糖尿病の治療費は高い

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

国内の糖尿病患者数は950万人、国民の5人に1人が糖尿病かその予備軍なのです。

糖尿病患者の4割は治療が高いから治療を止めたいと思っているそうです。

糖尿病は服薬を始めたらずっと続ける必要があります。

血糖値が高いなら早めの食事療法で糖尿病体質を改善することが一番です。

 

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糖尿病の医療費はいくらか?

平成24年に厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によると、強く糖尿病の疑いが持たれるヒト約950万人、糖尿病の可能性を否定できないいわゆる糖尿病予備軍は約1,100万人いると推定され、

合計で約2,050万人が糖尿病もしくは糖尿病予備軍で、国民の5人に1人が糖尿病か糖尿病予備軍に相当しているのです。

糖尿病の有病数は5年に1回調査されており、前回より約60万人増加しているそうです。

糖尿病の医療費が急増

国民医療費は、国民が医療機関で病気や怪我などの治療を受けた時に要した費用の総額ですが、2012年度は39兆2,000億円と、6年連続で上昇を続け、過去最高を更新しています。

その内、糖尿病に関する医療費は1兆2,088億円で、前年度に比べて64億円減ったものの、国民医療費の3%余りを占めています。

 

しかし、これには、糖尿病腎症などの糖尿病合併症の医療費は含まれておらず、実際の糖尿病の医療費はもっと多いと見られ、疾患別でみると糖尿病の医療費は過去20年で大幅に増加しているそうです。

年齢別で見ると、65歳未満で4,393億円ですが、65歳以上では7,821億円と、65歳以上が3分の2を占めているのです。

2012年の糖尿病治療薬市場規模は3,688億円でしたが、2021年は5,500億円超と、10年間で1.5倍まで拡大すると見られ、今後とも糖尿病に関する医療費は増加を続けるのです。

 


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糖尿病の治療費は高い

経済アナリストの森永卓郎氏は糖尿病です。
糖尿病専門のクリニックに月1回受診し、現在は3種類の薬とインスリン注射での治療を行っているそうです。

インスリン注射をしているという森永氏はこのように述べています。

現在、私はインスリン注射による糖尿病治療を行っていますが、ひと月あたり10000~15,000円ほどの治療費を支払っています。この出費が毎月続くことは、軽い負担ではありません。患者さんの中には治療費をねん出するために生活を切り詰めたり、先生に治療の中断を申し出たりする人もいるかもしれません。

糖尿病ネットワークが2009年に行った「糖尿病の医療費」に関するアンケート調査でも、7割の患者が“重い負担を感じている”と回答しており、長期にわたって定期的な通院を要する糖尿病では、患者は大きな経済的負担を強いられるのです。

 

治療費が高く治療を中止する患者も多い

大阪府の保険医協会が実施した興味深いアンケート調査があります。

この調査では、経済的な理由で患者が治療中断を申し出た病気を調べたものですが、で最も多かったのが、

糖尿病では経済的理由で治療中断を希望した患者が最も多かったそうです。

第2位は高血圧だったそうですが、糖尿病や高血圧は喘息やうつに比べて自覚症状がないことから、「薬代が高いから治療をやめたい」と思う患者が多いのでしょう。

しかし、自覚症状がない、薬を飲んでも体調に変わりがない、、ということで服薬を止めれば、糖尿病合併症に向かってまっしぐらなのですが、、、

糖尿病では病気が進むほど治療費が高い

また、製薬会社イライリリー社の調べでは、糖尿病患者の44%が治療をやめたいと考えたことがあるそうで、その理由のトップが医療費負担が重いという理由だったそうです。糖尿病の治療費は高いから止めたいという人が多い

 


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糖尿病は重症化するほど医療費が高い

国立循環器病研究センターの岸本医師らの研究グループは、糖尿病の地域診療の現状把握するため、約1,000人の糖尿病患者にアンケート調査を個なったのだそうですが、結果によると、

  1. 約半数が血糖管理目標に達していない
  2. 特に50代後半から60代に血糖管理が悪い方が多い
  3. 4割以上が眼科を定期受診していない
  4. 8割以上が糖尿病連携手帳を持っていない

と、半数以上の患者で血糖値のコントロールが不充分で、合併症である糖尿病網膜症の予防検診も受けていないなどのことが判明したのです。

ご存じのように、高血糖状態が長く続くと、

  • 糖尿病神経障害
  • 糖尿病網膜症
  • 糖尿病腎障害

などの合併症が引き起こされ、糖尿病が怖いのはこの合併症なのです。

 

成人における失明の第一の原因は糖尿病ですし、糖尿病腎症で人工透析するヒトは毎年3,000人づつ増えており、アルツハイマーも糖尿病の合併症だと言われています。るなのです。

糖尿病が重症化するほど医療費が高くなる

医療経済研究機構による「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書」によれば、

 糖尿病患者一人当たりの平均的な医療費は年間24.7万円

(平成15年度:3割負担では7.4万円=月額約6,000円)だと報告されています。

しかし、糖尿病は治療の内容や処方する治療薬の種類や量、さらには合併症の有無などによって大きく異なります。

糖尿病ネットワークでは、一定の条件を仮定し、治療方法に応じて3つのケースを想定、毎月の治療費と自己負担額を試算しています。

  詳しく見る ⇒ 糖尿病ネットワーク

【食事・運動療法のみ】 : 年間の自己負担は約4万3,000円。
 再診料や特定疾患療養管理料、検査料などのベーシックな診察費用のみで、月額の医療費は12,130円、自己負担額(3割)は約3,600円。年間の自己負担は約4万3,000円。

【経口薬療法(2種類)】:年間の自己負担は約9万円。
 2種類の薬剤を院外処方された場合、処方箋料、調剤料、薬剤料などが加わり、月額の医療費は約2万5,110円、自己負担額(3割)は約7,500円。年間の自己負担は約9万円。

【インスリン療法+経口薬療法+血糖自己測定(月60回)】 : 年間の自己負担は約13万2,000円
 インスリン療法は、薬剤の費用に、在宅自己注射指導管理料や血糖自己測定の指導管理加算などが加わり、月額の医療費は3万6,580円で、自己負担額(3割)は約1万1,000円。年間の自己負担は約13万2,000円。

初期の治療では、年間の自己負担額は4万円程度ですが、インスリン注射を行うようになると13万円以上になります。

 

経済アナリストの森下卓郎氏も、月1回クリニックで受診し3種類の薬とインスリン注射による治療で月15,000円程度の治療費を払っていると言っています。

さらに、糖尿病合併症である糖尿病腎症になってしまえば人工透析が必要になり、最悪の場合には障害者保健の支給を受けざるを得ないことになってしまいます。

 詳しく見る ⇒ 糖尿病の障害年金基準

 

糖尿病は早めの食事療法が有効

糖尿病の治療は一度始めたら止めることが出来ません。

血糖低下薬を飲めば血糖は低下しますが、服用を止めれば血糖は再び上昇してしまいます。

高血圧の治療と同じで、生涯飲み続けなければなりません。

振り返ってください。

糖尿病の初期の治療は何だったでしょうか?

  1. 食事療法+運動療法
  2. 食事療法と運動療法で改善しなければ薬物療法

糖尿病学会の推奨は、「まずは食事療法」なのです。

その理由は簡単です。

血糖を上昇させるのは食物の炭水化物だけだからなのです。

  • 朝食のパンを半分にする
  • 夕食のご飯を半分にする

これだけでも血糖値はかなり改善されるはずです。

 詳しく見る ⇒ 糖尿病の食事療法は糖質制限がベスト

その他には、

  • ゆっくり食べる
  • 食物繊維の多いものを食べる

ことによって、満腹感を促し、食後血糖値の上昇を抑えることが出来、

 糖尿病体質が改善できる

のです。

外食で野菜が足りない、食物線維が足りない、、などと言うときには、

 菊芋や、田七人参のような自然のものから作ったサプリメントなどの利用も有効でしょう。

糖尿病の食事療法は無理することはありません。

しかし、

糖尿病の食事療法は早ければ早いほど有効です。

 

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