酒の飲み過ぎは糖尿病のリスクを上げる

これから忘年会シーズンでお酒を飲む機会が多くなります。

血糖値が高いならお酒を控えた方が良いのでしょうか?

ビールや日本酒には糖類が多いとして、

糖質ゼロのビールの人気も高まっています。

糖尿病のリスクを上げないために酒の量はホドホドに

血糖値が気になるなら、焼酎やウイスキーが良いと言われるのですが、

お酒の種類と糖尿病の関係」でご紹介しましたように、

海外の大規模疫学調査では、

お酒の種類と糖尿病の発症率には関連がない

との結果が得られているのです。

さらに、

鹿児島大学の研究グループは、

芋焼酎は食後の血糖値を下げる

という面白い研究成果を発表しています。

では、

血糖値が高くてもお酒をガンガン飲んでも良いのか?

そうではなさそうです、、、

 

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酒の飲み過ぎは糖尿病のリスクが高い

長野県佐久地方の住民を対象にした糖尿病の大規模疫学調査がおこなわれているのですが、

帝京大学の辰巳友佳子教授らの研究グループは、

 

飲酒量が増えると

インスリン分泌が低下する

インスリン抵抗性が高くなり

糖尿病のリスクが高くなる

との研究成果を発表しました。

 

Association between alcohol consumption and incidence of impaired insulin secretion and insulin resistance in Japanese: The Saku study.

•The risk of developing impaired insulin secretion increases with increase in alcohol consumption.
•The risk of developing insulin resistance increases with increase in alcohol consumption.
•There is no sex difference in the associations between alcohol consumption and the risk of insulin action.

 

    詳しく読む ⇒ コチラ

 

この研究は、

佐久中央病院で健康診断を受けた、

  • 糖尿病や糖尿病予備群でない、
  • 30~74歳の2,100人、

を対象に、

週当たりの飲酒量によって、

  1. 非飲酒者(0g)
  2. 軽度飲酒者(男性:1~139g、女性:1~69g)
  3. 中程度飲酒者(男性:140~274g、女性:70~139g)
  4. 多量飲酒者(男性:275g以上、女性:140g以上)

に分け、

2014年3月末まで約17年間にわたって追跡調査し、

  • インスリン分泌機能
  • インスリン抵抗性

を調べたのです。

アルコール量20gとはビール500mL、ワイン180mLに相当しますから、

 

  • 軽度飲酒者  毎日ビールロング缶を1本を飲む男性
  • 中程度飲酒者 毎日ビールロング缶を2本を飲む男性
  • 多量飲酒者  毎日ビールロング缶を2本 以上飲む男性

ということになります。

 

その結果、

  • インスリン分泌不全   : 708例
  • インスリン抵抗性が高い : 191例

が認められ、

  • インスリン分泌不全は軽度、中程度、多量飲酒者の順に高くなる
  • インスリン抵抗性も軽度、中程度、多量飲酒者の順に高くなる

という結果だったのです。

 

  1. インスリン分泌障害は飲酒量の増加に伴って増加する
  2. インスリン抵抗性のリスクは飲酒量の増加に伴い高くなる
  3. これらの障害には男女の性差はない

ということで、

飲酒量が増えるほど糖尿病のリスクが高くなるということがわかったのです。

 


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糖尿病のためお酒の量はホドホドに

すでにお知らせしましたから読んでくださったと思うのですが、

 

欧州の研究グループは、

常時、適量のアルコールを摂取すると糖尿病のリスクが下がる

という研究結果を発表しており、

酒飲みの私などは喜んだのです。

  詳しく見る ⇒ 糖尿病ならどんなお酒をどの位飲んで良いのか?

 

鹿児島大学の研究グループは、

芋焼酎は食後の血糖値を下げる

という嬉しい研究成果を発表していますし、

 

 

欧州と米国の大規模疫学調査では、

お酒の種類と糖尿病発症率には関連がない

という論文を発表しています。

 


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  • 糖質ゼロ
  • カロリーオフ

というようなビールに人気が出ているのですが、

  • ビール嗜好の人のハザード比は : 1.06
  • ワイン嗜好の人のハザード比は : 0.99
  • 蒸留酒嗜好の人のハザード比は : 1.19

であり、

お酒の種類と糖尿病の発症率には関連がない

ということが明らかになっています。

 

しかし、

今日ご紹介した日本人を対象にした疫学調査では、

多量の飲酒は糖尿病のリスクを上げる

ということのようです。

 

厚生労働省の「e-ヘルスネット」でも、

適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性が推定されています。

しかし多量飲酒は発病の危険性を高め、特に肝障害や膵障害が加わるとコントロールが難しい糖尿病になるため、糖尿病患者さんは多量飲酒は避けるべきです。

と、糖尿病患者における多量飲酒を警告しています。

 

 詳しく読む ⇒ 厚労省eヘルスネット

 

 

適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性があるのですが、

多量の飲酒は糖尿病のリスクを上げる

のですから、飲酒はホドホドにということです。

 

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