ちょっとの減量で乳がんのリスクが下がる
糖尿病や肥満ではがんになりやすいことが多くの研究で明らかになっています。
糖尿病の人は糖尿病でない人より2倍もがんになりやすいことがわかっており、
2030年までに糖尿病で発生するがんは、
- 男性で26.5%増加
- 女性で53.2%増加
すると予測されているのです。
女性では、
糖尿病を併発した乳がんでは、
- 乳がんが治りにくい
- 乳がんの進行が早い
というリスクもあるのです。
しかし、
わずかな減量が乳がんのリスクを下げる
ことが明らかになりました。
3年間で5%減量すれば乳がんのリスクが低下するというのです。
60kgなら3年間で3kgだけのほんのちょっとの減量で効果があるのです。
あなたもできるのではないでしょうか?
肥満や糖尿病は乳がんのリスクを上げる
肥満は糖尿病の大きな原因の一つです。
そして、糖尿病はがんのリスクを高めることも明らかになっています。
肥満は乳がんのリスクを高める
女性特有のがんは、
- 子宮がん
- 乳がん
- 卵巣がん
ですが、
子宮がんや卵巣がんの罹患率は減少しているのですが、
乳がんの罹患率は年々増加しているのです。
2006年の厚生労働省の疫学研究では喫煙により乳がんのリスクが増加する可能性があるとしていますが、
2014年に国立がん研究センターは、
肥満は閉経前・閉経後とも乳がんリスクファクターである
ことを明らかにしています。
肥満と乳がんリスクとの関連については、
欧米の疫学的研究により、
肥満は閉経後の乳がんのリスクを上げる
ことが示されています。
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国立がん研究センターは、
日本人を対象にした大規模疫学研究において、「肥満と閉経後、閉経前の乳がんの関連性」について解析し、
肥満は閉経前・閉経後のいずれの乳がんでもリスクファクターである
ということを明らかにしたのです。
詳しく見る ⇒ 国立がん研究センター
閉経後の肥満女性では皮下脂肪組織が女性ホルモンの供給源になることから乳がんのリスクが高まるのです。
閉経前の乳がんと肥満については、
海外の報告では、
閉経前の肥満は乳がんのリスクを上げる傾向にあるといわれていますが、
日本人の女性を対象にした調査では、
閉経前においても肥満は乳がんのリスクを上げることが明らかになったのです。
この違いは、欧米の女性における閉経前の肥満ではBMI30以上などの過体重や肥満が多く無排卵やエストロゲンレベルの低下などの傾向があるのに比べ、日本人女性では極端は肥満が少ないためではないかと考えられるからなのです。
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少しの減量で乳減のリスクが下がる
肥満では乳がんのリスクが上がることが明らかなのですが、
昨年末にアメリカで開かれた第40回サンアントニオ乳癌シンポジウムで、
閉経後に3年間で5%減量すると乳がんのリスクが12%低下する
という研究報告が発表されました。
詳しく見る ⇒ CareNet
この研究はアメリカのシティ・オブ・ホープ病院の研究グループによるものですが、
米国立衛生研究所のWomen’s Health Initiative研究に参加した、
- 50~79歳の乳がんの既往歴い閉経後の女性6万1,335人
を対象にしたもので、
- 3年間の体重変化と乳がんの発生率
を調査したものです。
その結果、
- 追跡期間中に3,061人が乳がんを発症した
のですが、
体重に変化がみられなかった女性に比べて、
- 3年間で5%以上減量した女性では乳がんの発症リスクが12%低下した
- 3年間で15%以上減量した女性では乳がんリスクは37%低下した
ということが分かったのです。
今回の研究では減量するとどうして乳がんのリスクが低下するかについてまでは明らかでありませんが、
研究グループは、乳がんの発症にはさまざまな因子が関連しているが、減量によって身体の炎症が抑えられたことで乳がんのリスクが低下した可能性が考えられるとして、
適正体重にまで減量できなくても、ちょっとの減量で乳がんリスクが低下することが明らかになり、
5%程度で効果があれば減量にも取り組みやすく体重も維持しやすいことから多くの女性にとって励みになるだろう、
とコメントしています。
いかがですか?
閉経後に3年間で5%程度減量すると乳がんの発症リスクが12%低下する可能性があるというのです。
減量すれば糖尿病のリスクも低下するのです。
減量は、
- ツライ
- 困難
というイメージが大きいのですが、3年間でたった5%というちょっとの減量でも有効なのです。
体重60kgであれば3年間で3kgの減量で良いのです。
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