座る時間を短くすると糖尿病が改善する
先日は「座わる時間が長いと糖尿病になるリスクが高い」と嫌な話をしてしまいましたが、今回は、「座る時間を短くすると糖尿病が改善する」という希望が持てる話です。
最近の研究で、30分ごとに立ち上がるだけでも血糖値の改善が期待できることが分かったというのです。
#この記事は20年以上にわたり製薬会社で糖尿病治療薬の研究開発を行っていた医学博士けんぞうが書いています。
運動は健康に良いことは分かっているけれど、なかなか続かない。
そんな人でも大丈夫です。
最近の研究では、30分ごとに立ち上がるだけでも血糖値の改善が期待できることが分かってます。
座る時間が長いと糖尿病のリスクが高くなる
座りすぎは糖尿病のリスクが高くなる
早稲田大学スポーツ科学学術院の岡浩教授らの調査では、日本人成人が1日の起きている時間のなか、でジョギングなどの運動をしている時間は5%程度で、座っている時間が50%と最も長く、IT化や家事の自動化で、座っている時間がどんどん長くっているそうです。
あなたの座っている時間は何時間くらいですか?
最近、「座わる時間が長いと糖尿病になるリスクが高い」という研究データーがたくさん報告されています。
トロント大学の研究チームは、座ったまま過ごす時間が長い人は短い人より、死亡率が24%、糖尿病リスクが91%上昇したと報告していますし、
オーストリアでは長時間座っていることは喫煙と同じくらいの害があるとして政府の奨励により、小学校では立って勉強することを実施しているそうです。
現時点では、
座る時間が長いと糖尿病のリスクが高い
ということは医学的にも間違いのない事実なのです。
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座る時間を短くすると糖尿病が改善する
ときどき立ち上がるだけで血糖値が改善する
座る時間が長いと糖尿病のリスクが上がる、、
そんあなたに朗報です!
ときどき立ち上がったりりするだけで血糖値が改善する
という論文が発表されました。
Breaking sitting with light activities vs structured exercise: a randomised crossover study demonstrating benefits for glycaemic control and insulin sensitivity in type 2 diabetes.
原文を読む ⇒ 原著論文
この研究は、オランダのマーストリヒト大学の研究グループによるもので、
- ときどき立ち上る
- 軽いウォーキングをする
などで、座る時間を減らすことが運動療法になるかを調べたのです。
研究では、
2型糖尿病の男性患者19人(平均年齢63歳)を対象に、
- 座る群 : 14時間座る+4,415歩歩く
- 運動群 : 14時間座る+4,828歩歩く+1時間サイクリング
- 座る時間を減らす群 : 4.7時間座る+17,502歩+4.7時間立位か軽歩行
に分けて4日間観察したのです。
その結果、
- 座る時間を減らす
- 運動をおこなう
ことによって、
血糖コントロールが有意に改善することが明らかになり、
特に、座る時間を減らした群では血糖値の改善が最も良かったというのです。
糖尿病には運動が良いといわれています。
アメリカの糖尿病学会では、
「2型糖尿病の予防のために中~高強度の運動を1週間に150分以上行うことを推奨」
しているのですが、糖尿病患者の10人に9人はこの勧告に従っていないといわれています。
今回の研究成果は、
座る時間を減らすことで血糖値が改善する
ということを明らかにしたもので、
糖尿病における運動療法に挫折する人にとっては非常に朗報です。
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筋肉を使わないと糖尿病のリスクが増す
座る時間が長いと糖尿病リスクが増すのは筋肉が使われないから
座る時間が長いと糖尿病リスクが増すのは筋肉が使われないためです。
血液のブドウ糖(血糖)は筋肉がエネルギー源として使うからです。
座ったままで筋肉を使わないと筋肉による血糖の消費が減り、インスリンの効きが悪くなって血糖値が上がりやすくなるためなのです。
私たちの筋肉の70%は下半身にあるため、座ったままだと筋肉による糖の消費がガクンと減ってしまうのです。
運動療法というとジョギングやジム通いをイメージしがちですが、糖尿病や食後高血糖の改善では必ずしも激しい運動は必要ありません。
軽い運動でも効果があることについては、 軽い運動でも糖尿病に効果がある で詳しく紹介しています。
座る期間が長いがんや心筋梗塞のリスクも高い
今回ご紹介した研究報告は、
座る時間を減らすことで血糖値が改善する
ということで、
逆から言えば、
座る時間が長いと糖尿病のリスクが高い
ということです。
座る時間が長いと寿命も短くなる
日本人は諸外国に比べて座る時間が長いそうなのです。
NHKが、世界20ヵ国における座っている時間を調査したところ、日本は調査した国の中で7時間と最も長いという結果が得られたそうです。
日本人はチョコチョコと動き回る方なのかな、、と思っていましたが、こには少々驚きました。
これは、先日のNHKのクローズアップ現代「座りすぎが病を生む!」という番組で放映されたものです。
これによれば、
座りすぎは糖尿病や心臓病のリスクを高め寿命を短縮させるというのです。
座る時間が長いとさまざまな健康被害があるという報告はたくさんあります。
北海道大学の鵜川教授は、12万人の生活スタイルと病気の関係を20年に亘って追跡・調査し、
- 4時間以上座ってテレビを見ている男性は2時間未満の男性に比べて肺がんの発症率が30%高い
と報告しています。
座る時間が長いと、肝臓がんや慢性閉塞性肺疾患になるリスクも高くなるというのです。
NHKのクローズアップ現代でも紹介されましたが、
オーストラリアでは、45歳以上の男女225万人を3年間追跡調査した結果、
- 1日11時間座っている人は4時間以下に人に比べて死亡リスクが40%高い
ことが明らかになり、
国をあげて座りすぎ対策をおこなっており、
- 小学校では立ちながら授業を受ける
- 職場では1日2時間以上立って過ごす
ことを奨励しているそうです。
さらには、
オランダの研究チームは、2,497人の行動と血糖値を8日間にわたって追跡し、
対象者の大部分は1日9時間は座って過ごしていたのですが、
座る時間がさらに1時間長くなると、
- 糖尿病のリスク : 22%上昇
- メタボリック症候群のリスク : 39%上昇
することが分かったそうです。
【データからの視点】
運動というと特別なことをしなければならないと思いがちですが、まずは座る時間を減らすことから始めても良いのです。
さらに詳しい運動療法については 運動は食後高血糖を下げる をご覧ください。
まとめ
座る時間が長くなると代謝機能が低下し糖尿病のリスクが2倍上昇します
米国糖尿病学会は、
1日の座る時間を1時間30分減らすよう勧告しています。
糖尿病の予防や治療には運動療法が有効ですが、
座る時間を短くするだけでも糖尿病が改善するのです。
これなら、あなたにもできるのではないでしょうか。
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最終更新日:2026年3月 初掲載日:2016年12月


















