糖尿病の自覚症状と自己診断

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

糖尿病は自覚症状がないと言われ、気付いたときには合併症を併発していたということも希ではありません。

しかし、厚労省の受療行動調査では、40%の人が自覚症状があったと答えています。

貴方も、だるい、のどが渇く、汗をかく、、などの変化があったら糖尿病を疑って下さい。

 

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糖尿病の自覚症状を見逃している人が多い

糖尿病では、良く、自覚症状がないと言われます。

また、

糖尿病だと気が付いた時には合併症が併発していたということも希ではありません。

 詳しく見る ⇒ 糖尿病で自覚症状がでたら手遅れ

 

しかし、

厚生労働省が2011年に行った受療行動調査によると、

糖尿病と診断された外来患者の半数は自覚症状がなかったと答えたとのことです。

  1. 自覚症状がなかった : 40.0%
  2. 自覚症状があった  : 40.9%

このことを貴方はどのようにとらえますか?

 

しかし、

糖尿病だと診断された半数は自覚症状があったと答えているのです。

糖尿病だと診断された人の半数は、「自覚症状を感じていた」のです。

 

さらに、

糖尿病の合併症(神経障害)で足を切断する人が年間2万人もいるのですが、 

日本糖尿病対策推進会議が、国内約20万例にも及ぶ糖尿病神経障害の大規模調査では、

  1. 足に何らかの自覚症状を感じていた : 54%
  2. 足の外観異常を感じていた  : 58%

糖尿病の合併症についても自覚症状を感じていながら無処置のままでいる人が多いことが分かっています。

 


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糖尿病の自覚症状

このブログでも、糖尿病は早期に見つけて適切な対策をおこなえば糖尿病から逃れられるということを何度も書いてきたのですが、お読みいただけたでしょうか。

  詳しく見る ⇒ 糖尿病の自覚症状をチェックしてみよう

 

まあ、その記事と重複するところも多いのですが、糖尿病では早期発見と言うことが非常に重要ですから、此処でも簡単に纏めてみましょう。

 

糖尿病を疑うべき4つの自覚症状

  1.  喉が渇く

    血糖値が高くなると血液の浸透圧が高くなり、細胞の水分が血液中に取り込まれてしまいます。
    そうすると、体内の細胞の水分が減少し、のどの渇きを覚えるのです。同時に、唾液分泌も減少することから口内が乾きやすく、さらに喉の渇きを感じるのです。唾液の分泌も減少しますので、口内は粘りけを感じたり口臭が強くなることもあります。

  2.  トイレが近く尿量が多い

    頻尿や多尿、尿量の増加は血糖病のサインです。上に書きましたように、高血糖になると細胞柱の水分が血液中に環流されるため血液量が増加し、腎臓では血液中のブドウ糖と一緒に水分も尿として体外に排泄されるためです。
    糖尿病では昼夜に関係なく排尿の回数が増え、喉の渇きで水分をたくさん摂るためにさらに尿量やトイレの回数が増えるのです。
    血液中のブドウ糖が尿と一緒に排泄されるために尿に甘い匂いを感じることもあります。大昔は、尿にアリが集まってきたら糖尿病だと言われたこともあります。

  3.  疲れる・だるい

    疲れやすく、休んでもだるさが取れないのも糖尿病の初期症状です。
    食事は体内で消化され血液中に取り込まれてエネルギーとして利用されるのですが、インスリンの分泌が低下したりインスリンの働きが悪くなると、身体は常にエネルギー不足状態となり、疲れが溜まってしまいます。

  4.  食べてるのに体重が減る

    きちんと食事をしている、食欲もありたくさん食べているはずなのに体重が減少する。
    これも、糖尿病の自覚症状の一つです。糖尿病の人は肥満体のイメージが強いのですが、糖尿病が進行するときちんと食事をしてもインスリンの働きが悪くなったり、インスリンの分泌が減少するために、血糖がエネルギー源として充分に利用できないために体内の脂肪や蛋白質がエネルギー源として使われ体重が減少してしまうのです。

 


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糖尿病の自覚症状がでたら受診を

糖尿病では自覚症状に気が付きにくいので、定期的に健康診断を受ける必要があります。

 詳しく見る ⇒ 糖尿病は自覚症状がないから定期受診が重要

しかし、

 会社の定期診断で血糖値に異常がないから大丈夫

と安心していてはいけません。

 

会社の健康診断で測定されるのは、「空腹時血糖値」です。

健康診断の前日は、“夜9時頃までに夕飯を済まして下さい”といわれませんか?

それは、健康診断時に「空腹時血糖値」を測定するためです。

 

しかし、

空腹時血糖値の検査では、糖尿病予備軍が見つからないことも多いのですのです。

食後血糖値が高くても、夕食後10時間も経過すれば正常人と同じレベルまで低下するからです。

 

糖尿病を自己診断するには自覚症状に注意

健康診断での空腹時血糖値の検査は全く無意味ではないのですが、血糖の状態を正確に知るためには、

HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)を測定する必要があります。

 

HbA1cというのは、赤血球のヘモグロビン(Hb)に血糖(ブドウ糖)が結合しグリコヘモグロビンの一つです。

 

血糖値が高い状態が長く続くと、血液中のブドウ糖はヘモグロビンと結合し、

ヘモグロビンは肝臓で破壊されるまでの数週間、離れることはないために、HbA1cを測定すれば過去数週間の血糖の状態を知ることができるのです。

 

糖尿病を自己診断するには自覚症状とHbA1cの測定

 

HbA1cは食後、空腹時など食事の影響を受けにくいため、現在では空腹時血糖値よりもより貴方の血糖の状態を知ることができるのです。

糖尿病の自覚症状があり、健康診断でHbA1cを測定していないのであれば、

直ぐに近くの内科や、会社の医務室で採血をして貰い、HbA1cを測定することをお薦めします。

 


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血糖値を上げるのは炭水化物だけ

糖尿病は早期に見つけて適切な対策をおこなえば糖尿病から逃れられるということを何回も書いてきました。

適切な対策とは、

食後血糖値をできるだけ上げないことです。

上の図にも示しましたが、食後高血糖が高いほどインスリンの分泌が必要となり、最終的に、インスリンを分泌する膵臓が疲れ果ててしまい、インスリンの分泌が止まってしまうのです。

その様になると、インスリン注射しか方法がなくなります。

 

血糖値を上げるのは炭水化物だけ

しっかり知って欲しいのは、「血糖値を上げるのは炭水化物だけ」なのです。

肉を食べても魚を食べても血糖値は上げりません。

あなたの血糖値が高いのは炭水化物を摂り過ぎているからなのです。

自覚症状で糖尿病と自己診断したら直ぐに食事療法

 

食後血糖値を上げないためには

グルコーススパイクという、食後高血糖をできるだけ低く抑えるのが糖尿病を予防する方法です。

そのためには、

  1. 炭水化物の摂取量を減らす
  2. 炭水化物の吸収を遅くする

ことです。

炭水化物の量を減らすとして、「主食を摂らない食事法」、「糖質ゼロの食事法」などが言われていますが、我々日本人が「ご飯を食べてはいけない」、「麺類を食べてはいけない」ということが長期にわたってできるはずはないのです。

  1. 朝食のパンを半分にして卵料理を食べる
  2. 夕食のご飯を半分にしてステーキを食べる

これが本当の糖質制限食のやり方なのです。

あなたのできる範囲で炭水化物を少し減らす、これが、スタンダード糖質制限です。

炭水化物の吸収を遅くするには、食物繊維をたくさん摂ることです。

 

食べる順番を変えるだけで食後血糖値の上昇は変わるのです。

 

自覚症状で糖尿病の自己診断をしたら食事療法を始める

 

外食などで食物繊維が足りないときには、菊芋なや田七人参などのサプリメントの利用も有効です。

糖尿病は早く見つけて食事療法で治して下さい

糖尿病の食事療法は病人食ではなく健康食・長寿食です

 

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