高齢者の糖尿病を改善する秘けつ
年齢が進むにつれて糖尿病になる頻度は高くなります。
国内の糖尿病有病者約950万人の2/3は65歳以上の高齢者だといわれています。
これは加齢に伴って、
- インスリンの分泌が少なくなる
- インスリンの働きが悪くなる
ということが背景にあるのです。
高齢者では血糖低下薬の服用で低血糖が起きやすいというリスクがあり、
低血糖は、認知症、心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高める危険があるのです。
では、高齢者の糖尿病改善ではどんなことを心掛ければ良いか、
高齢者の糖尿病の改善の秘けつはズバリ筋肉量のアップなのです。
高齢の糖尿病の秘けつは低血糖を防ぐこと
日本糖尿病学会と日本老年医学会は2016年5月に、
高齢者の糖尿病患者が目指すべき血糖管理の目標
を定めました。
詳しく見る ⇒ 日本糖尿病学会
一般成人における血糖値コントロール目標は、
HbA1cで7%未満
ですが、
高齢の糖尿病患者では、
健康状態などに応じて、
- 7%未満
- 7.5%未満
- 8%未満
- 8.5%未満
のいずれかを目標に定めるように指導しています。
この、
高齢者の7%未満~8.5%未満という目標は一般成人の7%未満よりも緩やかなのですが、
その理由は、
低血糖を防ぐため
なのです。
低血糖とは糖尿病の薬が効き過ぎるなどによって血糖値が下がり過ぎること
なのですが、
高齢者では、
- 薬を分解する肝臓機能が低下している
- 薬を排せつする腎臓機能が低下している
などから、
血糖を低下させる薬が効きすぎることが多いのです。
高齢者が低血糖におちいると、
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 認知機能の低下
- 意識混濁による転倒や骨折
などをおこしやすくなり、非常に危険なのです。
さらに、
- 自律神経機能の低下
- 認知機能の低下
などがある高齢の糖尿病患者では低血糖に気づきにくくなることから、
高齢者の血糖管理目標は、
- 認知症の有無
- 日常生活の活動性
- 血糖低下薬の服用状況
などにより、細やかに設定されているのです。
糖尿病の治療目標は、
高血糖を改善する
ことなのですが、
高齢者の糖尿病の治療の秘けつは、
- 高血糖を改善する
- 低血糖を起こさない
という2つが肝心なのです。
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高齢者の糖尿病改善の秘けつは筋肉量
少し前になるのですが、NHKテレビで、
治療の秘けつ「高齢者の糖尿病」
という番組を放映しましたがご覧になられたでしょうか?。
その内容を簡単にご紹介したいと思います。
内容は、
- 新たな血糖管理の目標
- 低血糖のリスク
- 低血糖を防ぐには
- 健康状態と薬で変わる目標値
- 筋肉減少にも注意
でした。
「新たな血糖管理目標」、「低血糖のリスク」については上でお知らせしたことと同じですね。
その他の項目についてご紹介しましょう。
低血糖を防ぐには
低血糖を起こすと重大な疾患にも結びつくことから低血糖を防ぐことが重要なことはもう理解していただけたと思います。
糖尿病の治療薬を服用する目的は血糖値を下げることですが、
低血糖を防ぐには、低血糖を起こしやすい糖尿病の治療薬を薬を知っておくことが大切です。
低血糖を起こしやすい治療薬は、
- インスリン製剤
- スルホニル尿素薬
- 速効型インスリン分泌促進薬
などが相当します。
詳しく見る ⇒ 糖尿病の治療薬とサプリメント
具体的には、
- インクレチン薬
- SU薬
- グリニド薬
がそれに当たります。
処方されたときに注意されてはいると思いますが、
これらの薬を服用しているときには、
いつもの量を服用しても、
- 食事を抜いた
- 食事の量が少なかった
- 激しい運動をした
というようなときには血糖値が下がりすぎてしまうこともあるので、要注意なのです。
筋肉の減少を防ぐのが秘けつ
年齢を重ねるにつれて、筋肉が減少して筋力が衰えていきます。
筋肉減少
これが高齢者の糖尿病改善の大きな秘訣なのです。
もちろん運動も大事なのですが、
筋肉の減少を防ぐことは糖尿病の改善に大きく役立つのです。
筋肉が減少すると基礎代謝量が減少する
からです。
筋肉量が減少すると筋肉のブドウ糖消費量が減少し、血糖値が上がりやすくなるのです。
糖尿病の原因には、
- すい臓のインスリン分泌量の低下
- 肥満によるインスリン抵抗性の増加
- 筋肉量の減少
の3つが大きく関わっているのです。
運動することは、
- 運動による筋肉のブドウ糖消費を高める
- 筋肉量の減少を防ぎ基礎代謝量を増やす
という2つの目的があるのです。
高齢者では筋肉量を維持するための運動を積極的に行うことが必要です。
高齢者における筋肉量の維持に向いた運動はスクワットがおすすめです。
スクワットは下記の写真のように、しゃがんだり立ったりする運動です。
この運動では、大腿部の前部の筋肉やハムストリングという大腿部の後ろの筋肉が鍛えられます。
キツければ、椅子に座ったり立ったりする運動でも同じような部位が鍛えられます。
大腿部の筋力が鍛えられれば、
糖尿病の改善が見込められるだけでなく、高齢者に多い転倒による骨折なども防ぐことができるのです。
高齢者の糖尿病の改善の秘けつはズバリ筋肉量のアップなのです。
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