歯周病を治したら糖尿病も治った、その理由は?
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。
はじめに
歯の病気である歯周病が糖尿病の引き金や悪化させる原因になることや、
糖尿病の前段階である糖尿病予備群でも歯周病は血糖コントロールを悪くすることはこのサイトでもお知らせしていますのでご存じのことと思います。
このサイトでも、
などの記事でお知らせしましたが、
歯周病は糖尿病を悪化させるのですが、
歯周病が治れば糖尿病も改善するのです。
糖尿病で血糖値がなかなか改善しない人では歯周病が原因でもあるのです。
糖尿病を悪化させる歯周病とは?
歯周病とは上の図に示したように、歯の周りの歯茎が炎症を起こす病気です。
歯の表面や周囲にできるプラーク(歯垢)は「食べカス」だと思っている人が多いのですが、
歯垢は細菌とその代謝物で、歯の表面に付着している白色または黄白色のネバネバした物質で、
歯垢にカルシウムが沈着して歯石となります。
歯垢は細菌の塊で、1gあたり1,000億個以上の細菌がいると言われおり、
放置すると虫歯をできたり、歯茎の炎症で出血したり、歯槽骨を溶かしてしまうのです。
さらには、炎症による炎症性サイトカインが口腔から全身へと流出し、動脈硬化を引き起こして心筋梗塞や脳梗塞や糖尿病の原因になるのです。
厚生労働省の「2012年歯科疾患実態調査」では、
25~29歳では68%以上、45歳~54歳では80%以上で歯周病の兆候が見られるとしており、
中年以降ではほとんどの人が歯周病があると考えられます。
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歯周病を治したら糖尿病が治った
日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイド」にも「糖尿病と歯周病は相互に負の影響を与える」と記載され、
日本歯周病学会でも「糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン」を刊行し糖尿病患者の歯周病の治療を喚起しています。
- 歯周病があると糖尿病が悪化する、
- 歯周病は糖尿病を発症させる、
といいますが、「歯周病を治したら糖尿病が治った」ということも事実なのです。
大阪府内科医会の会長である福田医師は、
「薬を飲んで生活習慣も規則正しく継続しているのに血糖値が改善しない」という糖尿病患者を調べたら歯周病があり、歯周病を治療したら血糖値も改善した」という例はよくある。
と述べています。
詳しく見る ⇒ 糖尿病を悪化させる歯周病…怖い理由は
歯周病の発症を予防する上で重要なことはプラークの量を減らす「プラークコントロール」だと言われています。
毎日歯磨きや歯間ブラシなどでセルフケアをおこなうと供に、
定期的に歯科クリニックでプラーク除去やプラークのもととなる歯石を取ってもらうことが提唱されています。
糖尿病の人はもちろん糖尿病予備群である人も、たとえ歯周病の症状の自覚がなくてもプラークコントロールの治療と指導を受けることをオススメしますが、
その時には、必ず「糖尿病です」あるいは「糖尿病予備群です」と医師に伝えてください。
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まとめ
歯周病は歯茎の病気で糖尿病とは全く関係がなさそうですが、
- 歯周病は糖尿病を発症させる
- 歯周病は糖尿病を発症させる
ということも事実なのです。
「歯周病を治したら糖尿病が治った」という人もたくさんいるそうです。