採血しないで食後血糖を測定できれば血糖トレンドが分かる
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
血糖値はただ測れば良いというものでは有りません。
通常の健康診断で測定する空腹時血糖値では糖尿病は見つからないのです。
糖尿病の予防や診断で重要なのは食後血糖値なのです。
食後血糖を測るのは大変なのですが、
日本のクォンタムオペレーション社は、
採血しないで血糖測定ができるセンサーを発表しました。
これは朗報です。
採血しないで食後血糖を測定できれば血糖トレンドが分かるのです。
糖尿病の予防には血糖トレンドを知ることが一番なのです。
採血しないで食後血糖を測定できるウエアラブルセンサー
(株)クォンタムオペレーション社はCES2021において、
採血しないで食後血糖を測定できるウエアラブルセンサーを発表しました。
CES(Cnsumer Electronic Show)は、アメリカのCTA(Consumer Technology Association)が主催する50年以上も続く世界最大の電子機器の見本市で、
毎年1月にラスベガスで開催され世界160カ国以上から17万人以上ものヒトが集まるのですが、
今年は新型コロナウイルス感染の影響によりデジタルで開催されました。
クォンタムオペレーション社は 2017年に設立された
- 非侵襲血糖センサー
- 新型コロナ感染の症状診断
などのIT機器を開発する会社です。
非侵襲血糖測定センサーを中心に患者負担を減らし、病気にさせない・重症化させない社会を提案
詳しく見る ⇒ クォンタムオペレーション社プレスリリース
今回CES2021において発表した非侵襲血糖センサーは、
LEDセンサーとフォトダイオードを使用して、
非侵襲での血糖値測定が可能となるセンサーです。
独自のスペクトラム安定化技術とノイズ除去技術を駆使し、
- 精度高く
- 再現性のある
血糖値測定が可能で、
- 針を刺して血糖値を測定していた糖尿病患者の負担を軽減し
- 経時的な血糖値の変化をとらえる
ことでき、
低血糖の予防や肥満解消にも活用をできるとしています。
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糖尿病の血糖測定では血糖トレンドを調べることが重要
健康診断で血糖値を測定しているから安心だと思っていませんか?
健康診断で測定するのは、
- 空腹時血糖 : 食後約12時間後の血糖値
- HbA1C : 最近1、2ヵ月の平均血糖値
ですから、糖尿病の予防には不充分なのです。
血糖値で重要なのは「食後の血糖の変化」で「血糖トレンド」を知ることなのです。
詳しく見る ⇒ 血糖トレンドが重要
つまり、血糖値を点ではなく曲線で調べることが重要なのです。
血糖値は食事によって上昇しますが正常であれば2時間経過後には140mg/dlまで下がりますが、
糖尿病予備群や糖尿病では2時間経過しても140mg/dlまで下がらないのです。
血糖トレンドを知るには、
- 頻回に採血して血糖値を測定する
- 非観血的血糖測定器を使って血糖値を測定する
などの方法があります。
私が使ったのはAbout社の非観血的血糖測定器フリースタイルリブレです。
詳しく見る ⇒ フリースタイルリブレを使って血糖トレンドを調べる
ウエアラブル端末の進歩で血糖値の管理は大きく変わるでもお知らせしたように、非侵襲血糖測定センサーについては、
コンタクトレンズタイプのものなど様々なものが開発中で期待が寄せられますが、
クォンタムオペレーション社も国内初のウエアラブル血糖センサーを早く実用化してほしいものです。
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まとめ
糖尿病を予防するには「空腹時血糖」や「HbA1C」では不充分で、「血糖トレンド」を知る必要があります。
血糖トレンドを知るには採血が不要な「非侵襲血糖測定器」が有効ですが、
クォンタムオペレーション社が発表した非侵襲血糖測定センサーは腕時計タイプの測定器のようで、非常に使いやすいもののようです。
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