夜勤が多い看護師は糖尿病になりやすい
臨床の経験はないのですが20年にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
糖尿病は生活習慣病です。
生活習慣病というのは、食習慣や運動習慣など生活習慣によって引き起こされる疾患です。
- 運動施策
- 栄養・食育施策
- たばこ対策
- アルコール対策
- 睡眠対策
を挙げており、
糖尿病の発症には睡眠も大きく関わっているのです。
夜勤の多い看護師は糖尿病のリスクが高い
「糖尿病」と「睡眠」はなにも関連がなさそうに思うでしょうが、
「糖尿病」と「睡眠」は密接な関係があるのです。
このサイトでもお知らせしたように、
京都大学は、
だという研究報告をしていますし、
睡眠不足や不眠は糖尿病の原因になるなど多くの研究がなされています。
看護師は、夜勤や不規則なシフト制など睡眠のトラブルが多い職業ですが、
夜勤シフトが多い女性看護師では糖尿病のリスクが大きいとの研究論文が発表されました。
夜勤や深夜勤などのシフト勤務が多い女性の看護師では糖尿病リスクが5倍以上になる
というのです。
Rotating night shift work and adherence to unhealthy lifestyle in predicting risk of type 2 diabetes: results from two large US cohorts of female nurses.
詳しく読む ⇒ 原著論文
この研究は中国の華中科技大学の研究グループが、
アメリカの「看護師健康調査」と「看護師健康調査II」に参加した女性の看護師を対象におこなったものです。
研究では、
- 2型糖尿病や心血管疾患、がんに罹患していない14万3,410人の女性看護師
を対象に、
- 夜勤や交替シフト
- 不健康な生活習慣
と、
- 糖尿病のリスク
の関連について追跡調査したのです。
シフト勤務については、
- 日勤
- 準夜勤
- 月3回以上の夜勤
とし、
不健康な生活習慣としては、
- 喫煙
- 身体活動が1日に30分未満
- 食事の質
- BMIが25以上
としています。
その結果、
22~24年の追跡期間中に、
- 1万915人の看護師が糖尿病を発症
したのですが、
- 夜勤の期間が長い看護師では糖尿病のリスクが上昇する
- 不健康な生活様式が多い看護師では糖尿病のリスクが5倍以上も高い
ということが判明したのです。
夜勤の期間が長くなるごとに糖尿病のリスクが高く、
喫煙食事の質などの不健康な生活様式が1つ増えるごとに糖尿病のリスクが高くなり、
夜勤期間が長く、不健康な生活様式が多い看護師では糖尿病のリスクが5倍以上も高いという結果が明らかになったのです。
さらに、
夜勤期間の年数が長くなるにつれて、
- 喫煙が多い
- BMIが高い
ということもわかっています。
研究グループは、
2型糖尿病は、健康的な生活様式を守ることで予防が可能で、
看護師のようなシフト制の夜勤がおおい労働者では、
健康的な生活様式を守ることがより糖尿病の予防に重要である、
と述べています。
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糖尿病を予防するには睡眠の質が大切です
以上のように、糖尿病の原因には睡眠も大きく関わっているのですが、
でもお知らせしたように、
睡眠時間が9時間以上と長いと糖尿病のリスクが高い
ということも判明しており、
糖尿病を予防するには「睡眠時間」よりも「睡眠の質」が大きく影響するのです。
糖尿病の発症では炭水化物(糖質)の摂りすぎが大きく影響しているのですが、
でもお知らせしたように、
糖質制限では糖尿病だけでなく不眠症も解消できるのです。
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