食と夕食は炭水化物を摂らないのがスタンダード糖質制限食なのです。

 

どのようなヒトに向いているか、どのような効果が期待出来るかというと、

 

種類 内容 効果
プチ糖質制限食 夕食のみ糖質制限 ダイエット目的の場合や、どうしても炭水化物をやめられないヒト。
スタンダード糖質制限食 昼食夕食で糖質制限 糖尿病や肥満の解消を目指したいが、どうしても昼食で糖質制限食が難しいヒト向き。
スーパー糖質制限食 3食とも糖質制限 効果抜群で早く、糖尿病や肥満、メタボリック症候群を速やかに解消したヒトに向いている。

詳しく見る ⇒ 高推病院の糖質制限食

 

プチ糖質制限でも効果がある

高雄病院の江部先生は20年近くスーパー糖質制限食を続けているそうですが、私はプチ糖質制限を30年近く、つまり学生時代から続けています。

その当時はもちろん糖質制限などという言葉も概念もありませんでした。

私は夕食ではお酒を飲みますので、お酒を飲みながらお総菜を食べ、最後のご飯は食べない、という習慣を続けており、結果的にプチ糖質制限食を続けていたことになります。

お陰で体重は大学生の時と同じ62~64kgです、、。

 

 

血糖を上げるのは糖質だけ

血糖値を上げるのは、三大栄養素の中で炭水化物のみです。

焼き肉を食べても血糖値は上がりません、、、

 

アメリカの糖尿病協会が患者教育用のテキストとして刊行しているLife With Diabetes(2011年版)には、

摂取後直接、血糖に変わるのは糖質のみである
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・蛋白質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが血糖値に直接影響をおよぼす。』

と明記されています。

 

2013年10月、アメリカ糖尿病学会は、「栄養療法に関する声明」を発表し、従来のカロリー制限による食事療法を改め、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないとし、

  • 糖質制限食
  • 地中海食
  • ベジタリアン食
  • DASH食
  • 低脂質食

などを糖尿病における食事療法としたのです。

 

糖質を制限すると血糖値は上がらない

 炭水化物 = 糖質 + 食物繊維

 

糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、

糖質には下記の3群がありますが、

  • 単糖(単糖が1個)    ブドウ糖(グルコース)、ガラクトース
  • 小糖(単糖が2~20個) 麦芽糖(マルトース)、ショ糖(砂糖)
  • 多糖(単糖が21個以上) デンプン、グリコーゲン、セルロース(イヌリン)

 

「糖類」とは、単糖類と二糖類の総称で、食後の血糖値を上げているのは、この単糖類と二糖類でなのです。

食後血糖値の上昇は、食事を摂ったからで、食事で摂った糖質が食後血糖値の正体なのです。

 

 

  • 糖質を摂った  → 食後血糖が上がる
  • 糖質を摂らない → 食後血糖は上がらない

当然のことなのです。

 

 

自分に合った糖質制限食を

糖質制限をすれば確実に血糖が下がりダイエットもできます。

体重減少にはやや時間がかかりますが、血糖値は翌日から下がります

血糖値は食事によって上がります。

下のパターンは健康人の血糖値の変化ですが、血糖値が上がるのは食後で、しばらくすると下がります。

上にも書きましたように、血糖値を上げるのは糖質だけですから、糖質の摂取を制限すれば上がらないのは当然なのです。

 

しかし、糖質制限が良いと言っても、「自分はどこまで我慢できるか?」ということです。

1日や2日なら“ご飯”や“麺類”、“パン”を食べることを我慢できますが、これから生涯にわたって“ご飯”や“麺類”、“パン”を食べないということにあなたは耐えられますか?

極端はいけません、、、

日本人ですから、白いご飯、うどん、ラーメンを一生食べないで過ごせるわけはありません(できる人もいるのですが、、)。

 

 

血糖値がやや高めのあなたは、無理して炭水化物をゼロにする必要はないのです。

  • 朝ご飯のパンを半分にしてハムとチーズをたくさん食べる
  • 夕食のご飯を半分にして大きなステーキを食べる

ということから始めれば良いのです。

重要なのは、

  • 早く始める
  • 長く続ける

ということの方が重要なのです。

 

  詳しく見る ⇒ 糖尿病の食事療法は糖質制限がベスト

明日からパンやご飯の量を少し減らしてみましょう

 

 

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