糖尿病はドミノ倒しのように進む

まだ血糖値がやや高いだけだから、と安心していませんか?

糖尿病は止まってはくれません。
何もしなければドンドン進むのです。

そしてひそかに神経障害、網膜症、腎症が少しずつ進行し、
最終的には足切断・失明・人工透析という重大な合併症につながるのです。

 

しかし、今日から始めれば、まだ間に合います。

糖尿病ドミノを止めるために最も大切なのは食後高血糖を抑えることです。

糖尿病合併症を止められるのはあなただけです

あなたが止めなければ糖尿病はドンドン進むんでしまいます

#本記事は20年以上にわたり糖尿病治療の研究に携わってきた医学博士けんぞうが執筆しています。
科学的根拠にもとずく糖尿病関連情報やフリースタイルリブレによる食事内容や食事方法による血糖値の実証実験成績などをお伝えしています。

糖尿病ドミノを止めるなら今日から始める

今の生活を続けると糖尿病はドミノ倒しのようにドンドン進みます

健康診断で血糖値が高め、HbA1cが少し高い、と言われても多くの人は「まだ糖尿病ではない」と、健診で異常を指摘されても受診しない人が少なくありません。

さらに、毎年22万人が糖尿病治療を中断していると推定され、糖尿病患者の服薬遵守率は約67.5%と言う低さです。

これは「糖尿病は自覚症状がほとんどない」ということが起因しているといわれています。

糖尿病の怖さは、血糖値が高いことそのものではありません。
怖いのは高血糖による血管障害です。

血管障害は糖尿病予備軍の段階から静かに始まっている可能性があり、空腹時血糖値100~109mg/dlの正常高値の段階でも油断はできません

糖尿病ドミノは今日から止めろ

「メタボリックドミノ」という概念があります。肥満が引き金となり、高血圧、高血糖、脂質異常、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中へとドミノ倒しのように進行するという考え方です。

糖尿病も同じです。
糖尿病は血管の病気です。
高血糖が血管内皮を傷つけ、全身の血管が次第に侵されていくのです。

糖尿病では高血糖が血管内皮を傷つける

高血糖が血管壁を傷つけ合併症に

細い血管から太い血管へと障害され、神経、目、腎臓、足、心臓、脳など、全身の臓器が少しずつダメージを受けていくのです。

細い血管が傷つけば、神経障害、網膜症、腎症が起こります。

太い血管が傷つけば、心筋梗塞や脳卒中につながります。

糖尿病性合併症が怖い

血管の傷害は細い血管から太い血管へと進む

これはあたかもドミノ倒しのようなのです。

糖尿病はドミノ倒しのように進む

食後高血糖は糖尿病ドミノを倒す

食後高血糖から始まった糖尿病ドミノは三大合併症だけで終わりではありません。

最後には、寿命や健康寿命にも影響を及ぼし、糖尿病患者の健康寿命は短く寿命も健康人より10年も短いと言われています。

ですから、糖尿病ドミノできるだけ早く止めなければなりません。
糖尿病ドミノを止められるのは、あなた自身です。
だから、糖尿病ドミノを止めるなら、今日から始める必要があるのです。

【この章で覚えておいてほしいこと】
・自覚症状がないといって放置すると糖尿病はドミノのように進みます
・気づいたときには重篤な合併症だったいうことも稀ではありません
・糖尿病ドミノを止められるのはあなただけです

【まずは今のあなたの状態を確認してみましょう】

A健康診断で『血糖値高め』と言われた人 ⇒ 食後の血糖値変動を知ることから始めましょう(リブレを使って血糖トレンドをみる

B治療中だが数値が下がらない人 ⇒ 食べる『順番』と『GI値』を意識した食事療法が鍵です(食ベ物の選び方食ベ方のコツ

C合併症が不安でたまらない人 ⇒ 糖尿病ドミノの仕組みを正しく理解し、今すぐできる予防策を確認しましょう(糖尿合併症はどうして起きるのか

糖尿病神経障害を放置すると足切断に至る

神経障害や血流障害は放置すれば足切断にまで進んでしまいます

糖尿病の三大合併症の中で、最も早く現れやすいのが糖尿病神経障害です。
高血糖が続くと、神経に栄養を送る細い血管が傷つき、神経の働きが低下します。

初期には、

  • 足の裏や足指に「ピリピリ」「ジンジン」としたシビレや痛み
  • 足袋や手袋をつけているように感じる

なのですが、本当に怖いのはシビレではありません。
神経障害が進行すると、感覚が鈍くなります。
足の小さな傷、靴ずれ、火傷、深爪などに気づかなくなります。
その結果、糖尿病による免疫力の低下も加わって傷が悪化し、潰瘍、感染がすすみ、気が付いたら壊疽(えそ)していたということも稀ではありません。

糖尿病壊疽で増えている足切断の原因は足の潰瘍

足切断の原因は足の潰瘍・壊疽から始まる

#壊疽(えそ)とは身体の組織(皮膚、皮下組織、筋肉など)が死滅し、黒色や暗褐色に変色して腐敗した状態。放置すると最悪の場合は命に関わる。

足潰瘍を起こした糖尿病患者では死亡リスクが1.77倍に上昇し、再発率も22%とされています。壊疽に陥れば、もはや足を切断しなければならないのです。

世界では糖尿病により30秒に1本の足が切られているといわれ、日本では毎年1~2万人もの人が糖尿病で足を切断していると報告されています。

糖尿病での足切断は1万人

糖尿病での国内での足切断は1万人以上

命を守るための足切断ですが、糖尿病による足切断後の5年生存率は40~55%とされ、多くのがんより予後が悪いことが知られています。
つまり、糖尿病による足切断は生活機能が奪われるだけではなく、寿命に関わる重大な合併症なのです。

切断に至るのは足だけではありません。
元プロ野球選手の佐野慈紀さんは糖尿病の合併症によって右腕を切断したことを公表しています。

佐野滋紀が糖尿病合併症で右腕切断

元野球選手の佐野滋紀が糖尿病合併症で右腕切断

血流障害、感染症、神経障害が重なれば、足、指、手、腕を失う危険性もあるのです。

糖尿病網膜症を放置すると失明に至る

糖尿病と診断されてから10年後には50%が糖尿病網膜症に

糖尿病網膜症も糖尿病の三大合併症の一つです。初期にはほとんど自覚症状がないため、「見える」「読める」「運転できる」から「自分の目は大丈夫」と思ってしまうのですが、目の奥の網膜では、高血糖によって毛細血管が傷つき出血や血管閉塞が少しずつ進んでいるのです。

糖尿病と診断されてから10年後には50%が糖尿病網膜症を患うとされ、国内の糖尿病網膜症の患者数は約300万人とされています。

糖尿病網膜症が進めば失明に至るのですが、国内では毎年約3,000人が糖尿病網膜症で失明しており、糖尿病網膜症は中途失明原因の第2位なのです。

糖尿病網膜症で失明する人が多い

糖尿病網膜症で失明する人は年間3,000人

糖尿病網膜症で怖いのは、自覚症状が出た時にはかなり進行していることが多いということです。
眼底に点状出血などがあっても視力低下や視野の変化としては自覚しにくいため、初期にはほとんど症状がないのです。

そのため、突然の網膜出血や網膜剥離が起こって初めて、糖尿病網膜症の進行に気づくことがおおいのです。
血糖管理をきちんとおこなえば糖尿病網膜症の進行を抑えることができますが、糖尿病だと診断されたら年1回の眼科検診は必須です。

糖尿病腎症を放置すると人工透析に至る

適切な血糖管理をおこなわないと10年〜15年以上で腎不全へ進行する

適切な血糖管理を行わないと、糖尿病の発症から10年〜15年以上で腎不全へ進行すると言われています。
国内の人工透析患者の総数は約34万人(国民の約367人に1人)といわれますが、人工透析患者の43.5%は糖尿病性腎症が原因とされているほど多いのです。

糖尿病腎症の病期が進めば人工透析が必要

糖尿病腎症での人工透析患者は10万人

高血糖が続くと腎臓の糸球体にある細い血管が傷つけられ、血液中の老廃物を体外へ排出できなくなってしまうのです。
そのため人工透析が必要となるのですが人工透析は週3~4回、1回3~4時間行う必要があり、一生続けなければならないため生活の質が大きく損なわれてしまいます。

糖尿病で人工透析を開始した場合、年齢や合併症の有無によって異なるものの、

  • 5年生存率は約45〜60%
  • 10年生存率は約35〜40%

が目安とされ、平均余命は健康人の半分程度と言われています。
糖尿病腎症は自覚症状は少ないとはいっても「下半身のむくみ」「尿蛋白の出現」などがありますから、定期的な診察を欠かしてはいけません。

放置すると糖尿病ドミノは止まらない

糖尿病ドミノはドンドン進み合併症を引き起こす

自覚症状がないからと言って糖尿病を放置し、重篤な合併症に至った人は少なくありません。
元プロ野球選手の元木大介さんは10年以上糖尿病を放置し、「このままでは失明する」「足が壊死する」と警告を受けてようやく治療を開始したと述べていますし、糖尿病患者のブログ、落下星の部屋では、糖尿病によって右目失明、右足切断、人工透析、左足切断、左目眼底出血という壮絶な経過が紹介されています。

糖尿病による足切断後の5年生存率は40~55%とされ、多くのがんよりも予後が悪いことが知られています。
つまり糖尿病ドミノの最後にあるのは、単なる合併症ではなく人生そのものの損失なのです。

映画「糖尿病の不都合な真実」では、多くの患者さんが「もっと早く知っていれば」と語っています。

だから糖尿病ドミノを止めるのは今なのです。

糖尿病ドミノを止めるためには食後高血糖を抑える

食後高血糖をおさえることで糖尿病ドミノは止まる

糖尿病合併症を止められるのはあなただけです

糖尿病合併症を止められるのはあなただけです

全ての糖尿病合併症のスタートは、食後高血糖なのです。

糖尿病はドミノ倒しのようにドンドン進んでしまいます

スタートの食後高血糖をおさえれば糖尿病ドミノは止まる

グルコーススパイクともいわれる食後高血糖は、食後に血糖値が急上昇し、食後2時間経過後も140mg/dl以上になることです。

食後高血糖グルコーススパイク

食後高血糖が糖尿病ドミノの引き金

この状態が続くと、「血管内壁が傷つけられ」、神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症など全ての合併症を引き起こすだけでなく、

  • 膵臓が疲れてインスリン分泌が悪くなる
  • インスリン抵抗性が悪化してインスリンの効きが悪くなる

という悪循環に陥り、糖尿病が悪化するのです。

👉 食後高血糖(グルコーススパイク)について詳しく説明します

食後高血糖を抑えて糖尿病ドミノをとめるには

食後高血糖をおさえることはあなた自身しか出来ない

① 炭水化物の摂り過ぎに注意する

食後高血糖は炭水化物が分解されてグルコースになり、血中に吸収されて血糖値を上昇させることによります。

食べ物で食後高血糖を抑える

白米パン、麺類には驚くほど糖分が多い

白米、パン、うどんには糖質が多く含まれるため食後高血糖を起こしやすいのです。

👉 食べ物で食後高血糖を抑える方法

② ベジファーストで野菜から先に食べる

食べ方で食後高血糖を抑える

同じ米でも玄米は血糖値を上げにくいのです。これは玄米には食物繊維が多いため糖の吸収を穏やかにするからです。
これを利用したのが「ベジファースト」です。野菜に含まれる食物繊維は糖の吸収を穏やかにするので、食べる順番を変えるだけで血糖値の上昇を抑えられるのです。

👉 食べ方で食後高血糖を抑える方法

③ 食後に軽い運動をする

食後に軽い運動をする

食後10〜15分程度の軽いウォーキングでも血糖値の上昇を抑えることができます。筋肉は血中のブドウ糖をエネルギー源としますから、食後の軽い運動は糖の消費を上げるため食後高血糖がおさえられるのです。

👉 運動は食後高血糖を下げる方法

【筆者から一言アドバイス】
私は幸いに血糖値は正常範囲です(ただ実証実験によれば食後高血糖を起こしている可能性はありますが)。
しかし、早歩きや柔軟体操などの運動を最低週2回は続けるように心掛けています。
これが血糖値の正常化に寄与しているのかもしれませんが、運動すれば体も軽く、食欲も出ます、、(食べ過ぎに注意ですね)。

まとめ

・糖尿病ドミノは自然には止まりません。
・糖尿病ドミノを止められるのはあなただけです。
・糖尿病ドミノを止めるには1枚目のドミノ「食後高血糖」をおさえるだけです。

#既に糖尿病と診断されている場合には、自己判断せず主治医の指示を受けて下さい。
一人で抱え込まず、まずは次の診察でリブレのデータを見せながら相談してみることから始めましょう。

最終更新日:2026年6月 初掲載日:2019年10月