糖尿病の合併症で一番怖いのは糖尿病性腎症

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。

 

はじめに

国内の糖尿病患者数は1,000万人を超え、糖尿病の一歩手前に糖尿病予備群も含めれば2,000万人に達するのです。

糖尿病は血糖値が高くなる病気で自覚症状はほとんどないのですが、

血糖値が高い状態が長年続くと深刻な合併症が起こるのです。

  1. 神経障害
  2. 網膜症
  3. 腎症

が糖尿病の3大合併症といわれますが、

  1. 心筋梗塞
  2. 脳卒中
  3. 足の動脈硬化(末梢動脈疾患)

も起こしやすくなるのです。

 

糖尿病では新型コロナウイルス感染で重症化しやすいことが分かっていますが、

糖尿病では免疫力が低下するため、

新型コロナウイルスに限らず、様々な感染で重症化しやすいのです。

 

更には、

糖尿病では日本人の死因のトップ10に入る病気のリスクが高くなります。

  • がんは1.2倍
  • 心疾患や脳卒中は2~4倍
  • 認知症も約2倍

と、リスクが高くなるのです。

 

心筋梗塞などの冠動脈疾患を起こす人の57%は糖尿病だといわれ、

糖尿病予備群でも心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がるのです。

 

糖尿病の月餅省はどれもが怖いのですが、

糖尿病の合併症で最も怖いのは糖尿病性腎症ではないでしょうか。

 

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糖尿病で怖いのは合併症のなかでも糖尿病性腎症

糖尿病では合併症が怖いのですが、

なかでも糖尿病の3大合併症の1つである「糖尿病性腎症」ももっとも怖いのです。

 

糖尿病性腎症が進行すると腎臓機能がうまく働かない状態の腎不全となり、

定期的に腎臓透析を受けなければ生命を維持出来なくなるからです。

 

腎臓透析は、

  • 週に3~4回、
  • 一回の透析で3~4時間、

もかかるのです。

当然、

  • できる仕事が限られる
  • 長期の旅行になど行けない

という状況になり、生活の質(QOL)は大幅に低下してしまいます。

 

食生活事情が悪く糖尿病患者数も少なかった昭和初期には、

腎臓透析治療に至る病気はほとんどが慢性糸球体腎炎でしたが、

医療事情の向上に伴って慢性糸球体腎炎患者は減少し、

逆に糖尿病性腎症患者数は増え続け、

2019年の調査では、腎臓透析の4割を糖尿病性腎症が占めるまでに増加したのです。

 

 

腎臓透析は死ぬまで続けなければならない

腎臓透析で一安心と思ったら大きな間違いです。

腎臓透析をおこなうことは、

 働くなった腎臓の代わりをする

ためであって、

 腎臓機能を治療するためではない

 腎臓透析をしても腎機能は回復しない

のです。

 

したがって、

腎臓透析は死ぬまで続けなければならない

のです。

 

ビートたけしの弟子であったグレート義太夫さん。

レート義太夫は30代だった1995年に糖尿病と診断され、

やがて糖尿病性腎症を発症して2007年から腎臓透析治療を始め、

現在では糖尿病性腎症による腎不全のため週15時間の透析治療を受けているのです。

 

 

グレート義太夫さんは糖尿病家系のようで、

父親が糖尿病で、母ちゃんが専用の食事をずっと作っていたんですが、
量も少ないし、味気ないもので、かわいそうだなって思って見ていたんです。

その父は、僕が35歳のときに、糖尿からくる腹部大動脈瘤破裂で亡くなって、
そしたら自分も翌年に糖尿病になってしまいました。

と述べています。

 

そんなある日、自宅で倒れて救急車で病院へ運ばれ、

血液検査の結果、血糖値が630mg/dl。

 

通院、病院に行かなくなる、、、

そんなことを14年間繰り返し、ついには糖尿病性腎症に、、、

週に3階、1回5時間を要する腎臓透析を受けなければならないようになってしまったといいます。

治療費は一回の透析が2万5000円だといいます。

 

詳しく見る ⇒ グレート義太夫(夏目亭透析)Twitter

 


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糖尿病性腎症で後悔しないためには

グレート義太夫さんは、

糖尿病と診断されてからも、もっと生活習慣に注意していれば、

透析を始める時期をずっと後ろに持っていけたんじゃないかと後悔しています

と後悔しています。

 

糖尿病性腎症になって後悔しないためには、

  • 血糖値のコントロール
  • 血圧のコントロール

です。

 

腎臓を守るには血糖値と血圧のコントロールが非常に大事なのです。

血圧が高いほど腎機能が低下することが分かっていおり、

腎臓は心臓以上に血圧の影響を受けやすい臓器ですから、

腎臓のためには血圧は低ければ低いほどいいといわれています。

 

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」では、

正常血圧は、

  • 収縮期血圧:120mmHg未満
  • 拡張期血圧:80mmHg未満

高血圧は、

  • 収縮期血圧:140mmHg以上
  • 拡張期血圧:90mmHg以上

としていますが、

 

糖尿病では、

  • 収縮期血圧:130mmHg未満
  • 拡張期血圧:90mmHg未満

を維持しなければならないといわれています。

 

つまり、上が130mmHg未満、下が80mmHg未満だ

糖尿病性腎症になると心筋梗塞や脳卒中も起こしやすくなってしまうので、

130mmHg未満は是非とも守りたいものです。

 


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まとめ

糖尿病の合併症で一番怖いのは糖尿病性腎症ではないでしょうか。

糖尿病性腎症が進めば腎臓透析が必要となり、週3~4回、1回4~5時間の透析を死ぬまで行わなければならなくなるのです。

当然、できる仕事も限られますし、長期の旅行などもできなくなりQOLも大幅に低下してしまいます。

さらに、腎臓透析患者の平均余命は透析を一般人に比べて約半分だというのです、、、。

 

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