糖尿病にはジョギングよりも早歩きが良い

運動療法というとジョギングやジム通いを思い浮かべる人も多いでしょう。

しかし糖尿病や食後高血糖の改善*では、必ずしも激しい運動は必要ありません。

最近の研究では、ジョギングよりも早歩きの方が血糖コントロール改善に有効な可能性が示されています。

食後高血糖の基本については、先に 食後高血糖とは?健康診断では分からない隠れ高血糖の危険性 をご覧ください。

筆者は20年以上にわたって糖尿病治療の研究開発を行っていた 医学博士のけんぞう です。 今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。


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糖尿病の運動療法には早歩きが良い

糖尿病血糖コントロールにはジョギングよりも早歩きが効果的

日本糖尿病学会の治療ガイドラインに明記されているように、糖尿病の治療の基本は「食事療法」と「運動療法」で、これらで血糖管理が充分でないときに「薬物療法」を開始するのです。

糖尿病の治療には、運動療法・食事療法・薬物療法の3本柱があります。
運動療法では血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病を改善します。

 

では糖尿病ではどのような運動をすれば効果的なのでしょう。

最近の研究では、糖尿病予備軍の血糖コントロールにはジョギングよりも早歩きが効果的だとの報告があります。

Effects of exercise training alone vs a combined exercise and nutritional lifestyle intervention on glucose homeostasis in prediabetic individuals: a randomised controlled trial.

Diabetologia. 2016 Jul 15   

 詳しくはコチラ ⇒ 原著論文(英文)

糖尿病の発症を抑えるには、

  1. 減量
  2. 食生活の改善
  3. 運動

の3つが必要だとされるが、

運動を行うだけでも減量や食生活の改善の併用と同じ効果が得られるかを検証したのです。

糖尿病予備軍の150人を対象に、

  1.  食事療法(低脂肪低カロリー食) + 中強度の運動(週18.5kmの早歩き)
  2.  中強度の運動(週12kmの早歩き)
  3.  中強度の運動(週18.5kmの早歩き)
  4.  高強度の運動(週18.5kmのジョギング)

6ヵ月間このプログトラムを実施させたのです。

その結果、各群の耐糖能試験の改善は、

  1.  食事療法+ 中強度の運動                   : 9%改善
  2.  中強度の運動(週12kmの早歩き)     : 5%改善
  3.  中強度の運動(週18.5kmの早歩き)             : 7%改善
  4.  高強度の運動(週18.5kmのジョギング) : 2%改善

という結果がえられ、

中強度の運動を行うだけで、減量、食生活改善、運動の3つを行った時の効果の80%を達成できた

と結論したのです。

筋肉が糖を消費して血糖を下げる

運動で血糖値が下がるのは筋肉が糖を食べるから

糖尿病の治療で運動が重要なのは筋肉が糖を消費するからです。
筋肉が伸び縮みするためのエネルギーとして糖を使うのです。
筋肉がドンドン動けば血糖値はドンドン下がるのです。

 

血糖を下げるため「早足」や「ジョギング」などがすすめられるのは、筋肉の70%は下半身にあるからです。

糖尿病の運動療法では「バーベル上げ」や「腕立て伏せ」などの上半身の筋トレよりも、下半身を使う「早歩き」などが効果的なのです。

【筆者からの提案】

食後20分の散歩で食後高血糖を抑えられることを実体験しました。あなたも食後の散歩をやってみませんか?

【実証実験】
5日目のフリースタイルリブレ:運動で食後高血糖が下がった

 

糖尿病の運動療法は早歩きが一番です

糖尿病の運動療法でのおすすめは早歩き

糖尿病や糖尿病予備軍のヒトにはやや太り気味のヒトが多く運動療法と聞くと苦行のように思ってしまいがちですが、

「早歩き」でも充分に効果があるのです。

早歩きとはどれくらいのスピードか

早歩きとはどれくらいのスピードで歩くことなので何か?

一般的に、歩くスピードは、

区分 歩くスピード
老人、子供 4km/hr
一般成人 5km/hr
元気な人 6km/hr
とても元気な人 7km/hr
ジョギング 8~10km/hr

といわれますから、  早歩きは6km/hr程度のスピードになります。
距離にすると、5kmを50分で歩くスピードです。

不動産屋さんの看板で、「駅より〇〇分」との表示を見かけますが、これは4.8km/hrのスピードで計算しているそうです。

糖尿病で効果があるのは有酸素運動

有酸素運動、無酸素運動という言葉を良く聞きますが、

糖尿病で必要なのは有酸素運動です。

有酸素運動とは、酸素を使って体内の糖質や脂質をエネルギーに変えながら、比較的軽い負荷で長時間継続する運動のことです。

有酸素運動 ウオーキング、ジョギング、水泳、サイクリング
無酸素運動 筋トレ、腕立て伏せ、スクワット

糖尿病の運動療法ではジョギングよりも早歩きが良いとはいっても、景色を見ながらのんびり歩く散歩では余り効果がありません。

糖尿病の運動療法では、酸素を使う有酸素運動でなければなりません。

ちなみに、筋力トレーニング、ランニングなどの無酸素運動では脂肪を燃焼させずに、肝臓のグリコーゲンをエネルギー源として使います。

有酸素運動能力が低下すると糖尿病のリスクが上がる

有酸素運動能力の変化と糖尿病発症率の関係を7年間にわたって調べた研究があります。

有酸素運動能力の低下が大きいほど糖尿病の発症率が高く、
運動不足と糖尿病発症には高い相関があるとしています。

糖尿病にはジョギングよりも有酸素運動である早歩きが良いのです

安静時には、筋肉では、脂肪が分解された遊離脂肪酸を主なエネルギー源として使っていますが、

運動を始めると、筋肉中のグリコーゲンが分解され、つぎに血中のブドウ糖と遊離脂肪酸が主なエネルギー源となるのです。

運動が持続し、血中のブドウ糖を使ってしまうと肝臓のグリコーゲンが分解されてうみだされるブドウ糖を利用し、さらには、脂肪が分解されて遊離脂肪酸も使われるのです。


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まとめ

運動は難しくなくて良い

糖尿病や食後高血糖の改善には、ジョギングのような激しい運動よりも、継続できる運動の方が重要です。

まずは早歩きやウォーキングから始めてみましょう。

自宅から駅まで、駅から会社まで、やや早歩きで糖尿病を解消しましょう。

運動が食後高血糖を下げる仕組みについては 運動は食後高血糖を下げる で詳しく解説しています。

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最終更新日:2026年3月 初掲載日:2016年8月

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