65歳以上の男性で糖尿病なら新型コロナが重症化しやすい
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。
はじめに
新型コロナウイルス感染の第4波もようやく下火になって来たようです。
しかし依然として重症化の人も多く、
軽症で自宅療養中の人でも突然重症化することがあることから気を許せません。
このサイトで何回もお知らせしましたように、
新型コロナウイルス感染では、心疾患のある人や糖尿病の人では重症化しやすいことが明らかになっています。
糖尿病のコロナウイルス患者は10人に1人が入院後7日以内に死亡
北里大学の研究グループは、
- 高齢
- 男性
- 2型糖尿病
- 肥満
という要因が重なるほど入院治療や集中治療となるリスクが高いことが明らかになったと発表しました。
新型コロナは65歳以上の男性で糖尿病なら重症化しやすい
北里大学の研究グループは、
アメリカの複数医療機関における新型コロナウイルス感染者2万8,095人のデーターを用い、
新型コロナウイルス感染と患者の背景因子を解析しました。
その結果、
- 65歳以上
- 男性
- 2型糖尿病
- BMI(体格指数)が30以上の肥満
であることが重なるほど新型コロナが重症化する危険性が高まることを明らかになったと発表しました。
詳しく見る ⇒ 北里大学プレスリリース
Impact of overlapping risks of type 2 diabetes and obesity on coronavirus disease severity in the United States
詳しく見る ⇒ 原著論文
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これまでの調でも高齢や肥満などが新型コロナの重症化のリスク因子であることが指摘されていましたが、
今回の研究では複数のリスク因子が重なるほど重症化のリスクが高まることが明らかになったのです。
北里大学の研究グループは、
2020年1月1日~11月30日に新型コロナに感染した2万8,095人の患者について、新型コロナ感染陽性と診断されてから30日以内に入院治療や重症治療を受ける危険性を解析しました。
最も大きな危険因子は65歳以上の年齢、その次は2型糖尿病が高い危険性を示したのです。
さらに、
- 65歳以上
- 男性
- 2型糖尿病
- 肥満
であるときには各1点を加算したところ、
合計点数が、
- 1点では入院の危険性が3倍
- 2点では入院の危険性が6.5倍
- 3点では入院の危険性が16倍
- 4点では入院の危険性が20倍
に高まることが明らかになったのです。
さらに、
重症化する危険性も、
- 1点では3倍
- 2点では15倍
- 3点では38倍
- 4点では55倍
にも増加することが明らかになったのです。
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まとめ
糖尿病患者では新型コロナ感染で重症化しやすいことが分かっていますが、
高齢、男性、肥満が重なれば重症化のリスクが55倍にも増加するのです。
しかし、糖尿病でも血糖コントロールができていれば必要以上に新型コロナを恐れる必要はないにも書きましたが、
今回の研究でも、糖尿病でもメトホルミンやSGLT2阻害薬などの糖尿病治療薬を服用していた患者ではリスクが低下していたと報告しています。
糖尿病であってもキチンと治療していれば必要以上に怖れることはないのです。
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