今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
ワインはポリフェノールを含んでいて、コレステロール値を下げ、
動脈硬化や脳卒中を防ぐといわれていることはよくご存じですよね。
ワインは糖尿病にも良い!
ということをご存じですか?
ワインには血糖値を下げ糖尿病改善効果があるのです。
赤ワインは長生きにいい
赤ワインにはポリフェノールが豊富に含まれていて体に良いと言うことは皆さんご存じですよね。
ポリフェノールは種類が多く、これらの成分を含む食品はたくさん有るのですが、代表格といえるのが赤ワインです。
赤ワインには肝機能や心臓病予防に良いアントシアニンだけでなく、カテキンやダイエットにも効果があるタンニンなど、何種類ものポリフェノールが含まれているのですが、
中でも重要なのがレスベラトロールで、レスベラトロールは体内の長寿遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子を活性化させて老化を防ぐポリフェノールなのです。
赤ワインのレスベラトロールは、細胞の寿命をのばして老化を防ぐだけでなく、癌の抑制作用など、「長生き」に関して様々な作用を発揮することがわかっています。
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ワインには糖尿病の改善効果がある
赤ワインは動脈硬化やコレステロールの酸化を防いだり、サーチュン遺伝子を活性化するだけではなく、糖尿病の改善効果が有ることも分かったのです。
これはつい先日の、2015年5月にチェコ・プラハで開かれた欧州肥満学会でイスラエルのベングリオン大学のアイリス・シャイ教授らが発表しました。
研究では、
- 毎日夕食時に赤ワイン1杯を飲んでいた糖尿病患者
- 夕食時に水を飲んでいた糖尿病患者
を2年間追跡したところ、
毎日夕食時に赤ワインを飲んでいた糖尿病患者の病状が水を飲んでいた患者よりも症状が状態が改善したことが分かったのです。
アイリス・シャイ教授らは、
- 健康的な食事
- 少量のワイン
が、「安全に糖尿病に関するリスクを軽減できる」と結論しています。
ワインについては、赤ワインが望ましいが、白ワインでもある程度の効果があったと述べています。
ワインが善玉コレステロールを向上させる
「健康的な食事」+「少量のワイン」 で糖尿病のリスクを回避できるというのですが、もう少しこの研究内容を詳しく説明いたしますね。
シャイ教授らは、
イスラエルにおいて血糖状態がきちんとコントロールされている飲酒の習慣がない糖尿病患者224人に、
毎夕食事に
- 赤ワイン
- 白ワイン
- ミネラルウオーター
のいずれかを1杯(150ml)、2年間飲み続けてもらったのです。
食事は、栄養士の指導を受けた上で、全員に、
- カロリー制限なし
- 地中海食
の食事をして貰ったのだそうです。
地中海料理というのは、魚介類、野菜、果物、豆類、オリーブ油をたくさん摂るが、肉や乳製品を少なめにするという、地中海沿岸諸国の伝統的な食事内容のことです。
その結果、ミネラルウオーターを飲んでいた人に比べ、
赤ワインを飲んでいた糖尿病患者では、
- HDL(善玉)コレステロール、アポリポ蛋白A1(血中の脂肪を運搬する蛋白)の値が微増
- 総コレステロールとHDLコレステロールの比率が改善
- 中性脂肪とHDLコレステロールの比率が改善
したというのです。
赤ワインと白ワインの両方で効果あり
これらの改善効果は、赤ワインを飲んだグループで顕著だったが、血糖値やヘモグロビンA1c(HbA1c)などの糖代謝関連の変化は白ワインでも見られたという。
さらに、ADH1B1遺伝子を持つ酒に弱い人の方が、アルコール脱水素酵素(ADH1B2遺伝子)を持つ人よりも改善が明らかだったそうです。
今回の結果では、アルコールが糖尿病改善に一定の役割を果たしていることを示し、さらに、白ワインよりも赤ワインの効果の方が改善効果が有ったことから、赤ワインに含まれるアルコール以外の何らかの成分が寄与していると、研究グループは結論している。
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ポリフェノールの効果
上の研究結果では、酒に弱い人ほどワインによる糖尿病の改善効果が顕著だったというのだが、例え1杯でも毎日ワインを飲むのは、、という方もおられるはず。
ポリフェノールの効果は、ブームとなった赤ワインだけでなく、蕎麦に含まれるルチン、ココアやチョコレートのカカオマス、緑茶のカテキンなど、健康成分といわれるものにはほとんどポリフェノールが含まれているのです。
特定保健用食品に指定されている、ウーロン茶重合ポリフェノール、コーヒークロロゲン酸などの体脂肪に効くといわれている成分もポリフェノールなのです。
ポリフェノールを含む食品
ポリフェノールはほとんどの植物に含まれ、どの成分にも強い抗酸化力がりますが、植物によってその効果が異なります。
主なポリフェノール成分と、効果は、
- アントシアニン : 赤ワイン → 肝機能、心臓病、認知症予防
- ルチン : 蕎麦 → 血管強化、動脈硬化、高血圧予防
- カカオマス : ココアなど → 疲労回復、ストレス、ピロリ菌除去
- カテキン : 緑茶 → コレステロールの減少、血糖値の正常化
- ウーロン茶重合ポリフェノール → 脂肪吸収を抑制、メタボ解消
- コーヒークロロゲン酸 → 脂肪燃焼、代謝、抗癌作用
- イソフラボン : 大豆 → 女性ホルモン作用、美白
など、効果はさまざまちがうので、あなたが改善したい症状に合わせて含まれるポリフェノールを選ぶことが大切です。
アルコールがだめな方は緑茶でも良い
アルコールがだめな方には緑茶です。
緑茶に含まれるカテキンには、糖質の消化吸収を遅くする作用があり、血糖値の急上昇が抑えられるのです。
食後にお茶を飲む習慣は糖尿病の予防に非常に有効なのです。
緑茶を1日に7杯ほど飲む事で血糖値が改善されたという報告もあります。
しかし、重要なのは、運動で緑茶やコーヒーを飲むことに加えて、軽い運動をすることは必須のようです。
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ワインのカロリー
血糖値が気になるならワイン、、、
糖尿病の症状改善にはワイン、、、
ワイン好きの人にはたまらない朗報ですが、ワインのカロリーは無視できませんよ!
ワインの成分は、
- 水分 90%
- 炭水化物 2%程度
- アルコール 10%程度
カロリー制限食で第1番目に禁止されるのはアルコールですが、糖質制限食では、アルコールの種類を選べばOKとされます。
焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒には糖質が全く含まれませんからこれらを飲んでも血糖値には影響がありません。
ビール、日本酒なのど醸造酒には糖質量が多く含まれるので、糖質制限食をしているヒトではNGです。
しかし、赤ワインや辛口の白ワインには上の成分のように糖質(炭水化物)は少いので、適量であれば飲んでもOKといわれています。
甘めの白ワインでも100ミリ中2~3g程度、辛口のワインでは0.2g程度で、ワインの糖質は思っているほど多くはありません。
ワインのカロリーは多い
糖質は少ないのですが、カロリーは100mlで77カロリーあります。
したがって、上の論文のように毎晩200mlを飲めば、150カロリー程度になります。
1本700mlのワインを1本空けてしまえば500カロリーを超えてしまいます。
イタリアやヨーロッパ人が太るのも食事ばかりでなく、アルコールのカロリーも大きく影響を及ぼしているのです。
ワイン200mlを消費するには
ワインを毎晩200ml飲んだとして、そのカロリーを消費するにはどの程度の運動をすれば良いのでしょうか、、、
ワインを毎晩200ml → 150カロリー → 散歩1時間/ラジオ体操30分
どうでしょうか、、、意外とカロリーが多いのです。
コンビニのおにぎりサイズのご飯のカロリーは166カロリーですから、赤ワイン200mlとほぼ同じです。
ワインは血糖値や糖尿病の改善効果が期待できますが、くれぐれもカロリーには気を付ける必要があるのです。
血糖値が高いと思ったら、『食事療法』、『運動療法』、を始めて下さい
糖尿病を治すのはあなたの食事療法しか方法がないのです
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