パーム油は癌や糖尿病のリスクを上げる
トランス脂肪酸は狭心症、心筋梗塞などの心疾患のリスクを増大させるとしてアメリカでは3年後には使用禁止になります。
その代替として使われているのがパーム油です。
パーム油にも精製の過程でトランス型脂肪酸が含まれたり、動物性脂肪と同様に飽和脂肪酸が多く、健康に良いとはいえないのです。
パーム油の摂取を避けるにはファストフードや油で揚げたスナック菓子をできるだけ食べないようにすることです。
トランス脂肪酸の代わりにパーム油?
通常、植物油は常温では液状ですが、水素を加えることにより固形化し、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどとして使われていますが、その製造過程でトランス脂肪酸が生成されます。
マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングを使って製造されるパン、ケーキ、洋菓子、ポップコーン、チョコレート、ポテトチップス、コーンスナック、アイスクリームなどの食品にはトランス脂肪酸が多く含まれます。
アメリカでは食品医薬品局(FDA)が2015年に、トランス脂肪酸は、狭心症、心筋梗塞などの心疾患のリスクを増大させるとして、今後3年以内に食品への添加を全廃することを決定しました。
韓国では2007年に、中国でさえ2013年に食品へのトランス脂肪酸含有量を表示することを義務づけているのですが、厚生労働省は、日本人におけるトランス脂肪酸の1日当たり摂取量は0.9gで、世界保健機関(WHO)の摂取基準値である2gよりも少ないとして、食品への表示義務も設けず放置状態です。
詳しく見る ⇒ トランス脂肪酸は糖尿病に悪い
一方、農林水産省は、「健康維持の観点からトランス脂肪酸の低減に取り組むことが望ましい」として、食品加工業者へトランス脂肪酸の自主規制を促しており、食品加工業者は、トランス脂肪酸の少ない油への切り替えを進めています。
トランス脂肪酸を多く含むマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングの代わりに使われるようになったのが、常温で固体であるパーム油なのです。
外食産業や加工食品でも安価なパーム油が大量に使用されており、即席めんは約20%がパーム油だといわれています。
パーム油とは
パーム油は、アブラヤシという植物の実から採れる油です。
アブラヤシは、私達が良く知っているヤシの木(ココヤシ)とは種類が違い、背が15~20mの背の低いヤシの木です。
アブラヤシにはウズラの卵くらいの大きさの実を何千個も実らせ、果実の中心部の種子(核)からはパーム核油が、外側の果肉からはパーム油が採れるのです。
パーム油の世界最大の生産地がマレーシア、次いでインドネシアで、この2国で世界の約85%を生産しています。
あなたも毎日パーム油を食べている
パーム油は食用、調理用油として食用に使われる他、洗剤、塗料、ろうそく、インク、化粧品などの原料として使われます。
食品では、即席めん、マーガリン、パン、ポテトチップス、ファストフードの揚げ油、チョコレート菓子、スナック菓子、揚げ物の冷凍食品など、私達が毎日食べる食品に使われています。
日本における2012年のパーム油の輸入量は57万トンでその内の87%は食用として使われており、年間1人当たり約4kgを消費しており、輸入食品に含まれるパーム油をいれればさらにたくさんのパーム油を食べているのです。
Sponsored Link
大腸癌や糖尿病のリスクを上げる
トランス脂肪酸の心疾患リスクを回避するために使われているパーム油も決して安全ではないのです
パーム油のリスクは、
- パーム原油の精製の過程でトランス脂肪酸が含まれる
- 動物性油脂と同様に飽和脂肪酸が多い
という点で、健康のためには摂取したくない油です。
パーム油には大腸がんや糖尿病の危険がある
日本人では大腸がんでの死亡者数が増加しており、男性では3位、女性では1位で、さらに増加傾向にあります。
リノール酸には大腸がんのリスクを上げるといわれていますが、パーム油にも大腸発がん促進作用があり、ラットを用いた実験ではパーム油ではリノール酸よりも大腸がんの発生率が高かったと報告されています。
パーム油には、インスリンの作用を阻害する作用があることが確認され、血糖値を上昇させ、糖尿病のリスクを高める可能性が高いのです。
農水省のホームページにも、「米国農務省は、パーム油はトランス脂肪酸の健康的な代替油脂にはならないとする研究報告を公表している」との記載があるのです。
例えば、トランス脂肪酸が多く含まれる硬化油脂を、別の硬い性質を持つ油脂(例えばパーム油など)に代替すれば、トランス脂肪酸は低減できますが、既に平均的にみてとりすぎの傾向にある飽和脂肪酸の含有量を大幅に増加させてしまう可能性があります。 米国農務省(USDA)は、食品事業者にとってパーム油はトランス脂肪酸の健康的な代替油脂にはならないとする研究報告を公表しています。
詳しく見る ⇒ 農林水産省|トランス脂肪酸の低減
パーム油は健康に悪いのか
トランス脂肪酸が含まれ、心筋梗塞などのリスクを高めるショートニング、マーガリン、ファットスプレッド、などの代替としてパーム油が使われているのですが、果たしてパーム油は本当に健康に良くないのでしょうか?
パーム油が悪いとする根拠は、
- パーム原油の精製の過程でトランス脂肪酸が含まれる
- 動物性油脂と同様に飽和脂肪酸が多い
という点で、
パーム油が私達の健康に対する影響としては、
- 大腸がんのリスクを高める
- 糖尿病のリスクを高める
ということです。
しかし、大腸がんと糖尿病に対するリスクについては、私が調べた限りにおいては余り明確な科学的根拠が見つかりませんでした。
明確な科学的根拠というのは、信頼ある学術誌に論文が掲載されているかということですが、今回探した限りでは見つけ出すことができませんでした。
今後さらに探して、見つかりましたらアップしていきたいと思います。
しかし、農林水産省では、
例えば、トランス脂肪酸が多く含まれる硬化油脂を、別の硬い性質を持つ油脂(例えばパーム油など)に代替すれば、トランス脂肪酸は低減できますが、既に平均的にみてとりすぎの傾向にある飽和脂肪酸の含有量を大幅に増加させてしまう可能性があります。 米国農務省(USDA)は、食品事業者にとってパーム油はトランス脂肪酸の健康的な代替油脂にはならないとする研究報告を公表しています。
消費者がトランス脂肪酸が少ない食品を選択する際には、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の総量を増やさないように気をつける必要があります。食品中のトランス脂肪酸だけを減らして、飽和脂肪酸や総脂質を大きく増やすことは推奨できません。
ということを明記していますので、飽和脂肪酸が多いパーム油は決して私達の健康にとって好ましいものではないことが明らかです。
パーム油は地球温暖化の原因でもある
パーム油の原料であるアブラヤシはアフリカが原産地ですが、現在、パーム油の85%以上がマレーシアとインドネシアで生産され、マレーシアやインドネシアでは大規模なアブラヤシ農園開発が行われており、多くの熱帯林が伐採され、焼き払われて、その結果、地域の環境や社会に次のような深刻な問題を引き起しています。
WWFを中心に、新たに貴重な熱帯林等を伐採することなく、環境や労働者の権利に配慮した持続可能なアブラヤシ農園を運営し、品質の高いパーム油の搾油工場を認定する制度を構築するなど、の保護策がとられていますが、まだまだ万全だとはいえないのが現状です。
パーム油は家庭用食用油としては使われていませんが、
加工食品の製造過程で大量に使われ、日本人1人当たり4~5リットルも消費しています。
パーム油の摂取量を減らすには、ファストフードや油で揚げたスナック菓子をできるだけ食べないようにすることです。
Sponsored Link