糖尿病とがんの関係|高血糖が続くとなぜがんリスクが高まるのか
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目次
糖尿病患者の死因第1位は「がん」
糖尿病というと、失明や人工透析、足の切断などの三大合併症を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし実際には、糖尿病患者の死因第1位は「がん」です。
日本糖尿病学会の調査結果
- がん(悪性新生物) 38.9%
- 感染症 17.0%
- 血管障害 10.9%
糖尿病患者の約4割が、がんによって亡くなっています。
この結果は、「糖尿病とがん」が密接に関係していることを示しています。
実際に糖尿病患者では、糖尿病でない人と比べてがんリスクが高いことが数多くの研究で報告されています。
なお、日本糖尿病学会の調査については、糖尿病患者の死因第1位はがんでも詳しく紹介しています。
#この記事は20年以上にわたり糖尿病治療薬の研究開発を行っていた医学博士けんぞうが書いています。
糖尿病は「がん予備群」ともいわれている
糖尿病患者ではがんリスクが高くなることが知られています。
さらに注意したいのは、糖尿病予備群の段階からリスク上昇が始まっていることです。
⚠ 要注意
糖尿病だけでなく、糖尿病予備群でもがんリスクが高くなることが報告されています。
詳しくは糖尿病ではがんのリスクが2倍になるでも紹介していますが、糖尿病は「がん予備群」と呼ばれるほど、がんとの関係が深い病気なのです。
また、糖尿病はがん予備群、糖尿病予備群でもがんリスクが高いもあわせてご覧ください。
なぜ高血糖が続くとがんになりやすいのか
実は糖尿病でがんになりやすい理由は完全には解明されていません。
しかし現在、有力視されている仕組みがあります。
それが高インスリン血症です。
2型糖尿病ではインスリンの効きが悪くなります。すると膵臓は血糖値を下げようとして、さらに大量のインスリンを分泌します。その結果、血液中のインスリン濃度が高い状態が続くのです。
高血糖ががんリスクを高める流れ
つまり糖尿病は単に血糖値が高いだけの病気ではありません。体内では細胞増殖を促す環境が作られてしまうのです。
この仕組みについては、糖尿病ではがんになりやすい理由でさらに詳しく説明しています。
IGF-1ががん細胞の増殖を促進する
高インスリン血症と並んで注目されているのがIGF-1(インスリン様増殖因子-1)です。IGF-1には細胞の成長や増殖を促進する働きがあります。高インスリン状態では、このIGF-1の働きが強くなると考えられています。
IGF-1による発がんメカニズム(仮説)
高血糖による慢性炎症も見逃せない
高血糖状態が長期間続くと、体内では慢性的な炎症が起こります。これを慢性炎症と呼びます。慢性炎症は動脈硬化を進行させるだけでなく、細胞にもダメージを与え続けます。
慢性炎症による発がんリスク
糖尿病は血管だけでなく、細胞レベルでも全身に影響を与えているのです。
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肥満もがんリスクを高める重要な要因
糖尿病患者では肥満を合併していることが少なくありません。そして近年では、肥満そのものががんリスクを高めることが分かってきました。
例えば、糖尿病と肝臓は密接な関係にあり、糖尿病患者の50〜70%では脂肪肝が合併していますが、放置すると肝硬変や肝がんへと進行するリスクが高まるのです。
肥満になるとインスリン抵抗性が悪化し、高インスリン血症が進行します。さらに脂肪細胞から炎症性物質が分泌されるため、慢性炎症も強くなります。
⚠ 肥満ががんリスクを高める理由
- 高インスリン血症が進行する
- 慢性炎症が強くなる
- IGF-1の作用が強まる
- 細胞増殖が促進される
つまり糖尿病とがんを結びつける原因は、高血糖だけではありません。
肥満も重要な危険因子なのです。
肥満と糖尿病の関係については、肥満HUBで詳しく解説しています。
膵がんと糖尿病には深い関係がある
糖尿病と最も深い関係があるがんの一つが膵がんです。膵臓はインスリンを分泌する臓器です。そのため膵臓にがんができると、インスリン分泌が障害され糖尿病を発症することがあります。逆に糖尿病患者では膵がんリスクが高いことも報告されています。
糖尿病と膵がんの相互関係
膵がんについては、膵がんと糖尿病の関係で詳しく解説しています。特に次のような変化があった場合は注意が必要です。
- 急に血糖値が悪化した
- HbA1cが突然上昇した
- 短期間で体重が減少した
- 食欲不振が続いている
もちろん多くの場合は糖尿病の進行ですが、中には膵がんが隠れていることがあります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
糖尿病でもがんは予防できる
ここまで読むと不安になった方もいるかもしれません。しかし希望もあります。研究では、体重管理と血糖コントロールによって、がんリスクを大きく下げられることが分かっています。
✅ 良好な血糖コントロールが未来を変える
減量+血糖コントロール改善
↓
がん発症リスク低下
詳しくは血糖コントロールと減量でがんリスクが60%低下で紹介していますが、糖尿病だから必ずがんになるわけではありません。
また、女性では減量によって乳がんリスクが低下したという報告もあります。
詳しくはちょっとの減量で乳がんリスクが下がるをご覧ください。
今日からできる がん予防のための6つの習慣
今日から始めたい習慣
- 食べ過ぎを避ける
- 適正体重を維持する
- 毎日体を動かす
- 禁煙する
- 節酒を心がける
- 定期的に健康診断を受ける
これらはすべて糖尿病治療の基本でもあります。つまり糖尿病治療を続けること自体が、がん予防につながるのです。
まとめ
✅ この記事のまとめ
- 糖尿病患者の死因第1位はがん
- 糖尿病予備群でもがんリスクは上昇する
- 高インスリン血症とIGF-1が発がんに関与すると考えられている
- 慢性炎症や活性酸素も重要な要因
- 肥満は糖尿病とがんを結びつける危険因子
- 減量と血糖管理でリスク低下が期待できる
糖尿病は血糖値が高いだけの病気ではありません。放置すると、がんをはじめとするさまざまな病気のリスクを高めます。
しかし逆に言えば、早い段階から血糖管理と体重管理に取り組めば、将来のリスクを減らすことも可能です。
糖尿病治療は、将来のがん予防にもつながっています。
今日からできることを一つずつ始めてみてください。
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