飲酒は糖尿病の原因

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

飲酒と糖尿病に関する文献をいろいろ探してました。

すると、

  • 日本酒は血糖値を上げる、、、
  • 蒸留酒は血糖値を上げない、、、

というような文献ばかりが多くて、、

 

糖尿病の原因の一つは飲酒

 

これはあなたもよくご存じですよね。

醸造酒と言われる、

  • 日本酒
  • ビール
  • ワイン

などには糖質が多いので血糖値が上がるのです。

ですから、

血糖値が高い糖尿病の人は糖質が含まれていないウイスキーや焼酎が良いというのです。

 

今回私が知りたかったことは、

飲酒は糖尿病の原因になるのか?

ということなのです。

 

どうも、

過度の飲酒は糖尿病の原因になるようです。

 

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過度な飲酒はインスリン抵抗性を上げる

アメリカのマウントサイナイ医科大学の附属病院の研究グループは、

過度な飲酒はインスリン抵抗性を上げ糖尿病のリスクを上げる

という研究論文を発表しています。

 

Binge drinking increases risk of type 2 diabetes by causing insulin resistance

 

詳しく見る ⇒  コチラ

 

 

研究グループは、

マウスを用いた実験で、

マウスに連日アルコールを投与し過度の飲酒と同じ状態にしました。

 

その結果、

過剰なアルコールを摂取したマウスでは、

  • インスリン抵抗性が高くなり
  • 血糖値が正常値より高くなった

ことが確認され、

 

同時に、

脳の視床下部という部分で炎症反応が起こり神経活動に異常があらわれていたと報告しています。

 

研究グループは、

飲酒による過剰なアルコール摂取は、

脳の視床下部で炎症を引き起こすため、末梢組織のインスリン受容体へのシグナル送信が阻害され、

  • インスリン抵抗性
  • 過食

が引き起こされ、糖尿病の原因となるしています。

 

 

過度な飲酒は、

  • インスリン抵抗性を引き起こす

だけでなく、

  • 食欲を亢進する作用もある

として、

糖尿病の原因になるというのです。

 

アルコールは、満腹中枢に作用して食欲を抑制する作用のある脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンを減少させるのですが、

飲酒量が多い人ではレプチンの濃度が低い傾向にあるそうです。

 

さらに、

過度の飲酒は肝臓や膵臓に障害することから、

  1. アルコール性肝炎によるインスリン抵抗性
  2. アルコール性膵炎によるインスリン分泌量減少

なども引き起こして糖尿病の原因になるのです。

 


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健康的な飲酒はありえない?

では、どの位の量ならお酒を飲んでも良いのでしょうか?

 

糖尿病ガイドライン2016では、

アルコール飲料の摂取については、

  • アルコール摂取量の上限は純アルコール20~25g/日が目安

としています。

 

純アルコール20gが含まれる適量の目安(ml)を知るためには、

   25÷度数(%)×100=適量(ml)

の計算式で算出できます。

 

アルコール度数5%のビールの場合では、 25÷5×100= 500 ml

アルコール度数17%のワインの場合は、  25÷17×100= 147ml

ということになり、

ビールだとロング缶1本ということです。

 

しかし、つい先日、

アメリカのワシントン大学の研究グループは、

健康リスクが最小限の安全な飲酒量など存在しない

という研究論文を発表しています。

 

Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990-2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016

 

詳しく見る ⇒ コチラ

 

研究グループは、

飲酒と疾病に関する1,300件以上の論文を解析し、

飲酒率や飲酒量と、

  • 心疾患
  • がん
  • アルコール関連死
  • 生存年

などについて調べたのです。

 

その結果、

  1. 世界におけるアルコール関連死は300万人以上
  2. アルコール摂取量が多いほどがん死のリスクが増加する

ということがわかったというのです。

 

そして、

健康損失を最小限に抑えるアルコール摂取量は0杯

と推算されたというのです。

 

研究グループは、

1日に1~2杯の飲酒は健康に良いという説は都市伝説

だと述べているのです。

 

ん、、、困った。

ノンアルコール、、毎日?

 

 

まあ、最後の結論はチョット見なかったことにして、

 

飲酒と糖尿病の関係については、

  • お酒に含まれる糖質により血糖値が上昇する

というリスクだけでなく、

  • インスリン抵抗性を上げて血糖コントロールを悪化させる
  • 食欲を増進させ肥満になる

ということで、過度な飲酒は糖尿病の原因になるようです。

 

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