このサイトを読んでくださっている方は、全粒粉は糖尿病に良いことはもうご存じですよね。
全粒粉は糖尿病だけでなく、心血管疾患、がん、呼吸器疾患など全死亡のリスクを下げることをイギリスの研究グループが明らかにしました。
まだ全粒粉のパンにしていなかった方は明日から全粒粉のパンにしてください。
全粒粉は全ての死亡率を低下させる
全粒粉の食品は健康に良いと言うことは多くの人がご存じだと思います。
そして、全粒粉はもちろん糖尿病にも良いのです。
しかし、、、
イギリスの研究グループは、
全粒穀物の摂取は、心血管疾患、がん、全死亡、呼吸器疾患、感染症、糖尿病、非心血管疾患、または非がんによる死亡のリスクを低下させる
ことを明らかにしたのです。
全粒粉の食品の摂取量と2型糖尿病、心血管疾患のリスク低下が関連することは今までにも報告されていましたが、慢性疾患や死亡リスクをも低下させることが明らかになったのです。
Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies.
BMJ (Clinical research ed.). 2016;353;i2716. doi: 10.1136/bmj.i2716.
この研究を行ったのは、イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究グループです。
この研究は、
穀物摂取と各種疾患の発症と死亡リスクとの関連についての45件の報告結果をメタ解析したのです。
すなわち、2016年4月3日までに発表された、全粒穀物の摂取量と心血管、がん、全死因または死因別死亡リスクとの関連について報告した45件(64論文)について、を特定し、前向きメタ解析を行ったのです。前向きメタ解析とは疫学調査でおこなわれる解析方法で、過去に独立して行われた複数の臨床研究のデータを収集・統合し、将来的のその結果が出るか否か調べる統計的方法です。
全粒穀物の摂取量は、90gを3食分(1食分は全粒パン1枚、または全粒シリアル1カップ、または全粒ピタパン1.5枚など)とした。
全粒穀物を1日に90g摂取すると、
心血管疾患の発症リスクが22%、全死亡リスクが17%低下
全粒穀物の摂取量が1日90g増えると、各発症リスクの低下は、
- 冠動脈疾患 : 0.81
- 脳卒中 : 0.88
- 心血管疾患 : 0.78
死亡の相対リスクの低下は、
- 全てのがん : 0.85
- 全死亡 : 0.83
- 呼吸器疾患 : 0.78
- 糖尿病 : 0.49
- 感染症 : 0.74
- 神経系疾患 : 1.15
- 非心血管疾患、非がんによる死亡 : 0.78
全粒穀物については、全粒パン、全粒シリアル、ブラン添加など特定の種類の全粒穀物で効果が見られたそうですが、
精製穀物、白米などでは、摂取量と死亡率の間に関連がほとんどなかったそうです。
全死亡のリスクを下げると言うことは、寿命を延ばすということです。
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全粒粉って何?
全粒粉についてはあなたもご存じでしょうが、少しおさらいをしましょう。
全粒粉(ぜんりゅうふん、英語:whole wheat flour)とは、小麦粉の一種。小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたものである。
一言で言うと、
小麦を丸ごと(皮ごと)すりつぶして粉にしたもの
です。
小麦は白い部分の胚乳、芽になる部分の胚芽、そして外側の表皮からなっています。
通常の小麦粉は、この表皮や胚芽を取り除いて白い胚乳部分のみを使った、薄力粉、強力粉などですが、全粒粉は、全てまるごと粉にした小麦粉というわけです。
胚乳だけを用いる通常の小麦粉と比べ栄養価が高く、薄力粉と比較して3倍程度の食物繊維や鉄分を含み、ビタミンB1の含有量も高いのです。
ただし、不純物を多く含むため、粉の色はやや茶褐色を帯び、全粒粉を使った製品はそれら不純物による独特の風味と食感を持つのです。
しかし、、、。不純物と言ってもゴミではありませんので誤解のないように。
全粒粉を使った食品と言えば、全粒粉パンなど、ライ麦パンなどで海外では一般的に食べられていますが、日本では残念ながら精製された小麦粉を使った食パンが人気です。
全粒粉は糖尿病に良い
全粒粉の食べ物はどうして糖尿病に良いのか?
日本では、全粒粉を使った食品はパン以外にも、「全粒粉うどん(株・ヤマジ)」や、「玄蕎麦」、「丸挽き蕎麦」などもあります。
最近では、ラーメンでも全粒粉を使った麺を出すラーメン店もあります。
また、粉にはしていないのですが、玄米ごはん、麦ごはんも全粒粉食品と同じ効果が期待出来ます。
全粒粉の食品では、胚芽も使っていますので栄養価が高く、豊富なビタミンが含まれていますが、それだけではありません。
食物繊維が多い
ことです。全粒粉を使った食品や玄米ご飯、麦ご飯には食物繊維が多いのが特徴です。
食物繊維が多い食品は食後の血糖値の急上昇を抑える
のです。
野菜から食べると血糖値が急上昇しない
と、血糖値が高いヒトは食べる順番が大事と言うことと同じことなのです。
血糖値が高いヒトはGI値の低い食べ物を摂ることが大事ですが、これも食物繊維の多い食品は食後血糖値を上げにくいからです。
全粒粉を使った食品は血糖値を上げにくいのです。
全粒粉は糖尿病だけでなく、心血管疾患、がん、呼吸器疾患、感染症のリスクを下げ、さらには寿命を延ばすことも明らかになったのです。
明日からは全粒粉のパン、玄米食にしてみませんか?
外食で食物繊維の摂取が少ないときには白井田七人参のようなサプリメントもお薦めです。
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