発酵緑茶は緑茶よりも糖尿病に良い

緑茶は血糖値を下げて糖尿病に良いことは知られています。

お茶に含まれるポリフェノールは活性酸素を除去させる作用や、

緑茶成分には血糖値を下げる作用があるからです。

しかし、

発酵緑茶は緑茶よりも糖尿病に良いことをご存じですか? 

お茶の種類

今日はお茶が糖尿病に良いというお話しをしますが、最初にお茶の種類などを簡単に説明いたします。

日本の歴史上に初めてお茶が記載さたのは、700年代の天平の頃ですが、鎌倉時代に栄西禅師が中国からお茶の種を持ち帰り、駿河の清見(今の静岡市清水区)など各地に広めたと言われています。

お茶の種類

お茶というと、緑茶や紅茶、ウーロン茶を思い浮かべますが、紅茶の木、ウーロン茶の木といったものは無く、茶の木はただ1種で、製法によって緑茶になったり紅茶になったりするのです。

茶葉は摘み取った後そのままにしておくと、カテキン等の酸化酵素によって自然に発酵します。

摘み取った直後に熱を加えて発酵を止めるかによって、不発酵茶と発酵茶に分けられ、発酵茶は充分に発酵させたもの、ある程度だけ発酵させたものなどがあります。

  1. 不発酵茶 : 摘んだ若葉を全く発酵しないお茶で、緑茶のこと
  2. 発酵茶  : 若葉を発酵させたもの

    発酵茶   : 充分発酵させたもので代表は紅茶
             緑茶に比べとて香り高いのが特徴

    半発酵茶 : ゆっくりと種々の発酵をさせ、ウーロン茶など
             優雅な香りが特徴

    後発酵茶 : 特殊な製造工程で作られたお茶で、プーアル茶、六堡茶

 

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緑茶は糖尿病に良い

緑茶には、

  • カテキン
  • ポリフェノール

が豊富に含まれています。

  • カテキンには : 内臓脂肪を分解、燃焼させる作用
  • ポリフェノールには : 抗酸化作用

などの健康効果があり、

国立がん研究センターと東京大のチームは、

緑茶やコーヒーをよく飲む人は心臓や脳血管の病気で死亡する危険性が4割程度低い

との研究論文を発表しています。

さらに、アメリカのペンシルヴァニア州立大学の研究グループは、

糖尿病のマウスに、緑茶の抽出物を摂取させ、同時に運動もさせたところ、

  • 体重 : 27.1%減少
  • 腹部脂肪 : 36.6%減少
  • 空腹時血糖値 : 17%低下
  • インスリン値 : 65%低下
  • インスリン抵抗性 : 65%減少

と、体重や内臓脂肪が低下するだけでなく、糖尿病に対しても効果があると報告しています。

  詳しく見る ⇒ 緑茶やコーヒーは糖尿病の血糖値を下げる


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発酵緑茶は緑茶よりも糖尿病に良い

緑茶は体脂肪燃焼作用や血糖低下作用があるのですが、発酵緑茶は緑茶よりも体重や血糖値をより低下させたという研究報告がなされました。

この研究報告は、韓国のテグ大学の研究グループが世界的にも権威がある科学雑誌、Natureに発表したものです。

Fermentation of Green Tea with 2% Aquilariae lignum Increases the Anti-Diabetic Activity of Green Tea Aqueous Extracts in the High Fat-Fed Mouse.

  詳しく見る ⇒ Nature 2015 Nov 3;7(11):9046-78 

研究グループは、高脂肪食を与えて肥満したマウスに、

  • 緑茶の抽出物を与えた群
  • 緑茶を沈香とともに発酵させたものの抽出物を与えた群

で、体重や血糖値の変化を調べました。

「緑茶を沈香とともに発酵させたもの」とは、論文中には“aquilariae lignum-fermented green tea (fGT)”と記載されていますので、ジャコウ科の沈香を入れて発酵させたお茶、すなわち日本では沈香茶(とのちゃ)と呼ばれるものだと思われます。

糖尿病には緑茶より発酵緑茶が良い効果がある

沈香茶はタイでは非常に高級なお茶とされるもので、脂肪を分解し、利尿効果や体内の宿便を排出する効果があると言うことで日本でもTVの健康番組などで評判になっているようです。

その結果、

  1. 緑茶の抽出物を与えた群では体重が減少した
  2. 発酵緑茶の抽出物を与えた群ではさらに体重が減少した

というのです。

発酵緑茶は緑茶より糖尿病に良いさらに、血糖値を下げる作用も発酵緑茶の方が緑茶よりも強く見られたということです。

緑茶より発酵緑茶の方が糖尿病には良い効果があるようです

そのほか、発酵緑茶は緑茶よりも血中脂質を低下させ、より抗酸化作用や肝臓や腎臓の保護作用も強かったと述べています。

残念ながら、この論文では緑茶と発酵緑茶の成分の相違や発酵緑茶のどのような成分が血糖値をより低下させたのかについては言及していませんが、発酵緑茶には普通の緑茶と違った特徴があるのかもしれませんね。


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お茶を飲むとともに運動も重要

しかし、緑茶や発酵緑茶を飲めばいくら食べても良いというわけではありません。

糖尿病治療の基本は、

  1. 食事療法
  2. 運動療法

なのです。 

  詳しく見る ⇒ 糖尿病の食事療法は糖質制限がベスト

上に紹介しました、緑茶に血糖低下作用があるとの論文を発表したジョシュア ランベルト准教授も、

 「緑茶には糖尿病改善効果があるが、運動をしなければ、その効果が発揮されない

と述べていますから、糖尿病の予防や治療には運動も重要なのです。

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