糖尿病でも血糖コントロールをしっかりすれば新型コロナは怖くない
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
二回目の緊急事態宣言で新規感染者数がやや減少してきました。
15日に新型コロナワクチンが承認され、いよいよワクチン接種が始まります。
糖尿病患者への新型コロナワクチンの接種は遅れる見込みでもお伝えしたように、
- 65歳以上で糖尿病なら4月からワクチン接種
- 65歳未満で糖尿病なら7月頃からワクチン接種
が始まります。
糖尿病の基礎疾患をがあっても65歳以下であれば7月まで待たなければならないのです。
しかし、糖尿病でも新型コロナは怖くありません。
糖尿病でも血糖コントロールをしっかりすれば新型コロナは怖くないのです。
糖尿病でも血糖コントロールをすれば新型コロナは怖くない
新型コロナウイルス感染はなかなか収まりません。
誰でも新型コロナウイルス感染のリスクがありますが、
糖尿病だと新型コロナウイルスに感染しやすいのではありません。
糖尿病の人が新型コロナウイルスに感染すると、
- 重症化しやすい
- 死亡リスクが高い
ということなのです。
新型コロナウイルス感染で糖尿病では9割が肺炎になるということも明らかになっていますし、
国内の調査では、糖尿病では新型コロナウイルス感染患者の10人に1人が入院後7日以内に死亡したということも報告されています。
しかし、海外の研究ですが、
新型コロナウイルス感染に感染した糖尿病患者を比較した試験で、
血糖コントロールが良好なグループでは、
血糖コントロールが悪いグループより生存率が高い
という結果も得られています。
さらには、新型コロナウイルス感染で糖尿病では9割が肺炎になる
ということも明らかになっています。
血糖コントロールを良好に保つには、
糖尿病専門医に処方された治療薬をきちんと飲んで、
定期的に専門医の診断を受けることです。
新型コロナに感染すると悪いから病院には行かないということは逆効果なのです。
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糖尿病で血糖値が高いと免疫力が低下する
糖尿病患者が感染症で悪化しやすいということは新型コロナウイルス感染に限ったことではありません。
新型コロナウイルス感染に限らず、糖尿病患者はインフルエンザなどでも重症化しやすく、気管支炎や肺炎などさまざまな感染症に罹患しやすいのです。
理由の1つとして、
- 高血糖では白血球の機能が低下し免疫力も低下する
からだということが明らかになっています。
人間のからだは常に体内に侵入しようとするウイルスや細菌と戦っているのですが、糖尿病ではこの感染防御機構が弱くなり、
- 好中球の貪食機能の低下
- 免疫反応の低下
- 血流の悪化
- 神経障害
などによりウイルスや病原菌と十分に戦えない状態になるのです。
さらに、
- 炎症性サイトカインが分泌され、
- インスリンが効きにくくなり、
糖尿病の状態が悪化して感染症をさらに増悪させるという悪循環が生じるのです。
糖尿病患者では、
新型コロナウイルス感染だけでなく、
- 尿路感染症
- 呼吸器感染症
- 胆道感染症
- 皮膚の感染症
- 歯周病
などにかかりやすく悪化しやすいのです。
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まとめ
糖尿病では新型コロナウイルス感染が重症化しやすいことが報告されていますが、
糖尿病では新型コロナウイルス感染に限らず、インフルエンザなどでも重症化しやすく、気管支炎や肺炎などさまざまな感染症に罹患しやすいのです。
しかし、きちんと治療をおこない血糖コントロールを保っていれば過度に怖れる必要はないのです。