糖尿病でも血糖値を下げれば認知症のリスクが下がる

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。

 

はじめに

糖尿病では認知症のリスクが高いことをご存じですよね。

このサイトでも、

糖尿病になった年齢が若いほど認知症のリスクが高い

HbA1cが高いと認知症のリスクが高い

糖尿病予備群でも認知症のリスクが高い

など、お知らせしてきましたが、

 

オーストラリアの研究グループは、

HbA1cを下げれば認知症のリスクも下がる

という研究論文を発表しました。

 

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血糖値が低いほど認知症のリスクが下がる

オーストラリアのモナッシュ大学のNATIONAL CENTRE FOR HEALTHY AGEINGの研究グループは、

HbA1cと認知症のリスクについて検討し、

血糖値が低いほど認知症のリスクが下がる

ということが判明したと述べています。

 

Glycemic Control Over Multiple Decades and Dementia Risk in People With Type 2 Diabetes

 

詳しく見る ⇒ 原著論文

 


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研究グループは、

糖尿病の血糖値と認知症のリスクを調べるため、

アメリカの診療データベース(KPNC)を用いて、

血糖値管理と認知症のリスクについて検討したのです。

 

データベース登録時点で認知症を患っていない、

50歳以上の糖尿病患者25万3,211例を対象に、

約6年間追跡し期間中における約10回のHbA1c測定によって、

  1. 6%未満
  2. 6%~7%未満
  3. 7%~8%未満
  4. 8%以上9%未満
  5. 9%以上10%未満
  6. 10%以上

の6つのカテゴリーに分けたのですが、

複数回のHbA1cの50%超が収まる範囲をその患者のカテゴリーにしました。

 

その結果、

各カテゴリーの測定値が50%以下だった集団に対する認知症リスクが、

  • 9%~10%未満の群では認知症のリスクが31%高い
  • 10%以上の群では認知症のリスクが74%高い

という傾向が認められたのです。

 

さらに、

6%未満、6%~7%未満、7%~8%未満の集団においては認知症のリスクが7~21%低く、7%未満では最も低い

ということが判明したとのことです。

 

この研究グループは、

HbA1cが9%以上の糖尿病患者では認知症のリスクが最も高いという今回の結果は、高齢の糖尿病患者において血糖管理が重要だということを支持しています

と述べています。

 


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まとめ

糖尿病では認知症のリスクが高いということは既に多くの研究で明らかになっています。その理由は、高血糖が脳にダメージを与える、脳の血管が障害されるからだといわれています。しかし、今回の研究のように糖尿病でも血糖値を下げることによって認知症のリスクが下がるのです。

糖尿病でも適度な運動は認知症のリスクを下げるの記事も参考にしてください。

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