8時間ダイエットは糖尿病に良い

製薬会社で20年以上、新薬の研究開発に携わった経験をもとに、科学根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えしています。
糖尿病治療では、日本糖尿病学会や厚生労働省も示しているように、食事療法と運動療法が基本です。

はじめに

「8時間ダイエット」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

1日のうち食事をする時間を8時間以内にし、残りの16時間は何も食べないという、とてもシンプルなダイエット方法です。

日本では「16時間断食」と呼ばれることもありますが、海外では「16:8ダイエット」として広く知られ、「時間制限食」として、肥満や糖尿病を対象とした研究も行われています。

8時間ダイエットは本当に痩せるのでしょうか?
糖尿病にも良いのでしょうか?

#糖尿病治療中の人では、血糖低下薬を飲みながら8時間ダイエットや16時間断食をおこなうと、低血糖症を引き起こす危険があるので必ず主治医に相談してください。

8時間ダイエットとは?

8時間ダイエットとは、

1日のうち食事をする時間を8時間以内にして、残りの16時間は食べない

という方法です。

たとえば、

  • 食べて良い時間:午前10時~午後6時
  • 食べて良い時間:正午~午後8時

など、自分の生活に合わせて「食事をして良い8時間」を決め、残りの16時間は「食事をしない16時間」とするのです。

「食べて良い8時間」では、8時間以内なら2食でも3食でも構いませんが、決まった時間に食べることが大事です。

「食べない16時間」では、水やお茶などカロリーのない飲み物で水分を補給します。

8時間ダイエットの特徴は、「1日のうち何時間食べているのか」に注目したダイエット法なのです。

8時間ダイエットは世界的に広まった食事法

8時間ダイエットは、2012年にアメリカの作家であるDavid Zinczenko氏らが「The 8-Hour Diet」を出版したことで世界中に広まりましたが、もともとはスウェーデンのフィットネス専門家Martin Berkhanが提唱した「16時間断食プロトコル」などの間欠的断食の概念がベースにあるといわれています。

David Zinczenko氏らは、「24時間食べ続ける生活スタイルが肥満や糖尿病の原因」であるとしてこの8時間ダイエット方法を提唱しているのです。

ジェニファー・アニストンやハル・ベリー、ヒュー・ジャックマンなど、海外の著名人が実践したことでも話題になりました。

参考:8時間ダイエットはなぜ人気?

詳しく見る ⇒ 8 Hour Diet

8時間ダイエットは糖尿病に良い

日本でも『8時間ダイエット』として翻訳本が出版されています。

「食べない時間」については、このサイトでも以前から取り上げています。

⇒ カルロスゴーンや堀江貴文はどうして拘置所や刑務所で痩せたのか

拘置所や刑務所では食事時間が規則正しく、夕食から翌朝の朝食まで長い時間、食事をしません。

8時間ダイエットで何を食べればよい?

8時間ダイエットでは、「8時間以内なら何をどれだけ食べてもよい」ということではありません。

肉や魚、卵、大豆製品などのタンパク質、野菜、乳製品などを組み合わせやバランスを考えることは普通の食事と同じです。

『The 8-Hour Diet』では、食生活に取り入れたい食品として、次のようなものが紹介されています。

  1. 卵や脂身の少ない肉
  2. 乳製品(ヨーグルトやチーズなど)
  3. ナッツ類
  4. 豆類
  5. ベリー類
  6. りんごやオレンジなどの果物
  7. 玄米や全粒粉パンなどの穀物
  8. 緑の葉物野菜

こうして見ると、特別な「ダイエット食品」ではありません。

このサイトでも紹介してきた、普段の食事に取り入れやすい食品ばかりです。

8時間という時間だけを守ればよいのではなく、8時間の中で何を食べるかも大切なのです。

オートファジー・ダイエットとは?

8時間ダイエットは「オートファジー・ダイエット」と言われることがあります。

オートファジーとは「自食作用」のことですが、細胞が自分の中にある古くなったタンパク質や壊れた細胞断片などを分解してエネルギー源とする仕組みのことで、特に、飢餓状態や栄養不足の際に自らを分解してエネルギー源にするのです。

8時間ダイエットでは「16時間断食」することになるので、「オートファジー」が働き、細胞内の老廃物が処理され細胞が若返るとの考えもあるのですが、オートファジーにより痩せるというわけではないようです。

8時間ダイエットの有効性が科学的に立証された

8時間ダイエットが世界で知られるようになってから10年以上が経ちましたが、食べる時間を一定時間に制限する方法は「時間制限食(Time-Restricted Eating:TRE)」として医学的見地からの多くの研究がなされています。

肥満とHbA1cが改善し食べる量も減少した

肥満で糖尿病の75人の患者を、

  1. 正午~午後8時までの8時間だけ食事をする
  2. 1日の摂取カロリーを25%減らす
  3. 通常の食生活を続ける

の3群に分け、6ヵ月間の追跡試験が行われました。

その結果、8時間の時間制限食を行ったグループでは体重が減少し、HbA1cも改善しました。

しかも、8時間の時間制限食グループでは、細かいカロリー計算を指示されていませんでしたが、実際には食べる量が自然に減っていたというのです。

参考文献:Effect of Time-Restricted Eating on Weight Loss in Adults With Type 2 Diabetes

糖尿病患者でHbA1cや空腹時血糖値が改善

糖尿病患者における時間制限食について行われた複数の研究をまとめて分析した結果、時間制限食はHbA1cや空腹時血糖値などを改善する可能性が示されています。

参考:Effects of time-restricted eating on people with type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis

現時点では、「16時間断食などの時間制限食をすれば糖尿病が改善する」と結論づけられる段階ではありませんが、糖尿病の食事療法では、
・食べる物
・食べる量
に加えて、
・食べる時間も重要
・食べる時間を短くすると食べる量も減る
ということが明らかになったということは注目すべき点です。

さらに、1型糖尿病でも8時間の時間制限食を6カ月間行った研究が発表され、体重減少やHbA1cの改善が報告されています。

  👉 8時間ダイエットは1型糖尿病でも減量!HbA1cも改善

はまやねんが8時間ダイエットで7.3kgの減量に成功

日本で8時間ダイエットが話題になったきっかけの一つが、テレビ番組で行われたダイエット企画でした。

お笑いコンビ「8.6秒バズーカー」のはまやねんは、YouTube番組の企画で、「1日の食事を、最初の食事を取ってから8時間以内に終わらせれば何を食べても痩せられる」という触れ込みで「8時間ダイエット」に挑戦したのです。

さらに、8時間ダイエットには軽い運動が効果的で特に空腹のピークである午前中の運動が効果的だとして「踏み台昇降運動」をしたそうです。

以前は好きなものを好きなだけ食べていましたが、食生活のリズムを整えた事で食べる量も少なくて済むようになってきて、10日目頃には昼食は「豚しゃぶサラダ」だけでお腹いっぱいになったそうです。

そして結果は、8時間ダイエット開始時の体重は91.9kg、ウエスト109cmでしたが、

  • 12日目:88.4kg
  • 21日目:84.6kg

3週間で7.3kgの減量に成功し、ウエストも9cm減少しました。

8時間ダイエットで減量

運動は踏み台運動だけですし、食事の量も自然と減っていったそうですから、ダイエット法としては簡単そうに思われます。

はまやねん8時間ダイエット
はまやねんInstagram

ま~、バラエティー番組のダイエット企画なんですから、、、ね。

多くの芸能人が8時間ダイエットに挑戦

その後、多くの芸能人達が8時間ダイエットに挑戦してそれぞれの成果を報告しているようです。興味のある方はご覧下さい。

👉 むめいさんはマンジャロを使わずにどうして痩せられたのか?

👉 チャンカワイさんは8時間以内なら大量に食べても太らない?

👉 菊地亜美さん17kg減量!ライザップ成功後に16時間ダイエット

いずれにしても肥満は食べる量と消費する量のバランスで決まるのですから、8時間ダイエットといえども食べ過ぎには要注意です。

まとめ

8時間ダイエットは、日本だけで一時的に流行したダイエット法ではありません。

海外では「16:8ダイエット」や「時間制限食」として、肥満や糖尿病において有効性を支持する研究も行われています。

8時間ダイエットのやり方は、

  1. 食べる時間を8時間以内にする
  2. 決まった時間に食べる
  3. バランスよく食べる

ということで、健康には良さそうです。

特に、若い人では食生活が夜型に移行する人も多いようですが、
・夕食を少し早く済ませ、その後のお菓子や夜食をやめる
ということだけでも、夕食から翌朝までの「食べない時間」は自然に長くなります。

現代人に必要なのは、無理に食事を抜くことよりも、夜遅くまで食べ続ける生活を一度見直すことなのかもしれません。

👉 【保存版】糖尿病に食べ方・悪い食べ方のまとめ

最終更新日:2026年9月